2 地球規模課題への取組
(1)持続可能な開発のための2030アジェンダ
「持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)」は、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)24の後継として2015年9月の国連サミットで採択された、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けた2030年までの国際開発目標である。2030アジェンダは、先進国を含む国際社会全体の開発目標として相互に密接に関連した17の目標と169のターゲットから成る「持続可能な開発目標(SDGs)25」を掲げている。日本は、2030アジェンダ採択後、まず、SDGs実施に向けた基盤整備として、総理大臣を本部長、官房長官及び外務大臣を副本部長として、ほかの全ての国務大臣を構成員とするSDGs推進本部を設置し、SDGs達成に向けた中長期的戦略を定めたSDGs実施指針を策定した。また、SDGs実施に向けた官民パートナーシップを重視するため、民間セクター、市民社会、有識者、国際機関などの広範な関係者が集まるSDGs推進円卓会議を開催し、SDGs推進に向けた地方やビジネス界の取組、ユース・女性のエンパワーメントの方策、国際社会との連携強化などについて意見交換を行っている。
2023年はSDGs達成に向けた折り返しの年に当たり、岸田総理大臣は、9月に国連で開催されたSDGサミットにおいて、「人間の尊厳」を国際社会全体の連帯を支える理念として掲げ、国際社会におけるSDGs達成の取組を主導していくと述べ、12月には、SDGs実施指針の改定が4年ぶりに行われた。目標達成年である2030年までの残りの期間においても、日本は、同実施指針に基づいて、国内及び国際社会全体でのSDGs達成に向けた取組を推進していく。
ア 人間の安全保障
人間の安全保障とは、一人一人が恐怖と欠乏から免れ、尊厳を持って幸福に生きることができるよう国・社会造りを進めるという考え方である。日本は、長年にわたって人間の安全保障を外交の柱として提唱しており、6月に改定された開発協力大綱においては、人間の安全保障を日本のあらゆる開発協力に通底する指導理念に位置付けた。また、日本が議長国として5月に開催した広島サミット首脳宣言では、誰一人取り残さない社会の実現を目指し、新しい時代の人間の安全保障を推進するとの言及がなされた。日本は、国連においても議論を主導し、1999年、日本のイニシアティブにより国連に設置された人間の安全保障基金に対し、2022年末までに累計約500億円を拠出し、国連機関による人間の安全保障の普及と実践を支援してきた。また、二国間協力においても、草の根・人間の安全保障無償資金協力などの支援を通じ、この概念の普及と実践に努めてきた。「人間中心」や「誰一人取り残さない」といった理念を掲げるSDGsも、人間の安全保障の考え方を中核に据えており、岸田総理大臣は、9月に国連で開催されたSDGサミットにおいて、人間の安全保障は、「人間の尊厳」に基づくSDGs達成の鍵となる概念であると述べた。さらに、2024年初頭には、10年ぶりとなる人間の安全保障に関する事務総長報告が公表され、今後、国連を始めとする国際場裡(り)において人間の安全保障をめぐる議論が再活性化することが見込まれている。
イ 防災分野の取組
気候変動の影響により災害の頻発化・激甚化が懸念される中、防災の取組は、貧困撲滅と持続可能な開発の実現にとって不可欠である。日本は、幾多の災害の経験により蓄積された防災・減災に関する知見をいかし、防災の様々な分野で国際協力を積極的に推進している。2023年は、第3回国連防災世界会議(2015年)において、日本が主導して採択された「仙台防災枠組(2015-2030)」の計画期間の折り返し地点であり、5月には国連本部において、「仙台防災枠組実施状況の中間評価に係る国連ハイレベル会合」が開催され、これまでの防災分野の取組進捗の把握が行われた。また、2030年までの目標達成に向けた各ステークホルダー(利害関係者)取組加速の必要性などが示された。さらに、日本の主導により、2015年、第70回国連総会において全会一致で制定された「世界津波の日(11月5日)」に合わせ、日本は、「世界津波の日」高校生サミットを開催し、また、国連防災機関(UNDRR)26と共催して、津波防災に対する意識向上を目的とする普及・啓発イベントを開催している。また、国連開発計画(UNDP)と連携し、アジア・大洋州の女性行政官などを対象として津波に関する研修を行うとともに、国連訓練調査研究所(UNITAR)27広島事務所と協力し、学校を対象とした津波避難訓練の実施などを支援している。今後も災害で得た経験と教訓を世界と共有し、各国の政策に防災の観点を導入する「防災の主流化」を引き続き推進していく。
ウ 教育
教育分野では、2030アジェンダ採択に合わせて日本が発表した「平和と成長のための学びの戦略」の下、世界各地で様々な教育支援を行っている。2022年9月、グテーレス国連事務総長のイニシアティブで開催された国連教育変革サミットにおいて、岸田総理大臣は、人への投資を中核に位置付けた人材育成や「持続可能な開発のための教育(ESD)28」の推進などを表明した。また、同月、岸田総理大臣は、同サミットで高まった気運を維持し、教育改革をグローバルに推進する役割を担うため、教育チャンピオンに就任した。さらに、G7広島サミットにおいては、G7として包摂的で公平な質の高い教育の確保に向けて前進することにコミットした。これらの動きを踏まえ、2023年6月に改定された開発協力大綱に記載されたとおり、万人のための質の高い教育、女性・こども・若者のエンパワーメントや紛争・災害下の教育機会の確保の観点も踏まえて、引き続き教育支援を実施していく。
エ 農業分野の取組
日本はこれまでG7やG20などの関係各国や国際機関とも連携しながら、開発途上国などの農業・農村開発を支援している。2020年以降、新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)の感染拡大に伴う移動制限やウクライナ情勢の影響などを受け、国際機関などを経由した支援を通じて、農産品などの流通の停滞による食料システムの機能低下などに対処している。国際的な取組としてはG7広島サミットにおいて、グローバルな食料安全保障の実現と飢餓ゼロの達成を掲げた「強靱なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明」を発出した。
オ 水・衛生分野の取組
日本は、1990年代から継続して水・衛生分野での最大の支援国の一つであり、日本の経験・知見・技術をいかした質の高い支援を実施しているほか、国際社会での議論にも積極的に参加してきている。3月に開催された「国連水会議2023」では、上川陽子総理特使(衆議院議員)がテーマ別討議「気候、強靭(じん)性、環境に関する水」の共同議長を務め、日本の水防災の経験も生かしつつ、世界における水分野の強靱化に向けた提言を取りまとめた。
(2)国際保健
保健は、人間一人一人の生存・生活・尊厳を守り、日本が提唱する人間の安全保障を実現していく上で必要不可欠な基礎的条件である。さらに新型コロナの世界的流行拡大(パンデミック)は、国際保健が人々の健康に直接関わるのみならず、日本を含む国際社会にとって、経済、社会、安全保障上のリスクにも関わる重要な課題であることを浮き彫りにした。こうした認識の下、新型コロナの教訓も踏まえ、日本政府は2022年5月に「グローバルヘルス戦略」を策定した。同戦略では、グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)29の構築に貢献し、パンデミックを含む公衆衛生危機に対する予防・備え・対応(PPR)30を強化すること、また、人間の安全保障を具現化するため、ポスト・コロナの新たな時代に求められる、より強靱、より公平、かつより持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)31を達成することを目標として掲げている(268ページ コラム参照)。
G7広島サミットでは、日本は議長国として国際保健分野においても、(ア)公衆衛生危機対応のためのGHAの発展・強化、(イ)より強靱、より公平、かつより持続可能なUHC達成への貢献、(ウ)様々な健康課題に対応するためのヘルス・イノベーションの促進の三つの柱を軸にして、議論を主導した。
具体的にはG7首脳は、GHAの発展・強化に向けて、国際保健のガバナンス向上、財務・保健両当局間の連携強化、パンデミック基金32による支援及びパンデミック対応のための迅速かつ効率的な資金供給メカニズムに係る検討などの資金面の取組、国際保健規則(IHR)33改正及びパンデミックのPPRに関する世界保健機関(WHO)34の新たな法的文書(いわゆる「パンデミック条約」)の作成交渉を通じた国際的な規範の強化に取り組んでいくことを確認した。
また、UHC達成への貢献に関して、G7首脳は、HIV/エイズ、結核、肝炎、マラリア、ポリオ、麻しん、コレラ、顧みられない熱帯病(NTDs)を含む感染症、薬剤耐性(AMR)、また、メンタルヘルス症状を含む非感染性疾患(NCDs)、母子保健、全ての人の包括的な性と生殖に関する健康と権利(SRHR)35の実現、健康的な高齢化並びに定期予防接種、栄養改善及び水と衛生(WASH)36の促進といった、新型コロナへの対応により後退した従来の保健課題への対応の推進を確認し、UHC達成及びPPR強化を含む国際保健への貢献のため、官民合わせて480億ドル以上の資金貢献を表明した。日本からは、岸田総理大臣が、G7全体として資金貢献を行っていく中で、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)37への2億ドルのプレッジ(供与の約束)を含め、2022年から2025年までに官民合わせて75億ドル規模の貢献を行う考えを表明した。さらに、G7首脳はインパクト投資による民間資金動員を通じて保健課題の解決を目指す「グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ(Impact Investment Initiative for Global Health:Triple I for Global Health)」や、G7各国が世界全体のUHC達成に向けて取り組むべき行動についてまとめた「G7 UHCグローバル・プラン」を承認するなど、2030年までの世界全体におけるUHC達成に引き続き貢献していく決意を改めて表明した。
加えて、GHAの強化とUHCの達成の鍵となるヘルス・イノベーションの促進に関して、G7首脳は、新型コロナのパンデミックで特に課題となった、ワクチンを含む感染症危機対応医薬品など(MCMs)38への公平なアクセスの確保について、公平性、包摂性などの基本的な考え方や原則を「MCMへの公平なアクセスのためのG7広島ビジョン」として発表した。さらに、G7首脳はこの広島ビジョンに基づき、「MCMに関するデリバリー・パートナーシップ(MCDP)39」を立ち上げた。MCDPは、日本が世界に先駆け実施した新型コロナワクチンに関するラスト・ワン・マイル支援で得た知見や教訓をいかすMCMのデリバリーに焦点を当てた協力の取組であり、今後、G7、G20、WHO、国連児童基金(UNICEF)などの関係国・機関との協力の下、WHOによる関連の取組との連携も期待されている。

(5月21日、広島県 写真提供:内閣広報室)

9月、第78回国連総会の機会に際しても、新型コロナ感染拡大収束後初の保健関連のハイレベル会合及び日本主催のものも含むサイドイベントが開催され、国際保健に係る活発な議論が首脳レベルで行われた。初開催のパンデミックへのPPRに関するハイレベル会合では、上川外務大臣が、日本がPPR強化に積極的に取り組む姿勢を改めて国際社会に示した。UHCハイレベル会合では、岸田総理大臣が国際社会は引き続きUHCの達成に向けて行動すべきであると発信した。日本が主催したG7保健フォローアップ・サイドイベントでは、岸田総理大臣及び武見敬三厚生労働大臣に加え、G7、タイ、ジョージア、バングラデシュ、ブラジルなどの首脳級・閣僚級、WHO、世界銀行、UNICEFなどの国際機関の長、ビル・ゲイツ・ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同議長、渋澤健GSG国内諮問委員会委員長などが出席した。岸田総理大臣はMCDPの推進を確認し、「トリプル・アイ(Triple I)」40の立ち上げを発表した。また、開発途上国がPPRに必要な資金を機動的・効果的に動員できるよう、新たな円借款制度を創設することを発表し、世界のリーダーと共にUHC達成とPPR強化に関する国際社会のコミットメントを再確認した。

(9月21日、米国・ニューヨーク 写真提供:内閣広報室)

日本は、これらの成果を踏まえ、2024年5月の第77回WHO総会での提出及び採択を目指している「パンデミック条約」の作成交渉やMCMへの公平なアクセスの確保に係る国際的な取組を含め、国際保健の推進に引き続き貢献していく。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは、全ての人々が基礎的な保健医療サービスを、必要なときに、負担可能な費用で享受できる状態を指します。日本は、1961年に国民皆保険制度を構築し、世界で有数の健康長寿社会を築き上げ、国内のUHCを推進し、世界全体におけるUHCの達成にも貢献してきました。
「既に健康長寿社会を構築している日本がなぜ『世界の』UHC達成を支援する必要があるのか。自国のUHC推進のみ行えば十分ではないか。」との問いが生じるかもしれません。新型コロナウイルス感染症の世界的流行拡大(パンデミック)は、感染症を始めとする健康危機はどのような国でも一国のみでは解決できない課題であることを示しました。
先のパンデミックは、グローバル社会においては人の移動とともに感染症が国境を越えて国際社会全体に広がることを浮き彫りにしました。日本だけが強固な保健システムを構築して国内のUHCのみを推進しても、世界の国々が脆(ぜい)弱な保健システムのために感染症拡大の危機に瀕(ひん)すれば、日本だけが逃れることはできないことが明らかになったのです。世界全体のUHC達成こそが、日本を含む国際社会における、人々の健康と、経済、社会、安全保障の安定に資する、これが新型コロナから得られた教訓の一つです。
新型コロナ以前から、日本は、世界全体におけるUHC達成に向けた取組を主導してきました。2015年9月に国連で持続可能な開発目標(SDGs)が定められた際には、ターゲットの一つとしてUHC達成が位置付けられる(SDGsターゲット3.8)ように後押ししました。その後、2016年5月のG7伊勢志摩サミットでは、UHCが初めて主要テーマとして扱われ、「国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョン」が発出されました。
また、日本は、2030年までのUHC達成に向けた国際保健パートナーシップである「International Health Partnership for UHC2030 (UHC2030)」の発足(2016年6月)に貢献し、さらに、2018年12月に国連においてUHC達成の機運を高めるための有志国グループ「UHCフレンズグループ(The Group of Friends on UHC)」の設置を主導し、2019年9月に初めて開催された国連総会UHCハイレベル会合では、フレンズグループ議長としてUHC政治宣言を取りまとめました。
そして、新型コロナのパンデミック発生以降、前述の教訓を踏まえ、グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)の構築とパンデミックを含む公衆衛生危機に対する予防・備え・対応(PPR:Prevention, Preparedness and Response)の強化に加え、ポスト・コロナの新たな時代に求められる、より強靭(じん)、より公平、かつより持続可能なUHCの達成を政策目標とした「グローバルヘルス戦略」を2022年5月に策定しました。同戦略を踏まえ、日本が議長国として臨んだ2023年5月のG7広島サミットでは、UHC達成を含む国際保健への貢献のため、G7として官民合わせて480億ドル以上の資金貢献を行っていく中で、日本としても2022年から2025年までに官民合わせて75億ドル規模の貢献を行う考えを表明しました。また、G7各国が世界全体のUHC達成に向けて取り組むべき行動を「G7 UHCグローバル・プラン」として取りまとめました。そして、2023年9月の国連総会UHCハイレベル会合では、日本も積極的に交渉に臨んだ政治宣言が承認され、2019年のUHCハイレベル会合でも確認された、2030年までに全ての人に基礎的医療サービスを届けることなどの目標達成に向けた強いコミットメントが示されました。このUHCハイレベル会合では、岸田総理大臣が、改めて国際社会はUHCの達成に向け行動すべきであると発信し、2030年までに開発途上国を含む世界全体がUHCを達成できるよう、国際社会の取組を更に主導していく決意を表明しました。

(9月21日、米国・ニューヨーク 写真提供:内閣広報室)
世界全体のUHC達成の目標年である2030年は、日本が再びG7議長国を務める予定です。日本は、UHC達成に関する自国の知見と新型コロナのパンデミックで得られた教訓をいかし、引き続き世界全体のUHC達成に貢献していきます。
(3)労働・雇用
雇用を通じた所得の向上は、貧困層の人々の生活水準を高めるために重要である。また、世界的にサプライチェーンが拡大する中で、労働環境の整備などを図り、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の実現に取り組んでいく必要がある。このディーセント・ワークの実現は、SDGsの一つであり、国際労働機関(ILO)41でも、その活動の主目標に位置付けられている。こうした中で、日本は、ILOへ義務的な分担金を負担するのみならず、開発途上国における労働安全衛生水準の向上や社会保険制度の構築などに対する任意拠出を通じた支援を積極的に行い、労働分野での持続可能な開発に取り組んでいる。さらに、G7広島サミットにおいて、グローバル・バリューチェーン(製造業の国際分業)における国際労働基準及び人権、ILO基本条約の尊重の確保、技術協力を含むディーセント・ワークの促進に積極的に関与することなどを内容とした首脳コミュニケを発出した。
(4)環境・気候変動
ア 地球環境問題
2030アジェンダに環境分野の目標が記載されるなど、地球環境問題への取組の重要性は広く認識され、国際的な関心も更に高まっている。日本は、多数国間環境条約や環境問題に関する国際機関などにおける交渉及び働きかけを通じ、自然環境の保全及び持続可能な開発の実現に向けて積極的に取り組んでいる。また、複数の環境条約の資金メカニズムとして世界銀行に設置されている地球環境ファシリティ(GEF)42の主要拠出国の一つとして、地球規模の環境問題に対応するプロジェクトの実施に貢献している。
(ア)海洋環境の保全
海洋プラスチックごみ問題は、不法投棄や不適正な廃棄物管理などにより生じ、海洋の生態系、観光、漁業及び人の健康に悪影響を及ぼしかねない喫緊の課題として、近年その対応の重要性が高まっている。2019年のG20大阪サミットにおいて打ち出した、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けて、日本は、国連環境計画(UNEP)43などの国際機関とも協力し、海洋プラスチックごみの流出防止策に必要な科学的知見の蓄積支援及びモデル構築支援など、主にアジア地域において環境上適正なプラスチック廃棄物管理・処理支援などを行っている。
海洋環境などにおけるプラスチック汚染対策のための新たな国際枠組み作りに向けた機運の高まりを受け、2022年3月の第5回国連環境総会において、海洋環境などにおけるプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書の策定のための政府間交渉委員会(INC)44を設立し、2024年までに作業完了を目指すことが決定された。日本は、5月及び11月にそれぞれ開催された第2回及び第3回のINC会合において、当該国際文書(条約)の目的に、G7広島サミットで定めた2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにするという野心を盛り込むべきこと、また、条約に基づく各国の包括的な義務として、社会全体でプラスチック資源循環メカニズムを構築し、生産から廃棄物管理に至るまでのライフサイクル全体で対応に取り組む規定が必要であることなどを主張した。日本は今後も、本分野において主導的な役割を果たしながら、実効的かつ進歩的なルール形成を後押ししていく。
海洋環境の保全、漁業、海洋資源の利用などについて議論を行う「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」(海洋国家の首脳で構成)では、9月に第5回首脳会合が開催され、岸田総理大臣の代理として上川外務大臣が同会合に出席した。上川外務大臣は、日本が第4期海洋基本計画を策定したことを紹介し、ブルーカーボン(海洋生態系による炭素固定)関連の取組などの日本の優れた取組を「日本モデル」として発信していくことを述べつつ、プラスチック汚染対策について、2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにするという野心を多くの国と共有することを期待すると述べた。
(イ)生物多様性の保全
2022年12月、モントリオール(カナダ)において生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第二部が開催され、生物多様性に係る新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)45」が採択された。これを踏まえ、日本は、2023年3月に生物多様性国家戦略を改定し、GBFの実施を着実に進めている。また、10月には、ナイロビ(ケニア)において、COP15、カルタヘナ議定書第10回締約国会合及び名古屋議定書第4回締約国会合の第二部再開会合が開催され、残された議題について決議を採択し、これらの会合が正式に閉会した。
8月、バンクーバー(カナダ)で第7回GEF総会が開催され、GEFの下で運用される、GBFの実施を促進するための生物多様性枠組基金(GBFF)46の設立が承認された。また、12月9日、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)(アラブ首長国連邦・ドバイ)のサイドイベントにおいて、伊藤信太郎環境大臣からGBFFへの6.5億円の拠出を表明した。
近年、野生動植物の違法取引が深刻化し、国際テロ組織の資金源の一つとなっているとして、国際社会で注目されている。日本は、ワシントン条約47のゾウ密猟監視(MIKE)48プログラムへの拠出などを通じてこの問題に真摯に取り組んでいる。近年では、2022年にザンビア及びルワンダに密猟監視施設を提供した。加えて、2022年にはボツワナに、2023年にはジンバブエにも野生動物の密猟及び保全対策に関連する施設の供与を決定した。また、日本は、11月に開催されたワシントン条約第77回常設委員会会合(スイス・ジュネーブ)に出席し国際的な議論に積極的に貢献している。
日本は、持続可能な農業及び食料安全保障のための、食料・農業植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用の促進に関する国際ルール作りにも貢献している。11月にローマ(イタリア)で開催された食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGR)49第10回理事会において、日本は、遺伝資源へのアクセス及び育種を始めとする遺伝資源の利用を促進するため、多数国間の制度(MLS)50の対象となる遺伝資源の範囲拡大及びその機能改善に向けて、議論に参画した。
国際熱帯木材機関(ITTO)51を通じた取組に関しては、日本は、ITTOへの拠出を通じ、熱帯林の持続可能な経営及び持続的・合法的な熱帯木材の貿易の促進などに資する実地プロジェクトを2023年も継続的に実施した。11月には、ITTO第59回理事会がパタヤ(タイ)で開催され、2026年に期限を迎えるITTOの設置根拠である国際熱帯木材協定(ITTA)や行財政予算などについて議論が行われ、ITTAの再延長については、2024年6月1日までに加盟国からの書面回答を踏まえて決定されることとなった。
(ウ)化学物質・有害廃棄物の国際管理
10月、ナイロビ(ケニア)で、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」第35回締約国会合が開催された。同会合では、開発途上国の議定書履行を支援するためのモントリオール議定書多数国間基金の増資交渉が行われたほか、議定書の効率的・効果的な運用について締約国間で議論が行われた。
5月、ジュネーブ(スイス)で、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」及び「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」の合同締約国会議が開催され、附属書改正の採択を含む各条約の運用上の課題のほか、3条約に共通する技術協力や条約間の連携の強化による効率的な対策の実施について議論が行われた。
9月、ボン(ドイツ)で、第5回国際化学物質管理会議が開催され、国際的な化学物質管理の新たな枠組みとして、「化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)─化学物質や廃棄物の有害な影響から解放された世界へ」が採択された。
10月から11月にかけ、ジュネーブ(スイス)で、「水銀に関する水俣条約」第5回締約国会議が開催され、附属書改正や規制の対象となる水銀汚染廃棄物のしきい値52などについて、議論が行われた。
イ 気候変動
(ア)2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組
2020年10月、日本は2050年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロとする、カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言した。2021年4月に開催された米国主催気候サミットにおいては、2050年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すこと、更に50%の高みに向け挑戦を続けることを表明した。2021年10月、新たな削減目標を反映した「国が決定する貢献(NDC)53」及び2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組を反映した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を国連気候変動枠組条約事務局に提出した。
(イ)国連気候変動枠組条約とパリ協定
気候変動の原因である温室効果ガスの排出削減には、世界全体での取組が不可欠であるが、1997年の同条約第3回締約国会議(COP3)で採択された京都議定書は、先進国にのみ削減義務を課す枠組みであった。2015年12月、パリで開催されたCOP21では、先進国・開発途上国の区別なく、温室効果ガス削減に向けて自国の決定する目標を提出し、目標達成に向けた取組を実施することなどを規定した公平かつ実効的な枠組みであるパリ協定が採択された。同協定は2016年11月に発効し、日本を含む195か国の国・機関が締結している(2023年末時点)。
11月30日から12月13日にドバイ(アラブ首長国連邦)で開催されたCOP28では、パリ協定の目標達成に向けた世界全体の進捗を評価するグローバル・ストックテイク(GST)に関する決定、ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失と損害)に対応するための基金を含む新たな資金措置の制度の大枠に関する決定などが採択された。
GSTでは、1.5℃目標54の達成に向け、2025年までの世界全体の温室効果ガス排出量のピークアウトや全ての温室効果ガス及びセクターを対象とした野心的な排出削減目標の策定に加え、各国ごとに異なる道筋を考慮した分野別貢献(世界全体での再生可能エネルギー設備容量3倍・エネルギー効率改善率2倍のほか、ゼロ・低排出技術(再エネ、原子力、CCUS55、低炭素水素等)の加速、化石燃料や道路部門における取組等)などが決定された。
ロス&ダメージに対応するための基金については、気候変動の影響に特に脆弱な開発途上国を支援の対象とすること、世界銀行の下に設置すること、先進国が立ち上げ経費の拠出を主導する一方、公的資金、民間資金、革新的資金源などのあらゆる資金源から拠出を受けることが決定された。
COP28に際して12月1日及び2日に開催された首脳級会合「世界気候行動サミット」には岸田総理大臣が出席し、2030年までの行動が決定的に重要であることを強調の上、2050年ネット・ゼロの達成、全ての温室効果ガスを対象とする経済全体の総量削減目標の設定及び2025年までの世界全体の排出量ピークアウトの必要性を訴えた。また、経済成長やエネルギー安全保障と両立するよう、多様な道筋の下で、全ての国がネット・ゼロという共通の目標を目指すことも訴えた。さらに、日本は徹底した省エネと、再エネの主力電源化、原子力の活用などを通じたクリーンエネルギーの最大限の導入のほか、日本のネット・ゼロへの道筋に沿って、エネルギーの安定供給を確保しつつ、排出削減対策が講じられていない新規の国内石炭火力発電所の建設を終了していくことを表明した。
(ウ)国際社会における日本の貢献
開発途上国が十分な気候変動対策を実施できるよう、日本を含む先進国は開発途上国に対して、資金支援、能力構築(キャパシティ・ビルディング)、技術移転といった様々な支援を実施している。
COP26において立ち上げられた「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)56」では、日本が米国と共に共同リード国を務めるインドネシアを対象とした包括的投資・政策計画や、日本がパートナー国を務めるベトナムを対象とした資源動員計画が作成された。今後、これらの計画に沿って、JETP対象国において具体的なエネルギー移行の取組が進められることとなる。
2021年のG7コーンウォール・サミット及びCOP26において、日本は2021年から2025年までの5年間で官民合わせて最大約700億ドル規模の支援、及びこれまでの倍となる約148億ドルの適応分野への支援を表明した。こうした支援には、開発途上国による気候変動対策を支援する多国間基金である「緑の気候基金(GCF)57」も重要な役割を果たしている。日本は、これまでに約3,190億円を拠出してきており、2023年10月の第2次増資ハイレベル・プレッジング会合においては、第2次増資(2024年から2027年)に対しても第1次増資と同規模の最大約1,650億円を拠出することを表明した。
12月には、日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議にあわせ、初のアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)58首脳会合を開催し、脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障の同時実現や、各国の事情に応じた多様な道筋を通じてカーボンニュートラルという共通のゴールを目指すことの重要性をAZECパートナー国の首脳と共に確認し、協力を進めていくことで一致した。
(エ)二国間クレジット制度(JCM)59
JCMは、パートナー国への優れた脱炭素技術などの普及を通じ、パートナー国における温室効果ガス排出削減・吸収に貢献し、その成果の一部をクレジットとして日本が獲得する制度である。これらのクレジットは日本のNDC達成に活用することができ、日本とパートナー国の両方にメリットがある。日本は、2021年のCOP26での市場メカニズムの実施指針の採択を受け、JCMをより一層拡大していく方針である。2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ」では、2025年を目途にパートナー国を世界全体で30か国程度とすることを目指し、関係国との協議を加速していくこととしている。2022年以降、新たに11か国とJCM協力覚書に署名し、2023年12月時点で28か国とJCMを構築している。
(オ)気候変動の影響に対する強靱性の強化に関する取組
6月に改定された開発協力大綱及び2022年12月に改定された国家安全保障戦略においては、脱炭素を含む緩和策(温室効果ガスの排出削減・吸収増進等)及び島嶼国を始めとする開発途上国などが持続可能で強靱な経済・社会を構築するための適応策(気候変動による被害の回避・軽減等)の双方に対する支援の推進が盛り込まれた。日本は、各国・地域の事情に応じた、経済成長と気候変動対策の双方に資する支援を実施していく。
また、開発途上国の気候変動や災害への対応能力を高め、金融面での強靱性を高めることを目的とし、2022年にグローバル・シールド・ファイナンシング・ファシリティ(GSFF)60」が立ち上がった。これは、地域リスクプールの立ち上げや強化、リスク移転のための保険料融資など、災害リスク保険などのリスクファイナンスに関する資金支援及び技術支援を実施するもので、日本も2023年3月に8億円の拠出を行った。
さらに、COP28においてロス&ダメージに対応するための基金の制度の大枠が決定されたことを受け、日本は、基金の立ち上げのため、1,000万ドルを拠出する用意があることを表明した。立ち上げ経費への拠出を通じて同基金の早期運用化を支援し、基金の適切な運用に向けて、今後も積極的に議論に貢献していく。
(5)北極・南極
ア 北極
(ア)北極をめぐる現状
北極海を中心に、北緯66度33分以北は北極圏とされており、米国、カナダ、デンマーク、ノルウェー、ロシアの5か国が北極海に面する北極海沿岸国、これにアイスランド、スウェーデン、フィンランドを加えた8か国が北極圏国とされている。
北極海においては、有効な対策がとられない場合、今世紀半ばまでには夏季の海氷がほぼ消失する可能性が高いと予想している。さらに、北極では地球上の他のいずれの地域よりも地球温暖化の影響が増幅しており、地球温暖化による北極環境の急速な変化は、北極圏の人々の生活や生態系に深刻で不可逆的な影響を与えるおそれがある。一方、海氷の減少に伴い北極海航路の利活用や資源開発を始めとする経済的な機会も広がりつつある。また、一部の北極圏国が自国の権益確保などのため安全保障上の取組を強化する動きもある。
北極に関する課題対処においては、8か国の北極圏国によって設置された北極評議会(AC:Arctic Council)61が中心的役割を果たしており、ACにおける関係国や先住民を交えた議論や知見の共有を踏まえ、閣僚会合で決定される方針が、北極における協力を方向付けている。北極圏国の北極政策は、気候変動対策、環境保護、持続可能な発展、先住民の権利・生活などを優先事項と位置付けており、ACにおいてもこれらに関する協力が行われている。また、ACは軍事・安全保障課題を扱わないこととしている一方で、北極の平和・安全保障は北極圏国が重視する課題となっている。
また、地球温暖化や経済的機会の広がりを背景に、近年は非北極圏国も北極に対する関心を高めており、日本のほか、英国、フランス、ドイツ、スペイン、オランダ、ポーランド、中国、インド、イタリア、シンガポール、韓国、スイスがACのオブザーバーとなっている。
(イ)日本の北極政策と国際的取組
日本も2015年に「我が国の北極政策」を策定し、研究開発、国際協力、持続的な利用を3本柱に、国際社会に貢献することを目指している。
日本はACのオブザーバーとして、動植物相保全、海洋環境保護、持続可能な開発などをテーマにしたAC傘下の高級北極実務者会合、分野別作業部会や専門家会合での議論や知見の共有を通じてACの取組に貢献してきており、引き続きこれらの会合に積極的に参加していく。また、北極圏国の主導で開催され、産官学の様々な関係者が参加する複数のフォーラムにおいても北極に関する課題について意見交換及び知見の共有が促進されており、日本はこれらのフォーラムにも参加することで、北極の科学研究に関する知見を共有し、北極海における法の支配の重要性を発信している。
イ 南極
(ア)南極と日本
日本は1957年に開設した昭和基地を拠点に南極地域観測事業を推進してきており、日本の高い技術力をいかした観測調査を通じて地球環境保全や科学技術の発展における国際貢献を行っている。また、1959年に採択された南極条約の原署名国として、南極の平和的利用に不可欠な南極条約体制の維持・強化に努め、南極における環境保護、国際協力の促進に貢献してきている。
(イ)南極条約協議国会議と南極の環境保護
5月末から6月上旬にかけてヘルシンキ(フィンランド)で開催された第45回南極条約協議国会議(ATCM45)では、南極地域における気候変動の問題及び南極条約体制としての取組について議論が行われた。
(ウ)日本の南極地域観測
長期にわたり継続的に実施している基本的な南極観測に加え、2022年度から2027年度までの南極地域観測第10期6か年計画に基づき研究観測を実施する。第10期6か年計画では、南極域における氷床、海洋大循環、大気大循環や超高層大気などの過去と現在の変動の把握とその機構の解明を目的として、各種研究観測を実施することを予定している。
24 MDGs:Millennium Development Goals
25 SDGs:Sustainable Development Goals
26 UNDRR:United Nations Office for Disaster Risk Reduction
27 UNITAR:United Nations Institute for Training and Research
28 ESD:Education for Sustainable Developement
29 GHA(Global Health Architecture):国際保健の体制
30 PPR:Prevention, Preparedness and Response
31 UHC(Universal Health Coverage):全ての人々が基本的な保健医療サービスを、必要なときに、負担可能な費用で享受できる状態
32 新型コロナの世界的流行拡大を受けて既存の国際保健システムにおける資金ギャップに対処する新たな資金メカニズムとして2022年に世界銀行内に設立された、PPRのための金融仲介基金。日本は同基金に計7,000万ドルの貢献を表明済み(うち5,000万ドルは拠出済み)
33 IHR:International Health Regulations
34 WHO:World Health Organization
35 SRHR:Sexual reproductive Health and Rights
36 WASH:Water, Sanitation and Hygiene
37 GHIT:Global Health Innovative Technology Fund
38 MCMs:medical countermeasures
39 MCDP:MCM Delivery Partnership
40 G7広島サミットで承認された、インパクト投資を通じて民間資金動員を加速させる、国際保健のためのインパクト投資イニシアティブ
41 ILO:International Labour Organization
42 GEF:Global Environment Facility
43 UNEP:United Nations Environment Programme
44 INC:Intergovernmental Negotiating Committee
45 GBF:Kunming-Montreal Global Biodiversity Framework
46 GBFF:Global Biodiversity Framework Fund
47 正式名:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)
48 MIKE:Monitoring the Illegal Killing of Elephants
49 ITPGR:International Treaty on Plant Genetic Resources for Food and Agriculture
50 MLS:Multilateral System
51 ITTO:International Tropical Timber Organization
52 ある一定の値以上で影響が出て、それ以下では影響が出ない境界の値のこと
53 NDC:Nationally Determined Contribution
54 パリ協定で示された、世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも2℃高い水準を十分下回るものに抑え、また、1.5℃高い水準までのものに制限するための努力を継続するという目標
55 CCUS:Carbon dioxide Capture Utilization and Storage 二酸化炭素回収・貯留技術
56 JETP:Just Energy Transition Partnership
57 GCF:Green Climate Fund
58 AZEC:Asia Zero Emission Community
59 JCM:Joint Crediting Mechanism
60 GSFF:Global Shield Financing Facility
61 北極圏に係る共通の課題(特に持続可能な開発、環境保護など)に関し、先住民社会などの関与を得つつ、北極圏8か国(カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン及び米国)間の協力・調和・交流を促進することを目的に、1996年に設立された政府間協議体(軍事・安全保障事項は扱わない。)。日本は2013年にオブザーバー資格を取得した。