北極・南極

令和5年6月28日

 2023年5月29日から6月8日までヘルシンキ(フィンランド)において、第45回南極条約協議国会議(ATCM45)が開催されたところ、概要以下のとおり。また、5月28日から6月1日まで第25回環境保護委員会(CEP25)が開催された。

1 南極条約体制の運用等に関する事項

  • (1)2022年6月の第44回協議国会議以降、コスタリカとサンマリノが新たに南極条約を締結し、締約国数は56となった。南極環境保護議定書については、新たに締結した国はなく、締約国数は42のままであった。
  • (2)次回協議国会議(ATCM46)は、2024年5月20日から30日にインドのコチで開催されることとなった。

2 気候変動

 気候変動が南極地域に与える影響及び南極条約体制としての気候変動に対する取組について議論が行われた。

3 鉱物資源に関する活動の禁止(環境保護議定書第7条)の確認

 科学的研究を除く南極地域の鉱物資源活動の禁止に対する継続的なコミットメントを確認する旨の決議が採択された。

4 情報交換

 南極条約が定める科学的調査に関する協力の促進の観点から、電子情報交換システム(EIES)の入力項目の見直し等が議論された。南極条約第7条5で定められているとおり、南極地域での活動内容は他の締約国に対して事前に通告する必要があり、情報の共有及び透明性が南極条約システムの基本的側面であることが再確認された。

5 南極の観光

 近年の観光等を目的とする南極地域への渡航者への対応について議論が行われた。南極地域における観光活動が環境に影響につき懸念が表明され、同活動を包括的に規制する枠組みを構築するためのプロセスを開始することが合意された。

6 環境保護に関する事項(第25回環境保護委員会)

 15件の南極特別保護地区(ASPA)管理計画の改定、1件の南極特別保護地区(ASPA)管理計画の新規策定、1件の南極特別保護地区(ASPA)解除、1件の南極特別管理地区(ASMA)管理計画の改定、1件の記念史跡(HSM)のリストの更新が行われた。

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