ODAと地球規模の課題
グローバル化の進む中、世界の国々の相互影響と依存の度合は、急速に高まっています。貧困や紛争、人権の抑圧、感染症や環境問題など、一国のみの問題ではなく国際社会全体に関わるものとして協力して取り組むべき脅威・課題も少なくありません。日本は、自由で豊かで安定した国際社会の実現に向け、ODAの戦略的・効果的活用を図りながら開発支援や問題解決のための取組を行っています。
持続可能な開発のための2030アジェンダ
持続可能な開発のための2030アジェンダとは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)の後継として国連で定められた、2016年から2030年までの国際目標です。MDGsにおいて十分達成出来なかった保健や教育分野での残された課題や過去115年間で新たに顕在化した環境や格差拡大の課題等に対応すべく、新たに17ゴール・169ターゲットからなる持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)が、2015年9月に合意されました。その策定プロセスに積極的に参画してきた日本は、新アジェンダの実施に向けて最大限努力していくことを表明しました。
国際保健
国際社会は感染症、非感染性疾患や母子保健、健康な高齢化に向けた対策など、多様な国際保健の課題に直面しています。新型コロナの教訓も踏まえ、日本政府は2022年5月に「グローバルヘルス戦略」を策定し、グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA:国際保健の体制)の構築に貢献し、パンデミックを含む公衆衛生危機に対する予防、備え及び対応を強化すること、また、人間の安全保障を具現化するため、ポスト・コロナの新たな時代に求められる、より強靱、より公平、かつより持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成することを目標としています。外務省では国際保健を外交の柱の一つとして、関係省庁、機関、市民社会、民間企業など多様なステイクホルダーと協働しつつ、国際保健外交を推進しています。