地球環境
国連環境計画(UNEP)第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2)の概要と評価
令和4年4月19日
1 日程
2月28日から3月2日にかけて、国連環境計画(UNEP)第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2)がケニアのナイロビにおいて開催され、国連加盟国、関係国際機関、市民団体、NGO等が出席した。我が国からは、外務省、環境省及び経済産業省からなる代表団が参加した(正田環境省地球環境審議官及び岡庭健ケニア国駐箚日本国特命全権大使以下が出席)。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う状況を踏まえ、各種会合はオンラインも併用するハイブリッド形式で実施された。
2 会議の概要
- (1)UNEA5.2は、UNEA5.1から引き続き「持続可能な開発目標の達成に向けた自然環境のための行動強化」をテーマとし、海洋/プラスチック汚染、自然に基づく解決策と生物多様性、化学物質と鉱物、グリーン・リカバリーと循環経済、及び組織と運営事項の分野における計14本の決議(英語)
のほか、閣僚宣言(英語)(PDF)
が採択された。
- (2)これらの決定事項の調整のために、2月21日から25日までオープンエンド常駐代表委員会(OECPR)が開催され、協議が行われた。
3 評価
- (1)今次総会では、海洋環境等におけるプラスチック汚染対策に関する法的拘束力のある国際文書の策定に向けた政府間交渉委員会(INC)の設立が決定された。大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを始めとする国際的なイニシアティブや、同ビジョン実現のためのマリーン・イニシアティブに代表される途上国支援を積極的に取り組んできた我が国は、プラスチックの主要消費国・排出国を含む多数の国が交渉に参加することが重要との考えに基づいてINC設立のための決議案を提出し、採択に向けた議論に大きく貢献した。今後、2022年後半に第1回政府間交渉委員会会合が開催予定であり、2024年末までの交渉完了を目標として交渉が行われる。
- (2)また、正田環境省地球環境審議官がプレナリー会合においてスピーチ(英語)(PDF)
を行い、我が国として海洋プラスチック汚染対策に取り組む決意を述べたほか、ポスト2020生物多様性枠組みの採択の重要性に触れつつ、その実現のための重要な要素として、2030年までに世界の陸域・海域の少なくとも30%を保全・保護することを目指す目標である「30by30」の実現や自然に基づく解決策(Nature based Solutions)について説明しました。