G7/G8

令和3年6月13日
G7首脳との集合写真撮影 G7首脳との集合写真撮影
(写真提供:内閣広報室)
新型コロナウイルス禍からのより良い回復をテーマとしたセッションに出席する菅総理大臣 新型コロナウイルス禍からの
より良い回復をテーマとしたセッション
(写真提供:内閣広報室)
国際保健をテーマとしたセッションに出席する菅総理大臣 国際保健をテーマとしたセッション
(写真提供:内閣広報室)

 6月11日から13日にかけて英国・コーンウォールにて開催されたG7コーンウォール・サミットに菅総理が出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 議題・日程

(1)出席者

                             
  菅総理
  バイデン大統領
  マクロン大統領
  メルケル首相
  ジョンソン首相(議長)
  ドラギ首相
  トルドー首相
  EU ミシェル欧州理事会議長及びフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長

(2)日程及び参加者

6月11日(金曜日)

  • 「新型コロナからのより良い回復」
  • 参加者:G7首脳
    プレゼンター:サンズ・ジェンダー平等アドバイザリー評議会議長及びムクウェゲ医師

6月12日(土曜日)

  • 「より強靱な回復」
  • 参加者:G7首脳
    プレゼンター:セドウィル「経済の強靱性に関するG7パネル」議長

  • 「外交政策」
  • 参加者:G7首脳

  • 「保健」
  • 参加者:G7及び招待国(豪、韓、南アは対面、印はオンライン参加)+5国際機関(国連は対面、世銀、IMF、WHO、WTOはオンライン参加)
    プレゼンター:ヴァランス英首席科学顧問及びゲイツ・ビル&メリンダ・ゲイツ共同議長

6月13日(日曜日)

  • 「開かれた社会」
  • 参加者:G7及び招待国(豪、韓、南アは対面、印はオンライン参加)+国連事務総長

  • 「気候変動・自然」
  • 参加者:G7及び招待国(豪、韓、南アは対面、印はオンライン参加)+4国際機関(国連事務総長、IMF、世銀、OECDはオンライン参加)
    プレゼンター:アッテンボロー卿

2 成果文書

 本年のG7サミットの機会に作成された文書は以下のとおり。

(1) G7首脳コミュニケ(原文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く骨子(PDF)別ウィンドウで開く)(サマリー(PDF)別ウィンドウで開くを含む)

(2) 附属文書

 ア カービスベイ保健宣言(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く
 イ  G7 2030年自然協約(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く
 ウ  研究協約(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く
 (以上は、全てG7による文書。)

(3) その他の文書

 ア 開かれた社会声明(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く)(G7及び招待国で作成)
 イ 「COP26への道」(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く)(英が議長国として発出)
 ウ 経済の強靭性に関するG7パネル「主要政策提言(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く)」及び
  「コーンウォール・コンセンサス(英文(PDF)別ウィンドウで開く和訳(PDF)別ウィンドウで開く)」(「経済の強靭性に関するG7パネル」が作成)

3 G7サミット概要

(1) 総論

 今回のサミットは、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大以後、初めて対面で開催されたG7サミットであり、G7として協力して新型コロナに打ち勝ち、より良い回復を成し遂げ、国際協調と多国間主義に基づき、民主的で開かれた経済と社会を推進することで一致しました。
 議長のジョンソン英国首相が掲げた「より良い回復」という全体テーマの下、G7首脳間で率直な議論が行われたほか、現下の新型コロナ対応を含む国際保健、気候・自然、開かれた社会に関する議論については、アウトリーチ国や国際機関からの参加も得て、議論が行われました。
 三日間の議論の総括として、G7首脳コミュニケ及び3つの附属文書及びその他の文書が発出されました。
 菅総理は、一部のセッションでリード・スピーカーを務めるなど、特に新型コロナ対策・国際保健、世界経済・自由貿易、気候変動、地域情勢といった重要課題について、積極的にG7の議論に貢献し、首脳間の率直な議論をリードしました。

(2) 各論

ア 「新型コロナからのより良い回復」

 本セッションでは、「より良い回復」を達成する上で不可欠な要素である、経済回復、ジェンダー平等について議論が行われました。

(ア)経済回復
 菅総理からは、「グリーン」と「デジタル」が「より良い回復」を実現する上での鍵であり、昨年秋の総理就任以来、大胆な改革を推進してきたことを述べました。
 また、世界が新型コロナからの「より良い回復」を成し遂げるためには、WTO改革を進め、多角的貿易体制を推進していくことが重要であることを強調した上で、産業補助金を始めとする市場歪曲的な措置、デジタル保護主義、重要技術の窃取といった、経済面での諸課題は、G7の価値観とは相容れず、重要なサプライチェーンの脆弱性は問題であるとして、G7が協調する形で、戦略的に取り組むことの必要性を強調しました。
 その結果、G7として経済の強靱性向上に向け、重要鉱物や半導体のような重要なサプライチェーンに係るリスクへの対処の必要性等で一致しました。

(イ)東京オリンピック・パラリンピック競技大会
 菅総理はまた、来月に迫った東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた決意を述べ、G7としてその開催を支持することで一致しました。菅総理は、 G7各国の首脳に対し、安全・安心な東京大会の開催に向けて、万全な感染対策を講じ、準備を進め、世界のトップ選手が、最高の競技を繰り広げることを期待し、各国に強力な選手団を派遣してほしいと呼びかけました。

(ウ)ジェンダー平等
 ジェンダー平等についても、議長国英国が中心的テーマに据えるトピックであり、活発な議論が行われ、「教育のためのグローバル・パートナーシップ」にG7で27.5億ドルの支援を行うことを発表しました。

イ 「より強靭な回復」

 本セッションでは、より強靱な回復に向けた方策をめぐって議論が行われました。各国から様々な角度からの問題提起がなされ、活発な意見交換が行われました。議論の中で、日本を含む複数の国から中国に関する発言があり、G7として、世界経済の公正性や透明性を損なう非市場主義政策及び慣行への共同のアプローチについて協議を継続すること、中国に対して、特に新疆ウイグル自治区や香港について、人権や基本的自由を尊重するよう呼びかけていくこと、気候変動、生物多様性等の国際課題において協力していくことを確認しました。また、東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き深刻に懸念し、現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みに強く反対すること、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促すことで一致しました。
 菅総理からは、東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試み、香港情勢や新疆ウイグル自治区における人権状況について深刻な懸念を表明し、自由で公正な経済システムを損なう慣行について提起しました。その上で、これらについて、G7が強いメッセージを出すことが必要である旨述べました。さらに菅総理は、地政学的課題については、今後もG7が連携して対応する必要性を強調しました。

ウ 「外交政策」

 本セッションでは、国際社会が直面する外交政策上の課題について議論が行われました。

(ア) インド太平洋
 菅総理から、インド太平洋について、日米のみならず、他のG7各国も具体的な行動を通じて地域への関与を強化していることを心から歓迎する旨述べ、G7として、包摂的で、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を維持することの重要性を改めて表明することで一致しました。また、菅総理から、地域において自由で開かれた国際秩序を確立する上で、ASEANと連携していくことが極めて重要であり、G7各国がASEANの中心性・一体性や、「インド太平洋に関するASEANアウトルック」を支持し、同「アウトルック」に沿って具体的な協力を進めていくべきである旨述べました。

(イ) ミャンマー
 G7として、ミャンマーにおけるクーデター及び治安部隊による暴力を最も強い言葉で非難し、拘束された人々の即時解放を求めること、ASEANの中心的役割を想起しつつ、「5つのコンセンサス」を歓迎し、迅速な履行を求めることで一致しました。 菅総理から、日本としても、独自のチャネルで国軍への働きかけを継続し、ASEANの取組への建設的な関与を含め、前向きな対応を求めていく旨述べました。

(ウ) 北朝鮮
 G7として、朝鮮半島の完全な非核化並びに全ての関連する国連安全保障理事会決議に従った北朝鮮の違法な大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画の検証可能かつ不可逆的な放棄を求めることで一致しました。また、G7として、全ての国に対し、全ての関連する国連安保理決議及びこれらの決議に関連する制裁の完全な履行を求めることで一致しました。
 拉致問題については、菅総理から、政権の最重要課題であるとして、G7の全面的な理解と協力を要請し、G7各国から支持を得るとともに、首脳コミュニケにも、G7として北朝鮮に対し拉致問題を即時に解決することを改めて求める旨記載されました。

エ 「保健」

 本セッションで、菅総理は、リード・スピーカーの一人として冒頭に発言し、議論を主導しました。国際保健については、G7として、2022年にパンデミックを終結させるために、世界中の人口の少なくとも60%がワクチンを接種する必要があることを認識し、G7として人命を救う活動を強化する方向性で一致しました。また、G7として、ACTアクセラレータへの支持を再確認し、我が国が共催し菅総理が共同議長を務めた「COVAXワクチン・サミット」の成功裏の開催が歓迎されたほか、G7として少なくとも8億7千万回分のワクチンを来年にかけて現物供与することや、資金及び現物供与を通じて10億回分に相当する支援を行うことにコミットしました。
 菅総理からは、「COVAXワクチン・サミット」において、我が国による8億ドルの追加プレッジを含めた計10億ドルの拠出を表明し、COVAX が「18億回、途上国の人口30%分」のワクチンを供給するために必要とされる83億ドルの資金目標を大きく上回る資金を確保できたこと、また、台湾に対しワクチン供与を行ったことや、環境が整えば、しかるべき時期に、我が国で製造するワクチンを3000万回分を目途として、COVAXなどを通じ、各国・地域に対して供給を行っていく考えを紹介しました。また、我が国としては、総額約31億ドルの新型コロナ感染症対策に関する途上国支援を実施しており、先日のプレッジとあわせ約39億ドルの支援を行っていく予定である旨述べました。
 さらに、菅総理は、新型コロナが引き起こした栄養不良も大きな課題であることを指摘し、日本は、この問題に対処するため本年12月に東京栄養サミットを主催するなど、人間の安全保障の考え方に立って、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて貢献し、世界の保健システムを強化していくことを述べ、発言を締めくくりました。

オ 「開かれた社会」

 本セッションでは、「開かれた社会」として、G7の基本的価値を世界に広げていくことの重要性が確認され、国際社会が抱える課題への取組について議論が行われました。
 菅総理は、インターネットの遮断、ランサムウェア、偽情報の拡散など、民主主義の根本を脅かす問題により基本的価値が挑戦を受けていることについて問題提起し、これに対処するためには各国の連携が重要であると述べました。
 また、菅総理は、データ保護の課題に対処しながら価値あるデータ主導型技術の潜在力を活用するため、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を推進する重要性を指摘するとともに、基本的価値を共有する国々が、インド太平洋地域へのコミットメントを明確にすることが重要であり、特にASEANと連携しつつ、具体的協力を推進すべきと述べました。

カ 「気候変動・自然」

 セッションの冒頭、デビッド・アッテンボロー卿からプレゼンテーションがあり、これを受けて各首脳が、気候変動や生物多様性等のテーマについて、議論を行いました。その結果、遅くとも2050年までにネット・ゼロ目標を達成するための努力にコミットし、各国がその目標に沿って引き上げた2030年目標にコミットすることを確認しました。
 また、国内電力システムを2030年代に最大限脱炭素化すること、国際的な炭素密度の高い化石燃料エネルギーに対する政府による新規の直接支援を、限られた例外を除き、可能な限り早期にフェーズアウトすること、国内的に、NDC及びネット・ゼロのコミットメントと整合的な形で、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電からの移行を更に加速させる技術や政策を急速に拡大すること、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援の年内の終了にコミットすることについて、一致しました。
 菅総理からは、総理就任以来、気候変動対策を最優先事項に掲げてきたことを強調し、2050年にカーボンニュートラルを目指す決意や日本の技術力を生かしたイノベーションと地域での取組を推進していくことを表明しました。また、先進国が高い目標を掲げるだけでなく、他の国、特に大きな排出国に更なる取組を求めていく重要性を指摘した上で、途上国に対しては、その固有の事情を踏まえ、多様なエネルギー源・技術を活用しつつ、脱炭素社会に向けた現実的な移行を包括的に支援していくことを述べました。さらに、菅総理は、真に支援を必要とする途上国に対しては支援を惜しむべきではないとして、日本は2021年から2025年までの5年間において、6.5兆円相当の支援を実施することと、適応分野の支援を強化していく考えを表明し、G7としても、2025年までの国際的な公的気候資金全体の増加及び改善にコミットしました。
 また、生物多様性に関する議論の結果、2030年までに生物多様性の損失を止めて反転させるという世界的な任務を支える「G7 2030年自然協約」をG7として採択しました。この自然協約においてG7各国は、上記の目的のための行動として、国内の状況に応じて2030年までにG7各国の陸地及び海洋の少なくとも30%を保全又は保護すること、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を基礎として、プラスチックによる海洋汚染の深刻化に対処するための行動の加速化等にコミットしています。

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