ODA(政府開発援助)

質の高いインフラ

分野をめぐる国際潮流

平成30年9月5日

  • (写真1)写真提供:JICA/佐藤 浩治
    写真提供:JICA/佐藤 浩治
  • (写真2)写真提供:JICA/久野 真一
    写真提供:JICA/久野 真一

概況

 貧困をはじめとする開発課題を解決するために必要なものの一つに,水道,道路,発電所といったインフラがあります。インフラの建設には多額の費用がかかりますが,中長期的には経済発展の基盤となり,貧困の解消につながるだけでなく,現代においては世界経済全体の成長にもよい影響をもたらします。
 しかし,インフラは単に建設すればよいわけではありません。例えば,長持ちしないインフラや,環境や社会に悪影響を与えるインフラは,開発に資するとはいえません。成長のためには,インフラの量だけでなく質も追求しなければならないのです。
 近年,開発途上国のインフラ需要は供給を大きく上回っています。この状況を受けて日本は,技術力を生かして途上国の開発に資するインフラを供給するとともに,より多くの人々が良質なインフラを利用できるよう,「質の高いインフラ」の概念を整理し,国際スタンダードとして共有することを目指しています。

質の高いインフラとは

 「質の高いインフラ」とは,開発途上国の「質の高い成長」の土台となるインフラのことです。

  • 使いやすい
  • 長持ちし,環境への配慮や災害に対する強じん性があるため,長期的に見れば安上がり
  • 雇用の創出やスキルの付与を通して現地の人々の暮らしの改善に貢献する

 などといった特徴があります。

なぜ「質の高いインフラ」なのか?

 世界には,未だに貧困に苦しむ人々が多数存在します。世界における貧困撲滅は最も基本的な開発課題です。特に,貧困問題を持続可能な形で解決するためには開発途上国の自立的発展に向けた経済成長を実現することが不可欠です。その成長は,単なる量的な経済成長ではなく,「包摂的」,「持続可能」で,「強じん性」を兼ね備えた「質の高い成長」である必要があります。
 「質の高い成長」のためには,開発途上国の発展の基盤となるインフラ(経済社会基盤)の整備が重要となります。
 こうしたインフラを整備する際には,インフラ作り自体を目的とするのではなく,インフラの整備を通じて,社会的弱者を含めてそこに暮らす人々の生活の改善につなげるとともに,国内・域内の経済活動を刺激し,各国の「質の高い成長」を支えるものでなくてはいけません。日本は,こうした考えから「質の高いインフラ」の整備を推進し,膨大なインフラ需要に対応するべく,また,インフラの供給者が多様化している昨今の状況を踏まえて,その国際スタンダード化に取り組んでいます。

質の高いインフラの国際スタンダード化

 「質の高いインフラ投資」の基本的な要素について認識を共有する第一歩となったのが,2016年のG7伊勢志摩サミットで合意された「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」です。同原則の具体的要素の重要性はその後G20杭州サミットをはじめ,多くの国際会議で確認されています。
 さらに,日本は質の高いインフラ投資の国際スタンダード化を進めるべく,経済協力開発機構(OECD)やEU等を含む国際社会と連携して取り組んでいます。

G7伊勢志摩サミット(2016年5月)

 2016年(平成28年)に開催されたG7伊勢志摩サミットでは,参加した主要先進七か国が,「質の高いインフラ投資」の基本的要素について国際社会で認識を共有することが重要との点で一致し,「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」(英文(PDF)別ウィンドウで開く)(日本語仮訳(PDF)別ウィンドウで開く)にG7として合意しました。合意した内容を,今後各国,国際機関等に対して効果的に発信し,インフラ投資・支援の実施において,「原則」に沿った行動をとるよう促していくことを確認するとともに,日本は2016年の議長国として,質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブを発表しました。


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