G20(金融・世界経済に関する首脳会合)

G20ブエノスアイレス・サミット

平成30年12月1日

  • 首脳集合写真撮影(写真提供:内閣広報室)
  • マクリ・アルゼンチン大統領による閉会式挨拶に出席する安倍総理
    (G20 Argentina)

 2018年11月30日~12月1日、アルゼンチン・ブエノスアイレスにて開催されたG20ブエノスアイレス・サミットに安倍総理が出席したところ、概要以下のとおり。

1 総論

 今般のG20ブエノスアイレス・サミットは、「公正で持続可能な開発のためのコンセンサスの構築」という主要テーマのもと、貿易関係の緊迫化や新興国経済の脆弱性等のリスクに直面する中で、いかにG20の結束を維持し、経済成長を強化していくか等、首脳間で率直な意見交換が行われ、成果文書としてブエノスアイレス首脳宣言(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)が採択された。

 安倍総理は、「今後十年の世界における機会と課題(AI、ロボティクス等)」を扱うリトリート・セッション(G20及びスペインの首脳のみが参加)で、リードスピーカーとして首脳間の議論を牽引した。発言では、新たなテクノロジーの進歩は高齢化や環境問題等の社会問題を解決する可能性を秘めており、全ての人がAIをはじめ新しいイノベーションを使いこなすリテラシーを身につけることが必要であることを訴えた。また、データの自由な流通を確保することにより、新たな価値やイノベーションが生まれるとして、来年のG20大阪サミットに向けて議論を継続し、新時代のルール作りを主導したい旨の決意を表明した。

 また、「国際経済協調の第一のフォーラム」であるG20の最重要課題である世界経済を扱う第1セッション「人間を中心に据える」においても、リードスピーカーとして発言を行い、自由で開かれた経済は平和と繁栄の礎であり、日本は自由貿易の旗手として、ルールに基づく多角的貿易体制の強化・改善や、経済連携協定を力強く推進していること、保護主義や貿易制限的措置の応酬はどの国の利益にもならず、WTO改革の議論をG20首脳が後押しすべき旨訴えるとともに、自由で公正な経済ルールの推進のため、鉄鋼の過剰生産能力問題を含め、市場歪曲的な補助金等の支援措置の撤廃を通じて、公平な競争条件を確保すべきとして、経済成長と格差への対処を同時に達成する「成長と分配の好循環」の創出、SDGsの推進、気候変動問題への対応の重要性についても強調し、各国の支持を得るとともに、サミット全体の議論の流れを形成しつつ積極的な役割を果たした。

 セッション2の「コンセンサスの構築(国際貿易,国際金融・課税システム)」では、総理の代理として麻生副総理兼財務大臣が発言し、現下の貿易を巡る情勢の解決に向けた政治的意思を示すことはG20が果たすべき責務であることを強調し、根本原因である市場歪曲的な措置の是正の必要性を訴えたほか、WTO改革に政治的な後押しを与えるべき旨主張した。更に、グローバル金融セーフティーネットの強化や、BEPSプロジェクトをはじめ租税回避・脱税への対抗に果たしてきたG20の役割に触れつつ、これらに加え、G20が取り組むべき喫緊の課題として、過剰生産能力や過度のグローバル・インバランスへの対処、経済の電子化への課税上の対応、低所得国の債務問題に言及した。

 更に、セッション3の「様々な機会の活用」では、総理の代理として我が国のシェルパ(冨田政府代表)から発言を行い、我が国が重視する質の高いインフラ投資が持続可能な経済成長を実現し、連結性を強化するとともに、ヒト・モノの流れを活性化すること、来年のG20では、開放性、透明性、経済性、対象国の財政健全性等の要素を重視し、質の高いインフラ投資に関する国際スタンダードとしてアップグレードしたい等の発言を行った。

 また、我が国は今般のブエノスアイレス・サミット終了後から、G20議長国を務めることから、閉会セッションにおいて、安倍総理から明年6月のG20大阪サミットを見据えた、優先課題の打ち出し、次期議長国としての意気込みを発信し、各国首脳から賛同を得た。

2 サミットの主な成果

 ブエノスアイレス首脳宣言の採択にあたり、我が国は、総理からの全体会合での発言や、各国リーダーとの間の首脳会談及びこれまでの準備会合への対応を重ね、次期議長国として、議論の動向を見極めつつ、G20内の異なる立場や意見の調整に積極的に関与し、G20が首脳宣言を通じて結束した力強いメッセージを出すことに大きく貢献した。首脳宣言における主要なポイントは以下のとおり。

  • (1)「ルールに基づく国際秩序」を改善するために協働することへコミット。
  • (2)多角的貿易体制が果たしてきた貢献を認識するとともに、WTO改革を支持。
     明年のG20大阪サミットにおいて進捗をレビュー。
  • (3)鉄鋼の過剰生産能力問題に関し、グローバル・フォーラム(GFSEC)における提言及びコミットメント(市場歪曲的な支援措置の除去等)の実施を要請。
  • (4)情報の自由な流通を支持。人工知能(AI)等に関する作業を継続。
  • (5)インフラを投資対象とし、民間資金動員を促進するための「ロードマップ」に沿って、質の高いインフラに関する2019年の進捗を期待。
  • (6)低所得国の債務脆弱性に対処。債務の透明性及び持続可能性の向上に取り組む。
  • (7)労働参加率の性別による格差を2025年までに25%減少させるブリスベン・コミットメントの達成に向け、更なる取組が必要。
  • (8)薬剤耐性(AMR)対策の進展を歓迎。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に向けて、より強力な保健システムの必要性を再確認。公衆衛生危機への対応能力強化を継続。
  • (9)国有企業の腐敗防止及び清廉性確保に関する原則等を支持。

3 2019年G20大阪サミット

 閉会セッションでは、今般のサミットの議長であるマクリ大統領から議長を引き継ぎ、安倍総理から、明年6月28~29日に大阪で開催されるG20サミットに向けた意気込みを発信した。

 その中で、G20は、世界経済をリードする国として、世界的な課題について話し、解決策を見いだす責任があること、明年6月の大阪サミットでは、自由貿易の推進やイノベーションを通じ、世界経済の成長を牽引し、経済成長と格差への対処の同時達成、SDGsを中心とした開発・地球規模課題への貢献を通じ、自由で開かれた、包摂的かつ持続可能な未来社会の実現を推進したい旨を述べた。

 また、日本は、高齢化、エネルギー・環境問題など、様々な課題に直面する「課題先進国」であり、今後多くの国が共通して直面する課題を乗り越えるための取組を主導したい、加えて、AIやロボットなどの「革新的技術」を活用し、経済成長と社会的課題を同時解決する人間中心の社会、女性、若者、高齢者、障害者を含むあらゆる主体が活躍できる社会に向け、議論を推進していくと発信した。

 更に、アルゼンチンが優先課題の1つとして掲げた「開発のためのインフラ」を引き継ぎ、我が国が推進してきた質の高いインフラを通じ連結性を強化し、国際保健といった、世界経済の成長に不可欠な国際公共財の供給も推進していく、更に、エネルギー・環境分野では、環境保護と経済成長の二者択一ではなく、民間投資を積極的に呼び込み、環境と成長の好循環を作る発想が必要であり、気候変動問題や、海洋プラスチックごみ問題などの地球規模課題へのG20の貢献につき、建設的に議論したい旨を述べた。

【参考】G20ブエノスアイレス・サミット
(1)日程
 11月30日(金曜日)
  • リトリート(G20メンバー及びスペインのみ)
    【今後十年の世界における機会と課題(AI、ロボティクス等)】
  • 第1セッション(ワーキング・ランチ)
    【人間を中心に据える(世界経済、仕事の未来、女性)】
  • 第2セッション【コンセンサスの構築
    (国際貿易、国際金融・課税システム)】
 12月1日(土曜日) 
  • 第2セッション(続)【コンセンサスの構築(持続可能な開発、気候持続可能性)】
  • 第3セッション(ワーキング・ランチ)【様々な機会の活用(インフラ、エネルギー転換、食料安全保障)】
  • 閉会セッション【次期議長国としての発言】
(2)参加国・国際機関:

(ア)G20メンバー
 日本、仏、米、英、独、伊、加、EU、アルゼンチン、豪、ブラジル、中、印、インドネシア、メキシコ、韓、露、サウジアラビア、南ア、トルコ
(イ)招待国
 スペイン、星(ASEAN議長国)、ルワンダ(AU議長国)、セネガル(NEPAD議長国)、ジャマイカ(CARICOM議長国)、チリ、オランダ
(ウ)国際機関
 国際連合、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、金融安定理事会(FSB)、経済協力開発機構(OECD)、世界保健機関(WHO)、米州開発銀行(IDB)、アンデス開発公社(CAF)



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