ODAと地球規模の課題
質の高いインフラ投資の推進に関するサイドイベント
(日本・EU・国連共催)



9月19日(現地時間),ニューヨークの国連本部において,我が国の他,欧州連合(EU)及び国連と共催にて,質の高いインフラ投資の推進に関するサイドイベントが開催されました。
1 概要
(1)冒頭,共催者である河野外務大臣,ミミツァ国際協力・開発担当欧州委員,ファレモ国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)事務局長から基調講演を行いました。河野外務大臣からは,持続的な開発に資する「質の高いインフラ」投資(PDF)の重要性を指摘した上で,「質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ(PDF)
」や「自由で開かれたインド太平洋戦略」等の我が国の取組を紹介し,「質の高いインフラ」コンセプトの国際スタンダード化及び資金量拡大のために不可欠な民間資金動員のための国際ルール整備の重要性につき述べました。ミミツァ欧州委員は,持続的な成長にインフラが欠かせない,SDGsの目標9のみならずすべての目標を達成するために質の高いインフラが必要である旨述べました。ファレモ事務局長は,気候変動や自然災害の例を引きつつ,強靱なインフラの必要性を強調しました。
(2)続いて行われたパネル討論では,パネリストとして,薗浦内閣総理大臣補佐官,オレガンUNOPSインフラ・プロジェクトマネジメント・グループ長,ホット・アフリカ開発銀行副総裁,ヤオ・アジア開発銀行特別上級顧問,パナガリヤ米コロンビア大学教授(前インド行政委員会副委員長),マクアリスターWSP交通インフラ・グローバル部長が登壇し,マンセルヴィシ欧州委員会開発協力総局長がモデレーターを務めました。薗浦内閣総理大臣補佐官からは,「質の高いインフラ」整備の実例として,「ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道整備計画」等の事例を紹介し,「質の高いインフラ」を国際スタンダードとして普及させていくことの重要性を強調しました。また,パナガリヤ教授は,インド行政委員副委員長の経験に基づき,高速鉄道,デリーメトロ等日本との協力案件を含め,インドのインフラ事例を紹介しました。さらに,その他のパネリストから,ライフサイクルコストの観点,優先順位付け,人材育成等の重要性につき指摘されました。また,フロアから,ウガンダの大臣,欧州投資銀行,UNHABITAT関係者からの発言もありました。
2 評価
本イベントでは,先進国,途上国,国連機関,国際開発金融機関,民間企業を含む幅広いインフラ投資の関係者の間で,質の高いインフラ投資に関する各国の取組が共有され,「質の高いインフラ」を国際的に普及させていくことの重要性が確認されました。