ODAと地球規模の課題

平成30年9月26日
質の高いインフラの推進に関する国連総会サイドイベント(日本・EU・国連共催)
質の高いインフラの推進に関する国連総会サイドイベント(日本・EU・国連共催)
質の高いインフラの推進に関する国連総会サイドイベント(日本・EU・国連共催)
 9月26日(水曜日)午後6時30分から8時(現地時間;日本時間27日(木曜日)午前7時30分から9時)の90分間,ニューヨークの国連本部において,質の高いインフラの推進に関する国連総会サイドイベント(日本・EU・国連共催)が開催されたところ,概要以下のとおりです。

1 冒頭,共催者である河野外務大臣,ミミツァ国際協力・開発担当欧州委員,ファレモ国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)事務局長から基調講演を行いました。

    (1)河野外務大臣からは,「自由で開かれたインド太平洋戦略」を説明しつつ,米国を含むパートナーと協力し推進していることを紹介した上で,来年のG20議長国就任を見据え,「質の高いインフラ」を国際社会が共有する国際スタンダードとして確立させ,質の高いインフラを通じた連結性の強化について取り組む旨述べました。

    (2)ミミツァ欧州委員からは,質の高いインフラは技術的に適当なプロジェクトというのみならず,経済,社会,環境的に持続可能なアプローチを確保するものであるとした上で,昨年,持続可能な開発需要と官民投資家のビジネス機会の間のギャップを埋めるべく欧州対外投資計画を立ち上げた旨述べました。

    (3)ファレモ事務局長からは,ケニア,ガーナでの取組等を紹介しつつ,UNOPSはプロジェクトを融資可能なものとすることを目指しており,官民の資金を動員する上で重要な役割を果たしている旨述べました。

2 続いて行われたパネル討論では,パネリストとして,薗浦内閣総理大臣補佐官,オリーガンUNOPSインフラ部長,サディアワティ・インドネシア国家開発企画庁大臣補佐官,エディロン・フィリピン国家経済開発庁次官,リチャードソンUSAID長官補佐,シュワルツIMF財政局副局長,ペッチーニOECD開発センター所長,ルンドCSIS上席副所長が登壇し,マンセルヴィシ欧州委員会開発協力総局長がモデレーターを務めました。

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    (1)薗浦内閣総理大臣補佐官からは,日メコン連結性強化イニシアティブ,JICAによるフィリピンにおける海外投融資(PSI)等の質の高いインフラに係る具体例を紹介しつつ,「貸し手の責任」について問題提起するとともに,開放性,透明性,経済性,財政の持続可能性等の国際スタンダードに則った質の高いインフラの重要性を強調しました。

    (2)その他のパネリストから,民間資金等の動員,債務持続性に関するそれぞれの取組について紹介がありました。

    (3)モデレーターから,ア 国際スタンダードの確立のみならずこれからは実践が重要である,イ 質高インフラは途上国のみならず世界経済全体の成長のためのものである,ウ 民間資金の動員は民間セクターの問題にとどまらず,政府の政策の問題でもある,エ 日本に対しては,次期G20議長国として質の高いインフラに関する議論を主導することを期待したい,との総括がありました。

3 本イベントでは,先進国,途上国,国際機関,シンクタンクを含む幅広いインフラ投資の関係者の間で,特に効果的な資金動員や債務持続可能性に焦点を当てつつ,質の高いインフラに関する取組を共有すると共に,これらの要素を含む質の高いインフラに関する国際スタンダードの重要性を確認しました。



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