ODA(政府開発援助)

分野をめぐる国際潮流
令和2年8月11日

概況

 過去数十年で、女性を取りまく環境は大幅に改善し、世界全体で見ると教育や保健の分野でジェンダー格差は縮小しました。しかし、これらの進展には国や地域で差があり、未だ数多くの女性が社会参画の面で不利な状況に直面しています。また、政治的、経済的地位の向上といった、途上国と先進国に共有した課題も残されています。
 ミレニアム開発目標(MDGs)の目標3「ジェンダー平等の推進と女性の地位向上」の進展を見ると、1995-2015年で、世界の女性議員比率は倍増しました。ただし、総数は未だ男性議員の1/5にすぎません。
 2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、前文に「すべての人の人権を実現し、ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化を達成することを目指す」と明記され、ジェンダー平等と女性及び女児のエンパワーメント(ゴール5)が17ゴールの一つとして掲げられました。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは、開発目標を達成するために不可欠な課題かつ手段であり、今後更なる国際的取組が求められています。
(参考:国際連合「The Millennium Development Goals Report 2015(英語)(PDF)別ウィンドウで開く」、「Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development(英語)別ウィンドウで開く」)

関連国際会議等

第63回女性の地位委員会(2019年3月)

 2019年3月11日~22日の間、ニューヨークにおいて第63回国連女性の地位委員会(CSW)が開催されました。我が国からは、田中由美子(城西国際大学招聘教授)日本代表が一般討論演説(英文本文(PDF)別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く)を行い、保育・介護受け皿の拡大、性犯罪・性暴力対策の推進といった国内の取組をアピールした上で、安全で快適な公共交通機関への支援を通じて、女性と児童の教育や保健サービスへのアクセス改善及び経済活動への参加促進に貢献している国際的な支援に触れ、引き続きユニバーサル・ヘルスカバレッジの推進に務めるとともに、2019年大阪サミットにおいては、議長国として重視している教育分野においても支援を継続していく旨を述べました。また、田中代表は閣僚級ラウンドテーブルにおいて、雇用における男女の均等な機会と待遇の確保を実現することを目的とした男女雇用機会均等法等の改正や、ひとり親家庭への支援といった我が国の取組を紹介しました。

第62回女性の地位委員会(2018年3月)

 2018年3月12日~23日の間、ニューヨークにおいて第62回国連女性の地位委員会(CSW)が開催されました。我が国からは、山下内閣府政務官が開会式に出席すると共に、田中由美子(城西国際大学招聘教授)日本代表が一般討論演説(英文本文(PDF)別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く)を行い、家族の話し合いをベースに給与や休暇等を取り決める家族経営協定の推進といった国内の取組をアピールした上で、アフリカにおけるジェンダー啓発活動等の国際的な支援に触れ、農山漁村地域における女性を含む全ての女性が活躍できる社会の実現を目指して、国内外における女性のエンパワーメントを進める取組を引き続き誠実に実行していく旨を述べました。また、田中代表は閣僚級ラウンドテーブルにおいて、農村や地域の女性を含めた全ての女性に対する暴力の根絶に向けた取組の重要性を強調すると共に、女性農業者の活躍を社会に発信する事業や、女性の視点を生かした新商品開発支援を紹介しました。

第61回女性の地位委員会(2017年3月)

 2017年3月13日、滝沢外務大臣政務官は、第61回国連女性の地位委員会(CSW)に出席し、閣僚級ラウンドテーブルで議長を務めました。非正規やパートタイムの仕事に関連して、女性の経済的エンパワーメントを促進するためどのような政策が取れるかについて議論をリードし、また技術の進歩やイノベーションと女性の経済参画について、各国代表との意見交換に参加し、我が国の取組につき発信しました。15日、橋本ヒロ子(十文字学園女子大学名誉教授・十文字中・高等学校校長)日本代表は、ステートメント(英文本文(PDF)別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く)を実施しました。その中で、女性活躍推進法の施行やG7伊勢志摩サミットにおける我が国の積極的な取組をアピールした上で、経済的な女性のエンパワーメント達成に向けて、UN Womenを始めとする国際機関、市民社会との連携をよりいっそう強化し、国際社会の一員としての責任を果たしていくことを強調しました。

第59回女性の地位委員会(北京+20)(2015年3月)

 2015年3月10日、宇都外務大臣政務官は、第59回国連女性の地位委員会(CSW)に於いて、ステートメント(英文本文(PDF)別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く)を実施し、その中で、安倍総理が国連総会の一般討論及び女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW!)でのスピーチで表明したとおり、日本政府はジェンダー平等及び女性のエンパワーメントを重視し、国内外で「女性が輝く社会」づくりに取り組んでいることを紹介しました。また、3月14日から18日まで仙台で開催される第3回国連防災会議で防災における女性の参画とリーダ-シップが議論されること、前年に引き続き2015年8月28日及び29日に東京でWAW!を開催することなどをCSWの場で発表しました。その上で、日本が今後、UN Womenとの連携を更に強化し、また、武力紛争下における女性に対する暴力に対し取り組んでいくことを強調しました。

第54回国連婦人の地位委員会(北京+15)(2010年3月)

  2010年3月、ニューヨーク国連本部において第54回国連婦人の地位委員会(北京+15)が開催されました。本会議では、1995年の第4回世界女性会議での採択から15周年を迎える北京宣言及び北京行動綱領及び女性2000年会議成果文書を再確認し、2015年に迫ったミレニアム開発目標達成に向けた一層の取組を国際社会に求める合意文言が採択されました。
 日本からは、西村智奈美外務大臣政務官(当時)が出席し、男女共同参画社会の実現における国際機関やNGOを含む多様な主体の連携・協働の重要性を示した上で、第3次基本計画の策定やワークライフバランス憲章、暴力根絶に対する取組等の国内での取組や、GADイニシアティブの下ODAのすべての分野及び段階にジェンダーの視点を適切に反映することやジェンダー新機関に関する議論への貢献等の国際社会における取組を紹介しました。

第49回国連婦人の地位委員会(北京+10)(2005年3月)(概要と評価

 2005年3月、ニューヨーク国連本部において第49回国連婦人の地位委員会(通称北京+10)が開催されました。本会議は、1995年の第4回世界女性会議より10年目、国連特別総会「女性2000年会議」より5年目にあたることを記念し、「北京宣言及び行動綱領」及び「女性2000年会議成果文書」の実施状況の評価・見直しを行うとともに、更なる実施に向けた戦略や今後の課題について協議することを目的にハイレベル会合として開催され、「宣言」及び10本の決議が採択されました。
 日本が主催したサイドイベントにおいて、開発途上国におけるジェンダー平等と女性の地位向上を目的とした「GADイニシアティブ」を発表しました。

国連特別総会「女性2000年会議」(2000年6月)(概要と評価

 2000年6月、ニューヨーク国連本部において国連特別総会「女性2000年会議」が開催されました。本会議は、1995年の第4回世界女性会議において採択された「北京行動綱領」採択5年後の実施状況を検討・評価すると共に、同行動綱領の完全実施に向けた戦略について協議する目的で開催され、北京行動綱領の実施促進のため「更なる行動とイニシアティブに関する文書」が採択されました。

第4回世界女性会議(1995年9月)

 1995年9月、中国の北京において第4回世界女性会議が開催されました。本会では、実質的な男女平等の推進とあらゆる分野への女性の全面的参加など38項目から成る「北京宣言」と、貧困、教育、健康、女性に対する暴力、経済、人権などの分野における戦略目標及び行動を提示した「行動綱領」が採択されました。
 日本が主催したサイドイベントにおいて、女性の教育、保健、経済・社会活動への参加の3分野を重点的に支援する「WIDイニシアティブ」を発表しました。

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