外交青書・白書
第3章 国際社会で存在感を高める日本

4 軍縮・不拡散・原子力の平和的利用

(1)核軍縮

日本は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け国際社会の取組をリードしていく責務がある。

近年の国際的な安全保障環境は厳しく、1月に発効した核兵器禁止条約を取り巻く状況に見られるように、核軍縮の進め方をめぐっては、核兵器国と非核兵器国との間のみならず、核兵器の脅威にさらされている非核兵器国とそうでない非核兵器国との間においても立場の違いが見られる。このような状況の下、核軍縮を進めていくためには、様々な立場の国々の間を橋渡ししながら、現実的な取組を粘り強く進めていく必要がある。

日本は、核兵器のない世界の実現のため、後述する「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」及びそのフォローアップの取組としての「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」、核兵器廃絶決議の国連総会への提出、軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)などの同志国・有志国との協力・連携の取組や個別の協議などを通じ、立場の異なる国々の橋渡しに努めてきている。また、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進や核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始に向けた働きかけ、効果的な核軍縮検証の実現に向けた議論・演習といった核兵器国も参加する現実的な取組なども積み重ねることを通じ、核兵器不拡散条約体制(NPT)の維持・強化を進めていく考えである。

なお、核兵器禁止条約は、「核兵器のない世界」への出口とも言える重要な条約である。しかし、現実を変えるためには、核兵器国の協力が必要だが、同条約には核兵器国は1か国も参加していない。そのため、同条約の署名・批准といった対応よりも、日本は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかなければならず、そのためにも、まずは、「核兵器のない世界」の実現に向けて、唯一の同盟国である米国との信頼関係を基礎としつつ、現実的な取組を進めていく考えである。

ア 核兵器不拡散条約(NPT)14

日本は、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であるNPT体制の維持・強化を重視している。NPTの目的の実現及び規定の遵守を確保するために5年に一度開催される運用検討会議では、1970年のNPT発効以来、その時々の国際情勢を反映した議論が行われてきた。しかし、2015年に開催された第9回運用検討会議は、中東非大量破壊兵器地帯創設などの問題をめぐり議論が収れんせず、合意文書を採択することなく終了した。

2020年は、NPTの発効から50年、広島と長崎に原爆が投下されてから75年の節目の年であり、NPTが発効した3月5日に合わせ、NPTがこれまで国際的な核軍縮・不拡散体制を支え、国際社会の平和及び安全の確立と維持に貢献してきたことを評価しつつ、NPT体制の維持・強化の必要性について言及する外務大臣談話を発出した。同年4月には第10回運用検討会議の開催が予定されていたが、新型コロナの感染拡大のために4度にわたり延期されている。

イ 核軍縮の実質的な進展のための賢人会議及び核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合

核軍縮の進め方をめぐり様々なアプローチを有する国々の間の信頼関係を再構築し、核軍縮の実質的な進展に資する提言を得ることを目的に、日本は2017年「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」を立ち上げた(日本も含め、立場の異なる国々の有識者17名で構成)。同会議は、2019年7月までに計5回の会合を行い、具体的な成果物をNPT運用検討会議第2回準備委員会及び第3回準備委員会に提出し、2019年10月にはこれまでの5回にわたる賢人会議の議論を総括する「議長レポート」を発出した。

その後、「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」における議論の成果をフォローアップし更に発展させる目的で、核兵器国と非核兵器国の双方を含む各国の政府関係者及び民間有識者の参加を得て、「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」を立ち上げた。2021年12月にオンライン形式で開催された第3回会合においては、岸田総理大臣が総理大臣としては初めて同会合に参加し、冒頭挨拶を行った。同会合において、第10回NPT運用検討会議のあり得べき成果、特に、NPTの3本柱(軍縮・不拡散・平和的利用)のバランスの取れた成果の在り方、及び、NPT第6条に基づく核軍縮分野における前進の在り方などについて議論が行われた。

第3回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」で冒頭挨拶を行う岸田総理大臣(12月、東京 写真提供:内閣広報室)
第3回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」で冒頭挨拶を行う岸田総理大臣(12月、東京 写真提供:内閣広報室)
ウ 軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)15

2010年に日本とオーストラリアが主導して立ち上げた地域横断的な非核兵器国のグループであるNPDI(12か国で構成)は、メンバー国の外相自身による関与の下、現実的かつ実践的な提案を通じ、核兵器国と非核兵器国の橋渡しの役割を果たし、核軍縮・不拡散分野での国際社会の取組を主導している。2019年11月には、G20愛知・名古屋外務大臣会合の際、第10回NPDI外相会合を日・オーストラリア共同で開催し、NPT体制の維持・強化の重要性に関する外相共同声明を発出した。

また、NPDIとして、第9回NPT運用検討会議に計19本、第10回NPT運用検討会議プロセスに計16本の作業文書を提出するなど、現実的・実践的な提案を通じてNPT運用検討プロセスに積極的に貢献してきている。例えば、第10回NPT運用検討会議に向けて、NPTの3本柱である核軍縮、核不拡散及び原子力の平和的利用について、最終合意文書に盛り込むべき要素を提案する作業文書(「ランディングゾーン・ペーパー」)を提出した。

エ 国連を通じた取組(核兵器廃絶決議)

日本は、1994年以降、その時々の核軍縮に関する課題を織り込みながら、日本が掲げる現実的かつ具体的な核軍縮のアプローチを国際社会に提示すべく核兵器廃絶に向けた決議案を国連総会に提出してきている。2021年の決議案においては、核兵器国と非核兵器国の共通基盤の構築に資するものとして、核軍縮について国際社会として直ちに取り組むべき共同行動の指針と未来志向の対話の重要性に焦点を当てた。同決議案は、10月の国連総会第一委員会で152か国、12月の国連総会本会議では158か国の幅広い支持を得て採択された。賛成国には、核兵器国である米国、英国及びフランス並びに多くの非核兵器国を含む様々な立場の国々が含まれている。国連総会には、日本の核兵器廃絶決議案の他にも核軍縮を包括的に扱う決議案が提出されているが、日本の決議案はそれらの決議案と比較して最も賛成国数が多く、20年以上にわたって国際社会の立場の異なる国々から幅広く支持され続けてきている。

オ 包括的核実験禁止条約(CTBT)16

日本は、核兵器国と非核兵器国の双方が参加する現実的な核軍縮措置としてCTBTの発効促進を重視し、発効要件国を含む未署名国や未批准国に対しCTBTへの署名・批准を働きかける外交努力を継続している。2021年は、9月の国連ハイレベルウィーク期間中に、第12回CTBT発効促進会議がハイブリット形式で開催され、グテーレス国連事務総長やフロイド包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO)事務局長に加え、各国政府代表によるビデオメッセージが放映された。茂木外務大臣は、同会議に向けて発出したビデオステートメントにおいて、署名開放から25周年を経て、CTBTの普遍化が進展し、検証体制が目覚ましい発展を遂げたことを歓迎するとともに、条約の発効に向けた日本の決意を表明し、また、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を実現することが不可欠であると述べた。また、上記の核兵器廃絶決議においても、条約の発効要件国に対して署名・批准を奨励することが盛り込まれている。

カ 核兵器用核分裂性物質生産禁止条約17(FMCT:カットオフ条約)18

FMCTの構想は、核兵器用の核分裂性物質(高濃縮ウラン、プルトニウムなど)の生産そのものを禁止することにより、新たな核兵器国の出現を防ぐとともに、核兵器国による核兵器の生産を制限するものであることから、軍縮・不拡散双方の観点から大きな意義を有する。しかしながら、ジュネーブ軍縮会議(CD)では長年にわたり交渉開始の合意に至っていない。こうした状況を受け、2016年に、第71回国連総会でFMCTハイレベル専門家準備グループの設置が決定され、日本は同グループでの議論に積極的に参画している。同グループでは、第1回会合(2017年8月)及び第2回会合(2018年6月)における議論を経て、将来の条約の概要について考え得るオプションや交渉において考慮すべき事項を提示する内容を含む報告書が採択され、同報告書は2018年の第73回国連総会に提出された。また、上記の核兵器廃絶決議においても、全ての国に対しFMCTの即時交渉に向けたあらゆる努力を直ちに行うことを奨励することが盛り込まれている。日本としては、引き続きFMCTの議論に積極的に貢献していく。

キ 軍縮・不拡散教育

日本は、唯一の戦争被爆国として、軍縮・不拡散に関する教育を重視している。具体的には、被爆証言の多言語化国連軍縮フェローシップ・プログラム19を通じた各国若手外交官の広島及び長崎への招へい(2021年は新型コロナの感染拡大のためオンライン形式で被爆の実相を伝える取組を実施)、海外での原爆展の開催支援20、被爆体験証言を実施する被爆者に対する「非核特使」の名称付与などを通じ、被爆の実相を国内外に伝達すべく積極的に取り組んでいる。また、上記の核兵器廃絶決議においても、全ての国に対し核軍縮・不拡散教育に対する取組を奨励することが盛り込まれている。

また、被爆者の高齢化が進む中で、広島及び長崎の被爆の実相を世代や国境を越えて語り継いでいくことが重要となっている。こうした観点から、2013年から2021年までに国内外の400人以上の若者に「ユース非核特使」の名称を付与してきている。

ク 将来の軍備管理に向けた取組

核軍縮分野においては、これまで、NPTなどの多国間の枠組みを通じた取組に加えて、米露二国間での軍備管理条約が締結されてきた。2021年2月3日には、米露両国間で新戦略兵器削減条約(新START)が延長された。同条約は米露両国の核軍縮における重要な進展を示すものであり、日本として同条約の延長を歓迎した。また、米露間では、同条約延長後に戦略的安定性に関する対話が立ち上げられ、軍備管理を含めて対話が継続して行われている。

一方、核兵器をめぐる昨今の情勢を踏まえれば、米露を超えたより広範な国家、より広範な兵器システムを含む新たな軍備管理枠組みを構築していくことが重要である。その観点から、日本は中国とも様々なレベルでこの問題についてやり取りを行ってきている。例えば、8月に開催されたARF(ASEAN地域フォーラム)閣僚会合においては、茂木外務大臣から、中国が核兵器国として、また国際社会の重要なプレーヤーとしての責任を果たし、NPTの誠実交渉義務に基づき、米中二国間で軍備管理に関する対話を行うことを関係各国と共に後押ししたいと表明した。

また、上記の核兵器廃絶決議においても、核兵器国間の透明性のための具体的な行動の重要性を強調し、軍拡競争予防の効果的な措置に関する軍備管理対話を開始する核兵器国の特別な責任につき再確認することが盛り込まれている。

(2)不拡散及び核セキュリティ

ア 不拡散に関する日本の取組

日本は、自国の安全を確保し、かつ国際社会の平和と安全を維持するため、不拡散政策にも力を入れている。不拡散政策の目標は、日本及び国際社会にとって脅威となり得る兵器(核兵器、生物・化学兵器といった大量破壊兵器及びそれらを運ぶミサイル並びに通常兵器)やその開発に用いられる関連物資・技術の拡散を防ぐことにある。今日の国際社会においては、新興国の経済成長に伴い、それらの国における兵器やその開発に転用可能な物資などの生産・供給能力が増大するとともに、流通形態の複雑化を始めこれら物資などの調達手法が巧妙化している。また、新技術の登場を背景として、民間の技術が軍事転用される可能性が高まっており、脅威となり得る兵器やその関連物資・技術の拡散リスクが増大している。このような状況において、日本は、国際的な不拡散体制・ルールの維持・強化、国内における不拡散措置の適切な実施、各国との緊密な連携・能力構築支援を柱として不拡散政策に取り組んでいる。

拡散を防ぐための主な手段には、(1)保障措置、(2)輸出管理、(3)拡散に対する安全保障構想(PSI)21の三つがある。

保障措置とは、原子力が平和的利用から核兵器その他の核爆発装置に転用されないことを担保することを目的に、国際原子力機関(IAEA)22と国家との間で締結される保障措置協定に従って行われる検証活動である。日本はIAEAの指定理事国23としてIAEAに対する支援を始め、様々な取組を行っている。例えば、IAEAの保障措置は国際的な核不拡散体制の中核的な措置であるとの考えの下、各国の保障措置に対する理解や実施能力を高め、また、より多くの国が追加議定書(AP)24を締結するよう、各国への働きかけを進めている。日本としては、IAEA総会や理事会などにおいて、深い知見と経験を有するグロッシーIAEA事務局長を最大限支援しつつ、他の加盟国と協力してIAEAの役割強化に引き続き取り組んでいる。

輸出管理は、拡散懸念国やテロ組織など、兵器やその関連物資・技術を入手し、拡散しようとする者に対し、いわば供給サイドから規制を行う上で有益な取組である。現在、国際社会には四つの輸出管理の枠組み(国際輸出管理レジーム)があり、日本は、全てのレジームに発足当時から参加し、国際的な連携を図りつつ、厳格な輸出管理を実施している。具体的には、核兵器に関して原子力供給国グループ(NSG)、生物・化学兵器に関してオーストラリア・グループ(AG)、ミサイル25に関してミサイル技術管理レジーム(MTCR)、通常兵器に関してワッセナー・アレンジメント(WA)があり、各レジームにおいて、兵器の開発に資する汎用品・技術をそれぞれリスト化している。参加国は、それらリストの掲載品目・技術について国内法に基づき輸出管理を行うことで、大量破壊兵器などの不拡散を担保している。国際輸出管理レジームではこのほか、拡散懸念国などの動向に関する情報交換や非参加国に対する輸出管理強化の働きかけなども行われている。日本はこのような国際的なルール作り、ルールの運用に積極的に関与しているほか、核不拡散分野における国際貢献の観点から、NSGの事務局の役割を在ウィーン国際機関日本政府代表部が担っている。

また、日本は、こうした国際輸出管理レジームを補完するものとして、拡散に対する安全保障構想(PSI)26の活動にも積極的に参加しており、2018年7月には、海上阻止訓練「Pacific Shield 18」27を主催するなど、各国及び関係機関の間の連携強化などに努めている。2021年10月にはシンガポール主催訓練(ハイブリッド形式)に参加した。

さらに、日本は、アジア諸国を中心に不拡散体制への理解促進と地域的取組の強化を図るため、毎年、アジア不拡散協議(ASTOP)28アジア輸出管理セミナー29を開催している。

そのほかにも、非国家主体への大量破壊兵器及びその運搬手段(ミサイル)の拡散防止を目的として2004年に採択された国連安保理決議第1540号30に関し、アジア諸国による同決議の履行支援のため日本の拠出金が活用されるなど、国際的な不拡散体制の維持・強化に貢献している。

イ 地域の不拡散問題

北朝鮮は、累次の国連安保理決議に従った、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を依然として行っていない。

北朝鮮は、2021年3月に弾道ミサイル2発を発射したのに続いて、9月から10月にかけて、弾道ミサイルの発射を含め、北朝鮮のミサイル技術が着実に向上していることを窺(うかが)わせるミサイルの発射を繰り返した。8月のIAEAの事務局長報告は、北朝鮮の核活動は引き続き深刻な懸念を生じさせるものであり、特に、寧辺(ヨンビョン)における5MW(メガワット)原子炉及び放射化学研究所(再処理施設)の稼働の新たな兆候は深刻な問題であると指摘し、また、北朝鮮の核計画の継続は国連安保理決議の明確な違反であり非常に遺憾であると指摘した。さらに、9月のIAEA総会では、同報告に基づいた決議をコンセンサスで採択し、北朝鮮の非核化に向けたIAEA加盟国の結束した立場を示した。こうした国際社会の取組にもかかわらず、2022年に入ってからも北朝鮮は極めて高い頻度で、また、新たな態様での発射を繰り返している。

北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄に向け、国際社会が一致結束して、国連安保理決議を完全に履行することが重要である。日本としては、引き続き、米国、韓国を始めとする関係諸国やIAEAなどの国際機関と緊密に連携していくとともに、国連安保理決議の完全な履行の観点から、アジア地域を中心とした輸出管理能力の構築も進めていく。NSGやMTCRなどの国際輸出管理レジームにおいても、北朝鮮の核・ミサイルに関する議論に日本として積極的に貢献していく。

イランは2018年にトランプ前米政権が包括的共同作業計画(JCPOA)31から離脱して以降、JCPOA上のコミットメントを低減する措置を継続しており、2020年1月、JCPOA上のウラン濃縮活動におけるいかなる制約も取り払うことを発表した。2021年に入ってからは1月に20%の濃縮ウランの製造、2月に追加議定書(AP)を含むJCPOA上の透明性措置の履行停止、4月には60%の濃縮ウランの製造を実施した。また、8月には20%までの濃縮金属ウランの製造が確認された。

日本としては、国際的な不拡散体制の強化に資するJCPOAを一貫して支持してきており、米国及びイラン双方によるJCPOAの復帰に向けた関係国の取組を注視している。また、イランがJCPOA上のコミットメントを継続的に低減させていることを強く懸念し、イランに対し、累次にわたり、JCPOAを損なう措置を控え、JCPOA上のコミットメントに完全に戻るよう求めている。

こうしたJCPOAの履行や一連の保障措置問題(イラン国内でIAEAに未申告の核物質が検出された問題)を協議するため、グロッシーIAEA事務局長は、2月、9月及び11月にイランを訪問した。2月と9月の訪問時にはイランとIAEAとの間で共同声明が発出され、協力の精神が両者の間で確認されたものの、11月の訪問では両者の間で最終的な合意がまとまらず、共同声明は発出されなかった。これに対し、欧米諸国からは懸念が示された。その後、12月にイランとIAEAの間で一定の協力が確認された。

2022年3月には、グロッシー事務局長はイランを再訪し、イランとの間で共同声明を発出し、同年6月のIAEA理事会までに保障措置問題に関する結論を報告することを目標とすることで合意した。日本としては、これまでもイランに対するIAEAの取組を支持してきており、引き続きイランに対して、IAEAと完全に協力するよう強く求めていく。日本は、NSGやMTCRなどの国際輸出管理レジームにおけるイランの核・ミサイルに関する議論にも貢献している。

シリアは、2011年のIAEA理事会で未申告の原子炉建設などがIAEA保障措置協定下の違反を構成すると認定されており、日本としてはこの未解決の問題を解決するために、シリアがIAEAに対して完全に協力することを求めている。同国が追加議定書を署名・批准し、実施することが重要である。

ウ 核セキュリティ

核物質やその他の放射性物質を使用したテロ活動を防止するための「核セキュリティ」については、国際的な協力が進展している。2007年に核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約、2015年に核物質の防護に関する条約の改正がそれぞれ発効し、また、2010年から2016年の間に核セキュリティ・サミットが4回開催された。2020年にIAEAが開催した「核セキュリティに関する国際会議」では、日本から政府代表として、若宮健嗣外務副大臣が閣僚会合に出席し演説を行うなど日本も取組に積極的に参加し、貢献してきている。

2019年10月には、IAEA及び米国の専門家の参加を得て、国内関係機関による大規模公共行事における核セキュリティ対策に関する机上訓練が実施された。

2022年3月2日及び3日、ウィーンにおいて、ロシアによるウクライナ侵略を受けた原子力安全、核セキュリティ及び保障措置上の影響に関するIAEA特別理事会が開催された。同理事会においては、各国から、チョルノービリ原子力発電所を始めとするウクライナ内の原子力関連施設におけるロシアの攻撃などの行為について、原子力安全、核セキュリティ及び保障措置の観点から非難や懸念などが表明された。同理事会で賛成多数で採択された決議は、ウクライナにおけるロシアの行為が原子力施設及び民間人の安全に対して深刻で直接的な脅威をもたらしていることに遺憾の意を表明し、ウクライナが原子力施設の安全な操業を確保できるようロシアに対してこのような全ての行為を即座に停止するよう求めている。日本としても、今回の原子力関連施設に対する支配を含むロシアによる侵略を強く非難しており、引き続きIAEAなどとも連携しながら関連状況を注視しつつ、適切に対応していく。

(3)原子力の平和的利用

ア 多国間での取組

原子力の平和的利用は、核軍縮・不拡散と並んでNPTの3本柱の一つであり、同条約にて、不拡散を進める締約国が平和的目的のために原子力の研究、生産及び利用を発展させることは「奪い得ない権利」とされている。国際的なエネルギー需要の拡大などを背景に、原子力発電32を活用する又は活用を計画する国は多い。

一方、これら原子力発電に利用される核物質、機材及び技術が軍事転用される可能性もあり、また一国の事故が周辺諸国にも影響を与え得る。したがって、原子力の平和的利用に当たっては、(1)保障措置、(2)原子力安全(原子力事故の防止に向けた安全性の確保など)及び(3)核セキュリティの「3S」33の確保が重要である。また、東京電力福島第一原発事故の当事国として、事故の経験と教訓を世界と共有し、国際的な原子力安全の向上に貢献していくことは、日本の責務である。この観点から、2013年、IAEAは日本と協力し、福島県に「IAEA緊急時対応能力研修センター(IAEA・RANET・CBC)」を指定しており、12月までに26回、国内外の関係者を対象として、緊急事態の準備及び対応の分野での能力強化のための研修を実施した。2021年11月には、IAEAが東京電力福島第一原発事故10周年に当たって原子力安全専門家会議を開催し、各国、国際機関がとった行動の教訓・経験を振り返り、今後の原子力安全の更なる強化に向けた道筋を確認した。

東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策、除染・環境回復は、困難な作業の中に、世界の技術や英知を結集し、原子力分野の専門機関であるIAEAとの協力も得ながら、着実に進展している。4月、日本政府はALPS処理水34の処分に関する基本方針を公表し、7月には、日本政府とIAEAとの間で、ALPS処理水の取扱いに係るIAEAとの協力の枠組みに関する付託事項(TOR)が署名された。このTORの下、IAEAがALPS処理水の安全性や規制面についてのレビューを行う事業の実施に向け、協力が進められている。このIAEAによる協力は、IAEA内に設置され、IAEAが加盟国から選定した専門家も参加するタスクフォースを通じて実施される。11月には、IAEA、韓国、ドイツ及びフランスの分析機関の専門家が来日し、海洋モニタリングを実施した。

原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、3月、最新の情報に基づき、東京電力福島第一原発事故による放射線のレベル及び影響に関する報告書の改訂版を公表した。

国際社会の正しい理解と支援を得ながら事故対応と復興を進める観点から、日本政府は、東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策の進捗、空間線量や海洋中の放射能濃度のモニタリング結果、食品の安全といった事項について、IAEAを通じて包括的な報告を定期的に公表しているほか、原則毎月1回の在京外交団等及びIAEA向けの現状の通報や、原発事故以来100回以上に上る在京外交団などに対する説明会の開催(2021年は4月、8月、9月、11月、12月に実施)、在外公館を通じた情報提供などを行っている。

日本政府は、今後も国際社会に対し、科学的根拠に基づいた、透明性のある説明を丁寧に行っていく方針であり、風評被害を助長しかねない主張に対しては、引き続きしっかりと説明を行っていく。

原子力は、発電のみならず、保健・医療、食糧・農業、環境、産業応用などの分野でも活用されている。これら非発電分野での原子力の平和的利用の促進と開発課題への貢献は、開発途上国がNPT締約国の大半を占める中で重要性が増してきている。IAEAも、開発途上国への技術協力や持続可能な開発目標(SDGs)の達成への貢献に取り組んでいる。

そのような中、日本は、原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)に基づく協力を始めとする技術協力活動や平和的利用イニシアティブ(PUI)などを通じてIAEAの活動を積極的に支援している。2020年度には、新型コロナなどの感染症対策に1,100万ユーロ、2021年度には海洋プラスチックごみ問題に対処する事業などへ拠出した。

イ 二国間原子力協定

二国間原子力協定は、相手国との間で原子力の平和的利用分野における協力を実現するため、相手国との間で移転される原子力関連資機材などの平和的利用及び核不拡散の法的な確保に必要となる法的枠組みを定めるために締結するものである。また、二国間協定の下で、原子力安全の強化などに関する協力を促進することも可能である。原子力協定の枠組みを設けるかどうかは、核不拡散の観点、相手国の原子力政策、相手国の日本への信頼と期待、二国間関係などを総合的に勘案し、個別具体的に検討してきている。2021年末現在、日本は、発効順で、カナダ、オーストラリア、中国、米国、フランス、英国、欧州原子力共同体(EURATOM)、カザフスタン、韓国、ベトナム、ヨルダン、ロシア、トルコ、アラブ首長国連邦及びインドとの間で二国間原子力協定を締結している。また、日本は、英国のEURATOMからの脱退に伴い同国において適用される保障措置が変更されることなどを踏まえ、2019年6月以来、英国政府との間で日英原子力協定改正議定書の交渉を実施した。同議定書は、2020年12月に署名され、2021年9月に発効した。

(4)生物兵器・化学兵器

ア 生物兵器

生物兵器禁止条約(BWC)35は、生物兵器の開発・生産・保有などを包括的に禁止する唯一の多国間の法的枠組みである。条約遵守の検証手段に関する規定や条約実施機関がなく、条約をいかに強化するかが課題となっている。

2006年以降、履行支援ユニット(事務局機能)の設置や、5年に一度開催される運用検討会議の間における年2回の会期間会合の開催などが決定され、BWC体制の強化に向けて取組が進んできた。

2022年に予定される第9回運用検討会議までの会期間会合では、国際協力、科学技術の進展レビュー、国内実施、防護支援及び条約の制度的強化の五つのテーマについて協議された。

イ 化学兵器

化学兵器禁止条約(CWC)36は、化学兵器の開発・生産・貯蔵・使用などを包括的に禁止し、既存の化学兵器の全廃を定めている。条約の遵守を検証制度(申告と査察)によって確保しており、大量破壊兵器の軍縮・不拡散に関する国際約束としては画期的な条約である。CWCの実施機関として、ハーグ(オランダ)に化学兵器禁止機関(OPCW)37が設置されている。OPCWは、シリアの化学兵器廃棄において、国連と共に重要な役割を果たし、2013年には、「化学兵器のない世界」を目指した広範な努力が評価されノーベル平和賞を受賞した。

化学産業が発達し、化学工場の数が多い日本は、OPCWの査察を数多く受け入れている。そのほか、加盟国を増やすための施策、条約の実効性を高めるための締約国による条約の国内実施措置の強化など、OPCWに対して具体的な協力を積極的に行っている。また、日本は、CWCに基づき、中国国内で遺棄された旧日本軍の化学兵器について、中国と協力しつつ、一日も早い廃棄の完了を目指している。

(5)通常兵器

通常兵器とは、一般に大量破壊兵器以外の武器を意味し、地雷、戦車、大砲から、けん銃などの小型武器まで多岐にわたる。実際の紛争で使用され、文民の死傷にもつながる通常兵器の問題は、安全保障に加え人道の観点からも深刻であり、グテーレス国連事務総長が2018年に発表した軍縮アジェンダにおいて、通常兵器分野の軍縮は「人命を救う軍縮」として3本柱の一つに位置付けられている。日本は、通常兵器に関する国際的な基準・規範に基づく協力・支援において、積極的な活動を行っている。

ア 小型武器

小型武器は、実際に使用され多くの人命を奪っていることから「事実上の大量破壊兵器」とも称され、入手や操作が容易であるため拡散が続き、紛争の長期化や激化、治安回復や復興開発の阻害などの一因となっている。日本は、1995年以来毎年、小型武器非合法取引決議案を他国と共同で国連総会に提出し、同決議は毎年採択されてきた。また、世界各地において武器回収、廃棄、研修などの小型武器対策事業を支援してきている。2019年には、グテーレス国連事務総長の軍縮アジェンダに基づき設立された小型武器対策メカニズムに対し、200万米ドルを拠出した。

イ 武器貿易条約(ATT)38

通常兵器の国際貿易を規制するための共通基準を確立し、不正な取引などを防止することを目的としたATTは、2014年12月に発効した。日本は、条約の検討を開始する国連総会決議の原共同提案国の1か国として、国連における議論及び交渉を主導し、条約の成立に大いに貢献した。また発効後も、締約国会議などでの議論に積極的に参加し、2018年8月、アジア大洋州から選出された初めての議長国として第4回締約国会議を東京で開催するなど、引き続き貢献している。さらに日本は、ATTの普遍化も重視しており、特にアジア諸国に対し、ATT加入に向け働きかけてきている。

ウ 特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)39

CCWは、過度に傷害を与える又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用を禁止又は制限するもので、手続事項などを定めた枠組条約及び個別の通常兵器などについて規制する五つの附属議定書から構成される。枠組条約は1983年に発効した。日本は、枠組条約及び改正議定書Ⅱを含む議定書ⅠからⅣを締結している。2017年からは、急速に進歩する科学技術の軍事利用に対する国際社会の懸念を背景として、CCWの枠組みで自律型致死兵器システム(LAWS)に関する政府専門家会合が開催されている。2019年には政府専門家会合が3月と8月に開催され、LAWSに関する指針を11項目とすることで一致した。また、同指針を含む議論を、将来の規範・運用の枠組みの明確化・検討・発展に関する勧告のための基礎として活用していくこととなった。11項目の指針は、同年11月のCCW締約国会議において、正式承認された。2021年も8月、9月及び12月の政府専門家会合、12月のCCW第6回運用検討会議において活発な議論が行われた。日本も、国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加し、議論に貢献した。

エ 対人地雷

日本は、1998年の対人地雷禁止条約(オタワ条約)40締結以来、対人地雷の実効的な禁止と被害国への地雷対策支援の強化を中心とした同条約の包括的な取組を推進してきた。アジア太平洋地域各国へのオタワ条約締結に向けた働きかけに加え、人道と開発と平和の連携の観点から、国際社会において、地雷除去や被害者支援などを通じた国際協力も着実に実施してきている。

2021年11月にジュネーブで開催されたオタワ条約第19回締約国会議において、日本は、これまでの日本の地雷対策支援の取組及び実績を紹介するとともに、対人地雷のない世界を目指し、今後とも積極的な役割を果たすとの姿勢を表明した。

オ クラスター弾41

クラスター弾がもたらす被害は、人道上の観点から国際的に深刻に受け止められている。日本は、被害者支援や不発弾処理といった対策を実施42するとともに、クラスター弾に関する条約(CCM)43の締約国を拡大する取組を継続しており、2021年に開催されたクラスター弾に関する条約第2回検討会議においても、これらの課題に関する議論に参加し、日本の積極的な取組をアピールした。

14 NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons

15 NPDI:Non-Proliferation and Disarmament Initiative

16 CTBT:Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty

17 核兵器その他の核爆発装置製造のための原料となる核分裂性物質(高濃縮ウラン及びプルトニウムなど)の生産を禁止することにより、核兵器の数量増加を止めることを目的とする条約構想

18 FMCT:Treaty Banning the Production of Fissile Material for Nuclear Weapons or other Nuclear Explosive Devices / Fissile Material Cut-off Treaty

19 1983年以来、軍縮専門家を育成するために国連が実施。同プログラムの参加者を広島・長崎に招待しており、資料館の視察や被爆者による被爆体験講話などを通じ、被爆の実相への理解促進に取り組んでいる。

20 広島市や長崎市との協力の下、ニューヨーク(米国)、ジュネーブ(スイス)及びウィーン(オーストリア)で常設原爆展が開設されている。

21 PSI:Proliferation Security Initiative

22 IAEA:International Atomic Energy Agency

23 IAEA理事会で指定される13か国。日本を含む高度な原子力技術を有する国が指定されている。

24 NPT締約国である非核兵器国は、NPT第3条1項に基づきIAEAとの間で当該国の平和的な原子力活動に係る全ての核物質を対象とした「包括的保障措置協定(CSA)」などを締結することを義務付けられているが、これに追加して、各国がIAEAとの間で締結する議定書。追加議定書(AP)の締結により、IAEAに申告すべき原子力活動情報の範囲が拡大され、未申告の原子力核物質・原子力活動がないことを確認するためのより強化された権限がIAEAに与えられる。2021年12月時点で、138か国が締結している。

25 弾道ミサイルに関しては、輸出管理体制のほかにも、その開発・配備の自制などを原則とする「弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範」(HCOC)があり、2021年12月時点で、143か国が参加している。

26 大量破壊兵器などの拡散阻止のため、各国が国際法・各国国内法の範囲内で共同して取り得る措置を実施・検討するための取組で、2003年に発足。2021年12月現在、107か国がPSIの活動に参加・協力している。2014年から、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポール及び米国の6か国が、アジア太平洋ローテーション訓練として1年毎に訓練を主催することで合意した。日本は、外務省、警察庁、財務省、海上保安庁、防衛省・自衛隊などが連携し、これまで2004年、2007年及び2018年にPSI海上阻止訓練、2012年にPSI航空阻止訓練、2010年にオペレーション専門家会合(OEG)をそれぞれ主催したほか、他国が主催する訓練及び関連会合にも積極的に参加している。

27 横須賀市、房総半島沖海空域及び伊豆半島沖空域において開催された同訓練には、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポール及び米国がアセットや人員を参加させたほか、インド太平洋諸国などから19か国がオブザーバーを派遣した。

28 日本が主催し、ASEAN10か国、中国、インド、韓国、そしてアジア地域の安全保障に共通の利益を持つ米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フランス及びEUの局長級が一堂に会し、アジアにおける不拡散体制の強化に関する諸問題について議論を行う多国間協議で、2003年に発足。直近では、2020年12月に第16回協議をオンラインで開催し、北朝鮮の核・ミサイル問題や輸出管理の強化について議論した。

29 日本が主催し、アジア諸国・地域の輸出管理当局関係者などが参加して、アジア地域における輸出管理強化に向けて意見・情報交換をするセミナー。1993年から毎年東京で開催している。

30 2004年4月採択。全ての国に対し(1)大量破壊兵器開発などを試みるテロリストなどへの支援の自制、(2)テロリストなどによる大量破壊兵器開発などを禁ずる法律の制定及び(3)大量破壊兵器拡散を防止する国内管理(防護措置、国境管理、輸出管理など)の実施を義務付けるとともに、国連安保理の下に国連安保理理事国から構成される「1540委員会」(国連安保理決議第1540号の履行状況の検討と国連安保理への報告が任務)を設置。

31 イランの原子力活動に制約をかけつつ、それが平和的であることを確保し、また、これまでに課された制裁を解除していく手順を詳細に明記したもの。
〈イラン側の主な措置〉
●濃縮ウラン活動に係る制約
 ・稼動遠心分離機を5,060機に限定
 ・ウラン濃縮の上限は3.67%、貯蔵濃縮ウランは300kgに限定など
●アラク重水炉、再処理に係る制約
 ・アラク重水炉は兵器級プルトニウムを製造しないよう再設計・改修し、使用済燃料は国外へ搬出
 ・研究目的を含め再処理は行わず、再処理施設も建設しない

32 IAEAによると、2022年1月現在、原子炉は世界中で439基が稼働中であり、50基が建設中(IAEAホームページ)

33 核不拡散の代表的な措置であるIAEAの保障措置(Safeguards)、原子力安全(Safety)及び核セキュリティ(Security)の頭文字を取って「3S」と称されている。

34 ALPS処理水とは、多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System)を含む複数の浄化設備で浄化処理をした水

35 BWC:Biological Weapons Convention 1975年3月発効。締約国数は183か国(2021年12月現在)

36 CWC:Chemical Weapons Convention 1997年4月発効。締約国数は193か国(2021年12月現在)

37 OPCW:Organization for the Prohibition of Chemical Weapons

38 武器貿易条約(ATT:Arms Trade Treaty)の2021年12月現在の締約国は110か国・地域。日本は、署名が開放された日に署名を行い、2014年5月、締約国となった。

39 特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW:Convention on Certain Conventional Weapons)の2021年12月現在の締約国は125か国・地域

40 対人地雷の使用・生産などを禁止するとともに、貯蔵地雷の廃棄、埋設地雷の除去などを義務付ける条約で、1999年3月に発効した。2021年12月現在の締約国数は、日本を含め164か国・地域

41 一般的には、多量の子弾を入れた大型の容器が空中で開かれて子弾が広範囲に散布される仕組みの爆弾及び砲弾のことをいう。不発弾となる確率が高いともいわれ、不慮の爆発によって一般市民を死傷させることなどが問題となっている。

42 クラスター弾対策及び対人地雷対策に関する国際協力の具体的な取組については、開発協力白書を参照

43 クラスター弾の使用・所持・製造などを禁止するとともに、貯蔵クラスター弾の廃棄、汚染地域におけるクラスター弾の除去などを義務付ける条約で、2010年8月に発効した。2021年12月現在の締約国数は、日本を含め110か国・地域

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