軍縮・不拡散・原子力の平和的利用
原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)
1 目的
RCAは、「原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定」(Regional Cooperative Agreement for Research, Development and Training Related to Nuclear Science and Technology)の略称です。RCAは、IAEAの活動の一環として、アジア・太平洋地域の開発途上国を対象とした原子力科学技術に関する共同の研究、開発及び訓練の計画やその他の協力活動を促進及び調整することを目的としています。
2 RCAの成立経緯
(1)RCAは、原子力に関する地域協力を促進するための枠組みを検討する目的で開催されたIAEAの会合(1963年3月於マニラ、1970年7月於バンコク)の勧告に基づいて作成され、1972年6月12日に有効期限5年をもって発効し、その後5年毎に延長や改正が行われてきました。
(2)2012年の延長協定が期限を迎える2017年に、協定の基本的な枠組みは残しつつ一部を改正する無期限の協定が作成され、同年6月11日に発効しています。我が国は、1978年より締約国となっています。
3 締約国(アルファベット順)
令和2年7月現在、締約国は豪州、バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ニュージーランド、ネパール、パキスタン、パラオ、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ及びベトナムの22ヶ国です。
4 プロジェクト
RCAでは、主に以下の分野を中心としたプロジェクトが実施されています。
- (1)農業:放射線育種、食品照射等
- (2)保健・医療:がんの放射線治療、核医学診断等
- (3)環境:海洋モニタリング、地下水管理等
- (4)工業:放射線加工による材料加工・開発等
我が国は国内の研究機関、大学、病院や様々な分野の専門家の協力のもと、アジア・太平洋地域における原子力の平和的利用の促進に積極的に貢献しています。特に保健・医療分野においては、がんの放射線治療に関するプロジェクトのリード・カントリーを長年にわたって務めるなど、主導的な役割を果たしています。
5 事務局
IAEA事務局の技術協力局アジア太平洋部に、RCA活動を調整するためのフォーカルポイントとして1名の専任職員が配置されています。
6 加盟国の会合
政府代表者会合(3月又は4月、加盟国で持ち回り)及び総会(9月、ウィーン)をそれぞれ年1回開催。