核軍縮・不拡散
我が国主催PSI海上阻止訓練「Pacific Shield 18」(結果)
平成30年8月13日
- 1 訓練全体の概要
- 2 堀井巌外務大臣政務官主催歓迎レセプション(23日)
- 3 アカデミック・セッション(24日)
- 4 実動訓練(25日)
- 5 机上訓練(25日)
- 6 港湾訓練(26日)
- 7 能力構築支援(22日~27日)
1 訓練全体の概要
(1)訓練日程・場所
- 日程:平成30年7月24日~26日((注)能力構築支援については7月22日~27日)
- 場所:横須賀市,房総半島沖海空域,伊豆半島沖空域等
(2)訓練参加主体
- 我が国:外務省,警察庁,財務省・税関,海上保安庁,防衛省・自衛隊等
- 訓練参加国:オーストラリア,ニュージーランド,韓国,シンガポール,米国((注)アジア太平洋ローテーション訓練参加国)
(3)オブザーバー参加国(合計:19か国)
- オペレーション専門家グループ(OEG)参加国(8か国)
カナダ,フランス,ギリシャ,イタリア,オランダ,ノルウェー,ポーランド,ロシア - PSIに参加しているアジア太平洋諸国(6か国)
ブルネイ,カンボジア,フィリピン,タイ,マレーシア,ベトナム - PSIに参加していないアジア太平洋諸国(5か国)
インド,ラオス,モルディブ,ミャンマー,パキスタン
(4)経緯
平成25年のPSIハイレベル政治会合で,我が国,オーストラリア,ニュージーランド,韓国,シンガポール及び米国の6か国が,1年ごとにPSI訓練を持ち回りで開催(アジア太平洋ローテーション訓練)することで一致しました。我が国は,同会合において,2018年に訓練を開催することを表明しました((注)我が国はこれまで,平成16年10月及び平成19年10月にPSI海上阻止訓練Team Samurai 04及びPacific Shield 07,平成24年7月にPSI航空阻止訓練Pacific Shield 12を主催)。
(5)目的
- 大量破壊兵器等の拡散に対する我が国を始めとするアジア太平洋諸国の拡散阻止能力の向上や連携の強化
- PSIの取組に関する理解の増進
- PSI未参加国へのアウトリーチ
2 堀井巌外務大臣政務官主催歓迎レセプション(23日)
- (1)場所:
- 横須賀市内ホテル
- (2)参加者:
- 訓練参加国及びオブザーバー参加国関係者,訓練参加省庁を含む政府関係者,上地克明横須賀市長及び市職員等(約150名)
- (3)内容:
- 堀井巌外務大臣政務官は,歓迎の挨拶において,訓練を通じて,アジア太平洋地域における能力と協力を高め,参加者の意識を上げ,我々の強い意志を示すことで,PSIの目的を前進させることを希望する,また,関係する省庁が連携して,国際的な平和と安全保障を更に促進するため,引き続きPSIのパートナーと協力していく考えである旨述べました。
3 アカデミック・セッション(24日)
- (1)場所:
- 横須賀市内ホテル
- (2)参加機関
- 我が国:外務省等
- その他:各国関係機関
- (3)内容:
- PSIや不拡散に関して,訓練参加国からプレゼンテーションを実施しました。
4 実動訓練(25日)
- (1)場所:
- 房総半島沖海空域,伊豆半島沖空域
- (2)参加機関
- 我が国:外務省,防衛省・自衛隊(海上自衛隊P-1哨戒機,護衛艦「むらさめ」及び乗船チーム)
- その他:オーストラリア(空軍AP-3哨戒機),韓国(沿岸警備隊乗船チーム),米国(海軍P-8哨戒機及びイージス艦「ミリアス」並びに沿岸警備隊乗船チーム)
- (3)内容
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- ア 航空訓練(我が国,オーストラリア,米国)
- 海上自衛隊の哨戒機P-1,オーストラリア空軍の哨戒機AP-3及び米国海軍の哨戒機P-8が,大量破壊兵器関連物質を積載した容疑船舶を空中から捜索し,情報共有する訓練を実施しました。
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- イ 洋上訓練(我が国,韓国,米国)
- 海上自衛隊護衛艦「むらさめ」及び乗船チーム,韓国沿岸警備隊乗船チーム,米国海軍イージス艦「ミリアス」及び沿岸警備隊乗船チームが以下の要領で訓練を実施しました。
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- 護衛艦「むらさめ」が大量破壊兵器関連物質を積載した容疑船舶の追跡し,停船及び船舶検査に協力するよう呼びかけを実施しました。
- 護衛艦「むらさめ」の乗船チームが,呼びかけに応じた容疑船舶に乗船し,船内の検査を実施しました。
- イージス艦「ミリアス」に乗艦した米国沿岸警備隊乗船チーム及び韓国沿岸警備隊乗船チームがそれぞれ容疑船舶に乗船し,船内の検査を実施しました。
5 机上訓練(25日)
- (1)場所:
- 横須賀市内ホテル
- (2)参加機関
- 我が国:外務省,警察庁,海上保安庁,防衛省・自衛隊
- その他:各国関係機関
- (3)内容:
- 大量破壊兵器関連物質の拡散に関する架空のシナリオに基づき机上シミュレーションを実施し,対応策をとる上での国内の意思決定と多国間協力のあり方を検証しました。
6 港湾訓練(26日)
- (1)場所:
- 横須賀港久里浜地区
- (2)参加機関
- 我が国:外務省,警察庁,財務省・税関,海上保安庁,防衛省・自衛隊
- その他:米国(沿岸警備隊,税関・国境取締局,陸軍,海兵隊及びネバダ州軍),韓国(陸軍),フィリピン(陸軍),タイ(陸軍)
- (3)内容
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- ア 我が国訓練(神奈川県警,横浜税関及び海上保安庁合同チーム)
- 我が国港湾で,サリンやVXの製造に転用可能な化学物質(亜リン酸ジメチル)が積載された貨物船から,拡散懸念国に向かう別の貨物船に積み替えられるという想定の下,神奈川県警,横浜税関及び海上保安庁合同チームによる容疑船舶への立入検査及びコンテナ検査に係る訓練を実施しました。
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- イ 我が国訓練(神奈川県警及び陸上自衛隊)
- 発見された亜リン酸ジメチルが拡散して深刻な被害が発生し,迅速な対処の必要性や人員増強の観点から都道府県知事が防衛省・自衛隊に対して災害派遣要請を行い,自衛隊が警察と共同で化学物質の処理に当たるという想定の下,警察と陸上自衛隊による化学物質の検知及び陸上自衛隊による除染に係る訓練を実施しました。
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- ウ 米国,韓国,フィリピン及びタイによる合同訓練
- フィリピン及びタイに対する能力構築支援の一環として,船舶及びコンテナ内の放射性物質の検知等の訓練を実施しました。
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7 能力構築支援(22日~27日)
- (1)場所:
- 横須賀市内ホテル,横須賀港久里浜地区,陸上自衛隊化学学校
- (2)参加機関
- 我が国:外務省,防衛省・自衛隊(陸上自衛隊化学学校)
- その他:米国(沿岸警備隊,税関・国境取締局,陸軍,海兵隊及びネバダ州軍),オーストラリア(国防省),韓国(陸軍),フィリピン(陸軍),タイ(陸軍)((注)このほかマレーシアがオブザーバーとして参加)
- (3)内容
- フィリピン及びタイの参加者に対し,米国,オーストラリア,韓国及び我が国から放射性物質の検知等に関する講義や実技教習等を実施。27日には陸上自衛隊化学学校を訪問し,検知や除染に係る実技教習を実施しました。