外務大臣談話
核兵器不拡散条約(NPT)の発効50周年
(外務大臣談話)
令和2年3月5日
- 3月5日,核兵器不拡散条約(NPT)は,1970年の発効から50周年を迎えました。また,本年は,1995年にNPTの無期限延長が決定されてから25周年に当たります。我が国は,NPTが国際的な核軍縮・不拡散体制を支え,国際社会の平和及び安全の確立と維持に貢献してきたことを高く評価します。
- 国際社会は,大量破壊兵器拡散の脅威増大や核軍縮に関する見解の相違といった厳しい状況に直面しています。このような中,核兵器国と非核兵器国の双方が参加し,現実的かつ具体的な取組を行うためにも,NPT体制の維持・強化が必要です。
- NPTが引き続き重要な役割を果たし続けるためにも,本年のNPT運用検討会議に向けて国際社会が結束することを呼びかけます。我が国も,核兵器のない世界の実現に向けて着実に前進するための努力を粘り強く重ねていく考えです。
[参考]核兵器不拡散条約(NPT)
- 1968年に署名開放。1970年3月5日に25年間の時限条約として発効(我が国は1970年に署名,1976年に批准)。1995年,締約国は同条約の無期限延長に合意。締約国は191か国・地域(主な非締約国はインド,パキスタン,イスラエル,南スーダン)。
- NPTは,核軍縮,核不拡散,原子力の平和的利用という3本柱から構成され,核軍縮・不拡散体制の基礎となる,核兵器国を含む最も普遍的かつ重要な条約。米,露,英,仏,中の5か国を核兵器国と定め,核兵器国以外への核兵器の拡散防止義務,非核兵器国による国際原子力機関(IAEA)の保障措置受諾義務,締約国の原子力の平和的利用の権利,締約国による核軍縮交渉義務等を規定。