4. 環境・気候変動問題への対応
4-1.緩和
4-1.(1) 緩和策の推進
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]バリ行動計画に基づき、全ての主要排出国が行動・協力する2013年以降の実効的な枠組みの構築におけるアフリカ諸国の積極的参加を支援する。 | ● バリ行動計画に基づきすべての主要排出国が行動・協力する、2013年以降の実効的枠組みを構築するための気候変動枠組条約(UNFCCC)プロセスへのアフリカ諸国の積極的関与を支援する。 | 日本政府/欧州連合(EU) | 日本政府:「クールアース・パートナーシップ」に基づく支援(※注) |
EU:グローバル気候変動同盟(※注) | |||
[2]クリーン開発メカニズム(CDM)の更なる実施のため、プロジェクトの形成及び啓発キャンペーンを促進し、各国政府に設置される国家指定機関(DNA)の体制及び能力開発を支援する。 | ● 持続可能な土地・森林経営への投資と、「途上国の森林減少・劣化に由来する温室効果ガス排出の削減(REDD)」における、排出削減及びカーボン・ファイナンスの機会の特定を支援する | 日本政府/世界銀行グループ | 日本政府:「クールアース・パートナーシップ」又は「鳩山イニシアティブ」に基づく支援(※注) |
世界銀行: FCPF、CIFへのアクセスを支援 | |||
● 新エネルギーを含めたクリーン開発メカニズム(CDM)及び共同実施(JI)プロジェクトの案件形成を支援する | 日本政府(環境省) | CDMの更なる実施 | |
[3]途上国の森林減少・劣化に由来する温室効果ガス排出の削減(REDD)に対応し、持続可能な森林経営を奨励し、森林保全や植林を促進するため、森林資源や土地利用に関する基礎的情報の整備及びそれへのアクセスを支援する。 | ● コンゴ盆地の森林保全に係る支援を行なう | 日本政府(外務省)/JICA | 「コンゴ河流域熱帯雨林保全セミナー」の開催* |
● 持続可能な森林管理を促進するため、森林資源に関する基礎情報の開発やアクセスを支援する | 日本政府(文科省) | アフリカ地域のALOS/PALSARのデータを提供 | |
● 森林伐採の影響を受けている難民キャンプ周辺地域の森林を保全し、復旧する | 日本政府(農水省) | (1)アフリカ3カ国のために、マニュアル作成(2008-2009年度)、(2)プロジェクト実施(2006年度-2009年度*) | |
● アフリカにおける持続可能な森林経営を推進するプロジェクトの実施を支援する | 日本政府(外務省)/国際熱帯木材機関(ITTO) | 日本政府(外務省):資金援助 ITTO:プロジェクト実施 |
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● 2008年11月に国際熱帯木材理事会により承認されたITTOのテーマ別プログラム(TP)の実施 | 日本政府/国際熱帯木材機関(ITTO) | 日本政府:費用の一部を援助 ITTO: テーマ別プログラムの実施 |
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● 持続可能な森林経営(SFM)の実際に関するITTOによる政策調査の実施 | 日本政府:費用の全額を援助 ITTO:活動の実施 |
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日本政府:費用の一部を援助 ITTO:活動の実施 |
4-1.(2) クリーン・エネルギーの利用促進及びエネルギー・アクセスの改善
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]再生可能エネルギーの利用拡大のための政策及び計画の策定を支援し、維持管理技術の移転促進等、再生可能エネルギー関連プログラムを支援する。 | ● セクター戦略、及び再生可能エネルギーに関する政策立案や投資を通じ、太陽光エネルギーを含めたクリーン・エネルギーの開発と利用を支援する | 日本政府/世界銀行グループ | 日本政府: 「クールアース・パートナーシップ」又は「鳩山イニシアティブ」に基づく支援(※注) |
世界銀行グループ: 主要な地域水力発電案件への協調融資 | |||
IFC:クリーン・エネルギー向けに4-5百万ドル投融資を実施 | |||
国連工業開発機関(UNIDO)/ナイジェリア-タラバ州政府 | タラバ州における小規模水力発電プロジェクト (UNHCR: 225,000ドル) | ||
国連工業開発機関(UNIDO)/ナイジェリア連邦商工省 | アベオクタにおけるオルセグン・オバサンジョ大統領複合図書館施設のための超小型水力発電プロジェクト (105,154ドル) | ||
● 食料供給と競合しないバイオ燃料生産の促進を支援する | 日本政府(農水省) | 食料供給と競合しないバイオ燃料生産の可能性を調査(2008年度、600万円) | |
日本政府(経産省)/国連工業開発機関(UNIDO)/UNIDO東京投資・技術移転促進事務所 | 民間セクターとのパートナーシップにより、食料安全保障と両立するジャトロファ(バイオ燃料)生産の可能性を調査 | ||
● バイオエネルギーの利用促進、木材加工、森林投資に関するITTOによる政策調査の実施 | 日本政府/国際熱帯木材機関(ITTO) | 日本政府:費用の一部を援助 ITTO:プロジェクトの実施 |
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[2]電力へのアクセス改善及び電力の効率的利用を促進するために送電網の整備・管理を支援し、包括的な農村開発プログラムを通じて、貧困層の安価で効率的なエネルギーへのアクセスの改善を促進する。 | ● 居住地に明かりを灯すための安価かつクリーンなエネルギーの提供を支援する | UN-HABITAT | 水と衛生信託基金を通じて計画を支援(100万ドル) |
4-2.適応
4-2.(0) 適応
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]今後5年間で、アフリカ全土の環境状況を描写するグローバル・マップの整備や更新等の技術支援を促進する。 | ● 地球地図プロジェクトの推進 | 日本政府(国土交通省)/日本政府(国土地理院) | 地球地図国際運営委員会等の開催 |
地球地図整備、利活用に関する技術支援を実施 |
4-2.(1) 自然災害への対応策
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]干ばつや洪水等の自然災害に対する各地域のリスクや脆弱性の評価に基づき、防災計画や緊急活動計画の策定を支援する。 | ● (1)重要な水理学的評価、(2)洪水リスク管理、(3)適切な水資源管理技術(初期段階では水ストレスの高い国に重点を置く)を含め、水資源管理計画策定を支援 | 世界銀行グループ | 2008年に洪水リスク管理・予防対策に対し3億600万ドルの支援を実施 |
日本政府(国土交通省)/水災害・リスクマネジメント国際センター | 洪水被害軽減のための技術支援及び人材育成 | ||
● 被災した児童に対する救命支援を含む緊急時の行動計画を提供し、緊急時の子どもの権利を保護 | UNICEF | 国家政府及び機構間の早期警告・準備活動を支援し、緊急時の行動計画を策定・実施 | |
[2]早期警戒体制の構築やコミュニティ・レベルでの自然災害への対処能力の強化を支援する。 | ● 災害予防及び災害マネジメント能力の支援(干ばつや洪水、自然災害に脆弱な主要な国々に重点を置く) | 日本政府/世界銀行グループ | 日本政府: 「クールアース・パートナーシップ」又は「鳩山イニシアティブ」による支援を実施(※注) |
世界銀行グループ:国別ニーズアセスメント実施及び約7,500万ドルの資金支援。また、IFCは、適応に関するパイロット調査を実施 | |||
● 以下の活動を支援。 1) 災害危機軽減及び災害対策のための知識ベースの構築 2) 災害対策に関する地域レベルの対応能力育成 3) 災害対策においてCSAPボランティアを通じた技術援助を提供 |
英連邦 | 英連邦: 6万5,000ポンド | |
● 貧しい地方コミュニティの気候変動に対する適応能力の改善を支援 | 国際農業開発基金(IFAD)/国際復興開発銀行(IBRD) | IFAD: 110万米ドル(無償) |
4-2.(2) 砂漠化対処措置
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]水資源の利用、土壌保全、乾燥耐性植物の利用を含む再植林のための新規及び既存の技術の開発・普及を支援する。 | |||
[2]コミュニティ・レベルにおける砂漠化対処への意識を向上し、過放牧、過耕作、森林減少に対する適切な対策を導入する取組を支援する。 | ● 辺境における気候変動への適合に対する、持続可能な穀物・生計の多様化による支援 | 国際農業開発基金(IFAD)/国際塩水農業センター(ICBA) | IFAD: 140万米ドル(無償) |
● 貧困削減のための生計主流化及び竹による環境破壊に対する取り組みの支援 | 国際農業開発基金(IFAD)/国際竹藤ネットワーク(INBAR) | IFAD: 150万米ドル(無償) |
4-2.(3) その他
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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● 「アフリカにおける気候変動対策に関する国際的パートナーシップ構築のための日・UNDP共同枠組」の下で、国家、地方及び地域共同体レベルでのアフリカの国の気候変動への対応、特に適応への取組を支援する | 日本政府(外務省)/UNDP/地球環境ファシリティー(GEF) | (1)日本政府(外務省):“クールアース・パートナーシップ”の一環として9,210万ドルの資金を提供する | |
(2)UNDP:プログラムを実施 | |||
(3)UNDP/GEF:3,100万ドルの資金を提供する | |||
● 気候変動の影響への対応に取り組んでいる居住地の援助のためのイニシアティブを支援する。 | UN-HABITAT | イニシアティブを支援する(300万ドル) | |
● 国家および地域レベルでのアフリカ諸国の気候変動への適応の試みを支援する | 日本政府(外務省)/UNDP | 日本政府(外務省):「日・UNDPパートナーシップ基金」を通じてプロジェクトを支援 UNDP:プロジェクトを実施(100万ドル) |
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● 地域に根ざした気候変動への適応の取り組みに対する支援 | UNDP/地球環境ファシリティー(GEF)/UNV/日本政府 | UNV日本信託基金:1,000,000ドル/UNV特別ボランティア基金:552,909ドル |
4-3.水と衛生
4-3.(0) 全般
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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日本政府(外務省)/JICA/世界銀行グループ | 日本政府(外務省)/JICA:水と衛生に関し、300億円の無償資金協力・技術協力を実施(注※) | ||
世界銀行グループ:5万の接続及び4,500のコミュニティ給水所を通じて年間250万人に給水 |
4-3.(1) 有効な水資源管理
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]潜在的な水資源や地域特有の条件に及び計画実施のための行政能力の改善についての評価に基づき、循環型水資源管理計画の策定を支援する。 [2]各地域特有の状況を考慮に入れつつ、水資源管理に関する技術と知見の移転を促進する。 |
● 貧困層に対する持続可能な水・衛生サービスの提供の支援 | UN-HABITAT | UN-HABITAT水と衛生信託基金(1,900万ドル)を通じ、プロジェクトを支援 |
[2]各地域特有の状況を考慮に入れつつ、水資源管理に関する技術と知見の移転を促進する。 | ● 水資源管理に関する人材育成 | 日本政府(外務省)/JICA | 水資源の管理者及びユーザー5,000人の人材育成を実施 |
4-3.(2) 安全な水及び衛生施設へのアクセス
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]適正な価格の技術を用いた給水・衛生施設の整備を促進する。 [2]水・衛生システムの管理者及び利用者の能力構築を支援し、手洗いの励行等衛生的生活習慣改善のための啓蒙キャンペーンを促進する。 |
● 水・衛生施設整備の推進。(例:ソーラーパネル付き井戸を含む給水施設やトイレの設置等) | 日本政府(外務省)/JICA | 650万人に対し、安全な飲料水を提供 |
● 新しい井戸の建設と既存の井戸の修復 ● 村の水管理委員会のメンバーの研修 |
難民を助ける会 | (1)井戸の建設 (2)村の水管理委員会のメンバーに研修を実施 (3)村の人びとに公衆衛生について啓蒙 |
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● 水・衛生設備の整備の推進、水・衛生設備の管理者及び利用者の能力開発、衛生習慣改善の支援 | 日本政府(外務省)/赤十字国際委員会(ICRC) | 日本政府(外務省):2008年に300万ドルの資金援助 ICRC:水及び衛生プログラムの実施 |
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● 水・衛生施設開発、意識向上、人材育成の推進 | UNICEF | 水・公衆衛生プログラムの効果及び持続性の確保 |
4-4. 持続的な開発のための教育 (ESD)
横浜行動計画 | 日本/実施主体により提案された支援策 | 実施主体 | リソース及び貢献 |
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[1]より持続可能な社会の実現のため、ESDを政策や生活習慣へ統合させることにより、ESDを促進する | ● 持続的な開発のための教育(ESD)を政策・実施へ統合することによりESDを促進する | 日本政府(環境省)/日本政府(文科省)/UNESCO/UNU | 日本政府: 東京で2008年にESD対話に関する国際会議を主催 |
日本政府(文科省):サブ・サハラ・アフリカ対象のUNESCO教師養成プログラムを、ESD日本信託基金を通じて支援 | |||
日本政府(文科省):UNUを通じ、アフリカの持続可能な開発のための教育事業の実施(3,000万円) | |||
日本政府(環境省):日本の「地球環境基金」を通じ、環境保全に関する草の根活動を支援(アフリカ向けに少なくとも1,200万円) | |||
日本政府(文科省) | 我が国の大学の知を活用したESDをテーマとするアフリカ向け国際協力モデルの形成支援 |
●具体的なプロジェクトは、日本政府・その他の実施機関(ドナー・国際機関等)・アフリカ諸国の協議を通じて選定。
●黄色地の項目は、TICAD IV終了後(2008年度)に表明された支援策。
●ピンク色地の項目は、TICAD IV終了後(2009年度)に表明された支援策。