ODA(政府開発援助)

日本の取組
令和4年3月31日

概況

 日本は、人間の安全保障の概念を日本外交の重要な柱と位置づけ、人間の安全保障の推進のために、日本国内及び国際社会における人間の安全保障の概念の普及と、支援を通した人間の安全保障の現場での実践の両面から、様々な取り組みを行っています。

概念普及に向けた取り組み

 日本は概念普及に向けた取組として、二国間や多国間の会議において人間の安全保障について議論するとともに、会議の結果作成される文書において人間の安全保障に関する記述を設けるべく努めてきました。また、人間の安全保障に対する関心国の拡大を目的として、2006年にニューヨークベースの非公式・自由なフォーラムである「人間の安全保障フレンズ」を立ち上げ、全7回の会合を開催しました。会合では、気候変動や保健、平和構築、世界経済・金融危機、女性に対する暴力、ミレニアム開発目標(MDGs)、食料安全保障といった課題に人間の安全保障の概念がいかに貢献できるのか等が議論されました。

 人間の安全保障フレンズ会合を通じた概念普及の結果、2008年5月には国連総会で初めて人間の安全保障についての非公式テーマ別討論が開催されたほか、2010年4月には国連事務総長による事務総長報告も作成されました。さらに、2010年5月には初の国連総会公式討論が開催され、同年7月には人間の安全保障に関する初の国連総会決議が採択されました。この総会決議を受けて、2012年4月に人間の安全保障に関する2つ目の国連事務総長報告が発表されました。そして同年9月、国連総会において人間の安全保障の共通理解に関する総会決議が採択され、人間の安全保障をめぐる議論は大きく前進しました。また、2013年5月には国連において、人間の安全保障に関するハイレベル・イベントが開催されました。

 このほか、2000年以降累次にわたって、人間の安全保障に関するシンポジウムを開催しています。これらの活動を通じて、日本国内及び国際社会における人間の安全保障の概念の普及に積極的に取り組んでいます。

 更に、2020年の新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大により、世界の人々の命・生活・尊厳が危機に晒されている状況を受けて、同年9月の第75回国連総会一般討論演説において、菅総理はこの感染症の拡大は人間の安全保障に対する危機であり、「誰の健康も取り残さない」という目標を掲げる必要がある旨述べるとともに、新たな時代の人間の安全保障の考え方に立って、様々な危機を乗り越え、SDGs達成をはじめとした地球規模の課題への取組を加速する旨表明し、そのために、世界の英知を集め、議論を深めていくことを提案しました。

 こうした中、2021年5月、国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書室(HDRO)(UNDP/HDROホームページ:英語別ウィンドウで開く)は人間の安全保障に関する特別報告書ハイレベル諮問パネルを設置しました。同年6月に開催された新たな時代の人間の安全保障をテーマとするシンポジウムやハイレベル諮問パネルにおける議論を踏まえ、2022年2月、UNDPにより人間の安全保障に関する特別報告書別ウィンドウで開くが公表されました。
 また、国連の場における人間の安全保障の議論の再活性化に向けて、人間の安全保障フレンズが再結成され、フレンズ会合を通じた取組が積極的に行われています。

支援を通じた現場での実践

人間の安全保障の推進のためには人間の安全保障という概念が何故重要なのかを人々の目に見える形で示す必要があります。そのため、日本は支援を通じた人間の安全保障の実践にも力を入れています。

具体的には、2003年に改訂したODA大綱で人間の安全保障の視点に立った支援を援助政策の基本方針の一つと位置付けたほか、2015年に策定した開発協力大綱においても、人間の安全保障の考え方は、我が国の開発協力の根本にある指導理念と位置付けています。こうした指導理念の下、日本の主導により1999年に国連に設置した人間の安全保障基金を始めとする国際機関経由の支援や、草の根・人間の安全保障無償資金協力等の二国間の支援を通じて、人間の安全保障の実現に向けた案件を積極的に支援しています。

中でも、国連人間の安全保障基金は、現在の国際社会が直面する貧困・気候変動・紛争・地雷、難民問題、麻薬、HIV/エイズを含む感染症等の多様な脅威に対して、政府、国際機関、NGO、市民社会等の全ての主体が連携、協力し、包括的かつ分野横断的に対応するプロジェクトを支援するものであり、人間の安全保障を実現するスキームとして高い評価を得ています。

写真出典:外務省「ミレニアム開発目標MDGs」ハンドブック

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