ODA(政府開発援助)

令和7年3月17日

 3月5日(現地時間)、ニューヨークにおいて、第7回人間の安全保障フレンズグループ会合が開催されたところ、概要は以下のとおりです(司会は、日本と共に同グループ共同議長を務めるセネガルの国連常駐代表)。

 冒頭、山﨑和之国連代表部特命全権大使兼国連常駐代表から、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組が停滞する中、分野横断的な視点に立つ人間の安全保障の有効性を訴えていくことが引き続き有意義である旨述べた上で、人工知能(AI)を含むデジタル技術の躍進や気候変動問題の深刻化等に象徴される新しい時代において人間の安全保障が付加価値を提供し続けるために何をしていくべきか、という問いを投げ掛け、時代に応じた人間の安全保障の在り方を模索していきたい旨発言しました。

 これに続き、ヤン第79回国連総会議長は、気候変動やデジタルの課題への対応に人間の安全保障が役に立つとの認識を示し、昨年9月に採択された「未来のための約束」の実施において、人間の安全保障の考え方が各国の取組の指針となるべき旨述べました。また、シュタイナー国連開発計画(UNDP)総裁も、AIを含む新たな技術への対峙を考える上で人間の安全保障が知恵を提供し得る旨指摘しつつ、人々を脅威から守ると同時に機会を生む人間の安全保障の重要性を説きました。更に、井本国際協力機構(JICA)理事がウガンダの給水施設における人間の安全保障の適用例を紹介し、デジタル・ツールと組み合わせた人間の安全保障の付加価値を効果的に説明したほか、リルジャート国際移住機関(IOM)ニューヨーク事務所長からは、サヘル地域における移住に係るデータ管理を例に挙げながら人間の安全保障の視点を紹介しました。加えて、国連人間の安全保障信託基金のこれまでの活動や将来の在り方についても活発な議論が行われました。

 各国の国連代表部や国際機関から50名以上が参加した今次会合では、SDGsの達成に向けて人間の安全保障の理念を活用することが引き続き有効であるとの認識が共有されたほか、これからの新しい時代において、AI/デジタルの発展に伴う課題や深刻化する気候変動といった分野において人間の安全保障が効果的に適用されるよう、関連の考察を深めていくことの意義についても認識が共有されました。

(参考)人間の安全保障フレンズ
 2006年にニューヨークベースの非公式・自由なフォーラムとして人間の安全保障フレンズが結成され、2009年までに全7回の会合を開催。これらの会合を通じた概念普及の結果、人間の安全保障の共通理解が記載された2012年国連総会決議66/290が採択されるに至った。国際社会が新型コロナウイルスからの回復を目指していくに当たり、人間の安全保障の概念に関する議論を再活性化すべきとの認識の下、日本、コスタリカ、セネガルの国連常駐代表を共同議長として人間の安全保障フレンズグループが再結成され、2021年6月に第1回会合、同年12月に第2回会合、2022年3月に第3回会合、同年12月に第4回会合、2023年4月に第5回会合、また2023年12月に第6回会合が開催された。

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