ODA(政府開発援助)
事業・運営権対応型無償資金協力事例
1 ミャンマー「ヤンゴン市無収水削減計画」
ヤンゴン市では,人口の増加と経済発展により水道水の需要が増加しており,水源の開発とともに漏水などにより供給されず収入につながらない無収水の問題への取組が急務となっていますが,老朽化した送配水管の更新や維持管理を含む継続的な無収水対策は十分に行われていません。
本計画は,ヤンゴン市でも特に無収水の問題が深刻なマヤンゴン地区における上水道関連施設の整備と同施設のマネジメント等を含む事業の実施を通じ,当該地域における漏水率の低減と水の供給能力及び無収水対策マネジメント能力の向上を図り,ミャンマー国民の生活向上及び持続的経済発展に寄与するものです。
- ミャンマーに対する無償資金協力に関する交換公文の署名
- (注)本案件は,2008年4月発表の官民連携促進策「成長加速化のための官民パートナーシップ」における民間提案受付制度の官民連携案件として,日本企業からの提案を受けて実施する無償資金協力です。
2 ケニア「ナイロビ市医療・有害廃棄物適正処理施設建設計画」
ケニアの首都ナイロビ市は,人口約314万人のケニア最大の都市であり,既存の廃棄物最終処分場に処理容量の3倍を超える廃棄物が持ち込まれ,土壌汚染や悪臭等の発生等が都市衛生上の大きな課題となっています。
特に高度な処理能力が求められる医療廃棄物に関しては,現在,ナイロビ市内で約1万トン発生していますが,十分な処理能力を有する施設が不足し適切な処理が為されないまま市内に放置されており,有害金属による土壌汚染やダイオキシン等の拡散等を引き起こすだけでなく,二次感染までも引き起こす可能性があり,ナイロビ市民の生活環境や周辺環境に悪影響を与えています。
この協力は,本邦技術を活用した医療廃棄物処理場等の建設及び処理場運営により,ナイロビ市における医療廃棄物の処理能力を向上し,同市及び同市周辺地域の住民生活及び周辺環境の改善を図ることを目的としています。
この協力の実施により,土壌汚染,大気汚染,悪臭発生及び医療廃棄物による二次感染のリスクが軽減され,ナイロビの都市衛生環境が改善されると共に,ケニアの環境管理能力の向上が期待されます。