国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組

(UNODC:United Nations Office on Drugs and Crime)

令和3年3月8日

1 概要

(1)設立目的及び経緯

 UNODCは持続可能な開発と人間の安全保障を確保する観点から、不正薬物、犯罪、国際テロリズムの問題に包括的に取り組むことを目的に設立されました。

 1997年、国連薬物統制計画(1990年国連総会決議により設立)及び犯罪防止刑事司法計画(1991年同決議で設立)を統合し、国連薬物統制犯罪防止事務所(UNODCCP)が設立された後、2002年に改称して現在のUNODCとなりました。

(2)体制

職員数:
約645名(2019年12月時点)(専門職・一般職の合計)
事務局長:
ガーダ・ファトヒー・ワーリー(2020年2月~)
本部:
ウィーン
事務所:
約100か所に各国事務所やプロジェクト・オフィス等が置かれている他、各地に地域統括事務所(注)が置かれています。
(注)東南アジア・大洋州地域事務所(タイ)、南アジア地域事務所(インド)、中央アジア地域事務所(ウズベキスタン)、中東・北アフリカ地域事務所(エジプト)、西・中部アフリカ地域事務所(セネガル)、南アフリカ地域事務所(南アフリカ共和国)、東アフリカ地域事務所(ケニア)、中米・カリブ地域事務所(パナマ)
予算:
約1割が国連予算、約9割が加盟国等による任意拠出金。

(3)業務

  • ア 主な業務は、(ア)政策及び事業決定過程に資するため、不正薬物及び犯罪に関する調査・分析を行うこと、(イ)国連加盟国の不正薬物、犯罪、テロリズムに関する各条約の締結・実施及び国内法整備を支援すること、(ウ)国連加盟国に対し、不正薬物、犯罪、テロ対策における能力向上のための技術協力を提供すること。
  • イ UNODCは、国連経済社会理事会(経社理)の機能委員会である麻薬委員会及び犯罪防止刑事司法委員会と、国際麻薬統制委員会の事務局を務めているほか、国際組織犯罪防止条約など各種関連条約の事務局も務める。
  • ウ 麻薬委員会や犯罪防止刑事司法委員会で採択された後、上部機関である経社理で採択された決議は、UNODCの事業の方向性に指示を与える。

(4)内部基金

 UNODCは、薬物対策のための国連薬物統制計画(UNDCP: the United Nations International Drug Control Programme)基金及び犯罪・テロリズム対策のための犯罪防止刑事司法基金(CPCJF: Crime Prevention and Criminal Justice Fund)の2つの基金を有しています。両基金の使途等については、国連の監査を受けるとともに、麻薬委員会及び犯罪防止刑事司法委員会の会期間会合で審議され、国連総会で正式に決定されます。

2 分野別の活動内容

(1)薬物分野

 国連薬物統制計画基金の技術協力事業の主な分野別内訳は、ア 条約の締結・実施等法整備、イ 調査・研究等政策分析、ウ 薬物予防措置、エ 代替開発、オ HIV/AIDS対策等となっており、薬物統制について国連内外の各機関に対してアドバイスを行うほか、薬物の需要・供給の削減と不正取引の防止に関するプロジェクトなどを実施しています。

(2)犯罪防止刑事司法分野

 犯罪防止刑事司法基金の技術協力事業の主な分野別内訳は、ア 条約の締結・実施並びに刑事司法制度改革等支援、イ 脅威・リスク分析、ウ 腐敗対策、エ 人身取引対策、オ 被害者支援等となっており、法の支配の強化や安定した刑事司法制度の促進など、国際組織犯罪の脅威との闘いに取り組んでいます。

(3)テロ対策分野

 1999年4月にUNODC内に設置されたテロ防止部は、国連安保理決議第1373号及びテロ防止関連条約実施のための技術支援を、国連テロ対策委員会(CTC)ないし援助を必要とする国々からの直接要請に基づき実施しています。

3 日本との関係

 我が国は、UNODCへの主要拠出国として、その政策決定や行政財事項にかかる審議にも積極的に参画しています。また、2013年6月、平松総合外交政策局長とフェドートフ事務局長との間で第一回「日・UNODC戦略政策対話」を開催し、今後の更なる連携強化を目指す重点分野や重点地域等を記載した「日・UNODC共同行動計画」に署名しました。同対話はその後も定期的に行われてきています。

(1)邦人職員

 2020年12月現在、邦人職員は16名が勤務。

(2)日本の拠出実績(過去5年分)

 違法薬物分野や腐敗対策分野における地域横断的なプロジェクトや、アフガニスタンにおける薬物対策支援、アジア・中東・アフリカ地域におけるテロ対処能力向上支援や暴力的過激主義対策など、UNODCによる多方面の活動を支援しています。

  • 平成27年度:約1,600万ドル
  • 平成28年度:約2,300万ドル
  • 平成29年度:約2,900万ドル
  • 平成30年度:約2,600万ドル
  • 平成31年(令和元年)度:約2,700万ドル

4 トピックス

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