ODA(政府開発援助)

平成19年6月18日

 途上国における開発事業の効果発現を促進し,我が国の援助の戦略的な有用性を一層高める観点から,円借款業務の迅速化は有益である。円借款プロセスの見直しについては,借入国のみならず,自由民主党「外交力強化へのアクション・プラン10」(平成19年6月8日付)等,我が国国内各方面から提言・要望が寄せられており,相手国政府の協力を得つつ,以下をはじめとする諸施策を可能なものから順次実施し,我が国として円借款プロセスの各段階の期間短縮に努める。

 具体的には,

  • (1)JICAが案件形成に関与する案件のうち,案件形成から工事等契約まで7年以上かかっているものについて,先方政府の協力を得つつ,右期間の半減に向けて努力する。また,「地球環境・プラント活性化事業等調査」にて案件形成を実施する案件について,JBICとの連携などにより,更なる期間の短縮に努める。
  • (2)円借款要請から借款契約調印までの期間について既に設定している標準処理期間(9ヶ月)の遵守を更に推進し,期間内に処理できた割合を平成19年度供与分から公表する。
  • (3)コンサルタント及び本体工事の調達に要する期間を2年以内に短縮することを目標とする。

1 案件形成段階

  • 円借款と連携するJICAの開発調査案件について,作業の迅速化,調査内容の絞込み等により案件形成に要する期間を短縮する。
  • 「地球環境・プラント活性化事業等調査」について,提案公募終了後であっても重要性・戦略性の高い案件については適宜実施できるよう対応する。

2 要請~供与段階

  • 毎年度,特に多数の案件が要請・供与されている国について,従来年一回を原則としている検討手続を,必要に応じて年二回とする等の柔軟化を行い,円借款供与までの待ち時間の短縮を図る。
  • 戦略的な観点等から,迅速な対応が必要と判断される案件については,随時要請受付を行い,優先的に処理を行う等,他の案件とは切り離した迅速な処理を行う。
  • 従来の円借款検討にかかる手続を国ごとに精査し,ケースバイケースで政府やJBICのミッションの省略等の合理化を実施する。

3 事業実施段階

  • 借入国におけるコンサルタント選定等を支援するため,専門家派遣,SAPI(案件実施支援調査)等による支援を拡充するとともに,昨年12月に作成した「コンサルタント雇用の評価手順ガイド」を被援助国側に周知する。
  • 円借款における更なる手続の合理化・迅速化を目的とした調達制度改善を検討するため,主要借入国を中心にJBICによる調達制度調査を実施する。
  • 国際ルールとの整合性及び公正な調達が確保される等の前提のもと,以下の施策を実施する。
    • 借款契約調印前に調達手続を開始することを認める。
    • 交換公文や借款契約前になされた契約・支払も対象にした融資を認める。
    • 調達における事前資格審査の省略または入札と資格審査の同時実施を認める。
    • 請負者が設計の責任を持つ「デザインビルド方式」による調達を認める。
  • 平成19年10月1日以降に事前通報が行われる案件を対象に,借款契約発効後の未貸付残高に対して年0.1%のコミットメントチャージを課す。また,更なる事業の質の確保及び迅速化を行うため,コンサルタント部分の金利を無利子近似(0.01%)とする。
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