ODA(政府開発援助)
グローバルフェスタJAPAN2025開催報告
「世界を変える、あなたの一歩 プラス1の国際協力」をテーマに屋内会場での開催とオンライン視聴を両立
9月27日(土曜日)及び28日(日曜日)にグローバルフェスタJAPAN2025が新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)で開催されました(外務省、国際協力機構(JICA)及び特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)共催)。昨年に引き続き、対面形式とオンライン形式を両立したハイブリッド形式で開催しました。
34回目となる今回のテーマは、“世界を変える、あなたの一歩 プラス1の国際協力”。国際協力に携わる様々な団体(NGO、NPO、国際機関、企業、大学等)や在京大使館など約180団体によるブース展示を始め、多彩なゲストが登壇するステージプログラムや体験ワークショップ、物販ブース等、楽しくわかりやすいコンテンツを通じて国際協力に触れる機会となりました。2日間の合計でリアル(屋内会場)・オンライン全体で推計約3万人(うちリアルは約1.4万人)のご来場・ご視聴をいただきました。
オープニングセレモニー
オープニングを盛り上げるお笑いカルテットのぼる塾、ミニモちゃん、ODAマン
松本政務官によるオープニングセレモニーでの挨拶
イベントの冒頭のオープニングセレモニーでは、松本尚外務大臣政務官が共催者を代表し開会挨拶を行いました。松本政務官から、TICAD 9では日本の技術や知見を活かしてアフリカが直面する様々な課題の解決策をアフリカと共に創り上げる「革新的課題解決策の共創」がテーマであり、自らもTICAD 9に参加し、日本の外交、国際協力の強みである「現場主義」と人材育成を強く主張しアフリカの多くの国からそれに対する共感を得た旨述べました。
また、松本政務官から、ロシアとウクライナの問題や現下の中東情勢等、地球規模で大きな対立と分断が生まれているが、資源がなく少子化が進む日本にとって、我々の生活が世界の情勢と直結していることを認識する必要がある旨述べました。更に、政府開発援助(ODA)を開始してからの70年間で積み上げられた世界から日本への信頼が財産であり、これを世界で活用することがこれから目指すべき国際協力の大事な柱である旨述べました。(全文(PDF)
)
オープニングセレモニーでは、女性お笑いカルテットの「ぼる塾」や、ミニモちゃん、外務省のODA広報キャラクターの「ODAマン」が登場し、トークやクイズでステージを盛り上げました。
外務省フォトコンテスト授賞式
外務省企画プログラム
『ODAマンが聞く!JICA海外協力隊とわたしたちのキャリアパス』ODAマンステージ
カトラッチャ珈琲焙煎所今井さん
株式会社石見麦酒和田谷さん
「ODAマン」の生みの親・FROGMANと、元JICA海外協力隊員が登壇し、協力隊を目指したきっかけや、現地で得た経験や知識が、その後のキャリアにどう活かされたのかを語りました。国際協力をキャリアのひとつとして捉え、日本に戻ったあとの地域貢献や、地方から世界と繋がる活動の具体例を共有しました。
株式会社農園たや田谷さん
お客さんと一緒にODAポーズをするODAマンと登壇者
国際協力の学校
学校の教室風のセット(左から、仲本千津さん、田中信行さん、米村姫良々さん、窪田七海さん、田才諒哉さん)
「好き」という気持ちを大切にして、国際協力キャリアにチャレンジしよう!
ゲストの「OCHA NORMA」米村姫良々さん・窪田七海さんが、新入生役として熱心に学び、国際協力の現場で活躍する田才諒哉さん、仲本千津さん(株式会社RICCI EVERYDAY)、先生役の田中信行さん(合同会社サスコン/国際協力の学校 主宰)とともに学校の教室風のステージで国際協力について学びました。
仲本さんからは銀行を辞めてワクワクするファッションを使ったアフリカとの国際協力へと進んだ人生のお話を、田才さんからは国連職員を経て大好きなコーヒー事業へと進み世界中の生産地を飛び回っているお話をして頂き、田中先生からは、「キャリアは欲張って良い。○○をしたいという気持ちに素直に、好きなことを仕事にしてよい」、そして、「国や地域、分野、立場」の3つの軸で深掘りすると国際協力キャリア形成を考えやすいと教えて頂きました。
米村さんと窪田さんは、新入生役として熱心に学び、会場を盛り上げてくださり、遠いように思えた世界が、まるでお茶の間のように、身近に感じられたステージでした。
OCHA NORMAの米村さんと窪田さんが、カワイイ衣装姿でご登場くださいました!
OCHA NORMAの楽曲タイトルでもある「ウチらの地元は地球じゃん!」を合言葉に、田中先生、仲本先輩、田才先輩とともに、ファッションやコーヒーを活用した国際協力のキャリアを学びました。
「ステージをやってみたい国や地域は?」の質問に対して、「日本の裏側に当たる
ブラジルに行ってみたい」と答えてく
ださったOCHA NORMAの米村姫良々さん
「ハワイの海の上でコンサートしてみたい」と答えて下さった窪田七海さん
密着!ODA 新しい時代を切り拓く国際協力
ODAの意味を議論(左から、永島優美アナ、松浦直子室長、仲本千津代表、荒木光弥主幹)
ODAって必要なの?どういう意味があるの?
このステージでは、永島優美アナウンサー(元フジテレビ「めざましテレビ」キャスター)の司会のもと、『国際開発ジャーナル』主幹で長年開発協力を取材して来られた荒木光弥さん、アフリカで起業された株式会社RICCI EVERYDAYの仲本千津さん、松浦直子外務省開発協力連携室長と、ODAの意味について議論しました。
いま世界では、政府のみならず、民間のお金が国際協力や社会課題解決のために多く使われるようになり、官民が柔軟に人や資金を連携させて、日本のメリットも意識して取り組む事がポイントです。また昔に比べて多くの途上国が発展したことから、ODAにおいても、日本の強みを戦略的に活かしたウィン・ウィンの対話が始まっています。
ODAの意味や役割を考える上でいま注目のキーワードとして、荒木国際開発ジャーナル主幹からは、「国民参加」(国際協力に関わる日本の人たちは世界から尊敬されるような顔を見せる責任がある)、仲本RICCI EVERYDAY代表からは「地ならし」(サブサハラ・アフリカ地域は経済発展が見込まれる最後の場所(ラストフロンティア)と呼ばれる、ODAはビジネスが発展する素地になる)、松浦外務省開発協力連携室長からは「国際公共財」(猛暑、感染症など世界の課題と日本の暮らしの繋がり、課題解決に貢献し信頼を得ている)を挙げました。
会場を楽しく盛り上げる永島優美アナウンサー
身近な話題で解説する松浦直子室長
バッグのビジネスを土台に国際協力を実現する
仲本千津さん
賠償援助から始まった戦後のODAの歴史と変化を語った
荒木さん
『日本とアフリカ:魂揺さぶりあう音楽の出会い』
日本・アフリカ・キューバの、多種多様なリズムが交流。
日本とアフリカのパーカッショニスト達が、音楽交流として、多種多様な太鼓や楽器を用いて、多様なリズム、ローカルな音楽、マイノリティから見える世界を一つに統合させて体現しました。
メイン奏者のラティール・シーさんは奴隷貿易のアフリカ最後の出発地であったセネガルのゴレ島出身で、思い出の写真とともに「Forgive, But Never Forget(ゆるそう、だけど決して忘れないでいよう)」という平和へのメッセージを発しました。キューバで音楽を学ばれたIZPONさんはキューバ音楽を通じて見えた社会文化について、また、日本と欧米で活動する芳垣安洋さんは日本らしさを表す一例として東北地方の盆踊りのリズムを紹介しました。フィナーレでは日本の童謡「赤とんぼ」をアフリカのリズムで演奏し、日本とアフリカをイメージした音楽が演奏されました。
奴隷貿易という人類の負の歴史とそこから広がった音楽の系譜について語る
ラティール・シーさん(中央)
『地球の歩き方』コラボステージ! 世界を旅してODAを学ぼう
約50か国は旅をしている「地球の歩き方」由良編集長
旅行ガイドブック「地球の歩き方」の由良編集長が各国を訪れた経験を踏まえながら、エジプト、マレーシア、メキシコの観光名所の見どころを解説いただきました。ゲストのガンバレルーヤのよしこさん、Juice=Juice工藤由愛さん、江端妃咲さんと一緒に、旅行先で体験できる日本のODAがあることや、日本への裨益に繋がるODAを学びました。また、海外安全.JPの尾崎さんからは、海外旅行において気をつける点などを紹介いただきました。
約半月は海外に行っていると語ったガンバレルーヤ よしこさん
クイズの回答で会場を盛り上げるJuice=Juiceの工藤さん
海外の食文化に興味があるJuice=Juiceの江端さん
海外旅行の際には「たびレジ」登録をお勧めする海外安全.JPの尾崎さん
鉄道×ODA 日本の鉄道、世界を走る!
世界で第2の人生を送る日本の中古車両や、戦後間もない頃に日本が支援を受けた鉄道について紹介するとともに、日本の技術支援により海外を走る車両等、ODAによる鉄道事業を通した日本の国際協力を、Juice=Juiceの工藤由愛さんと江端妃咲さんとともに楽しくわかりやすく伝えました。「世界を走る鉄道写真集合!」ブースでは、応募者からの写真パネル展示やエコレールの展示も行われました。展示作品はこちら(PDF)
ゲストのJuice=Juiceの工藤由愛さん、江端妃咲さん
工藤由愛さん、在ラオス大使館 古賀俊行さん、「西船junctionどっと混む」管理人 杉林桂介さん、JICA 三浦洵さん、江端妃咲さん
「世界を走る鉄道写真大集合!」のブースでは、パネルやエコレールの展示この他のプログラムとして、外務省国際機関人事センターによるサブステージ「国際機関で働こう!国際機関合同プレゼンテーション」や、外務省国際協力局NGO協力推進室とNGO団体等によるNGO相談員のサブステージ「NGOってなに?クイズで学ぶ国際協力」を開催しました。
屋内会場の様子
スタンプラリーを楽しむお客さん
ワークショップスペースの様子
サブステージスペースの様子

