ODA(政府開発援助)

ODAメールマガジン第303号

2015年6月24日発行

平成27年6月26日

  • モザンビーク共和国

モザンビークってどんな国?

原稿執筆:在モザンビーク日本国大使館 庄司 義明 一等書記官

モザンビークと聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょう。私は日本で「モザンビークはどこの国にあるのですか」と聞かれました。
まだまだです。
しかしながら,世界トップ10に入る経済成長,世界最大級の海底天然ガス田・水力発電所に代表される豊富な天然資源や広大な未開発国土に対し,ビジネスの世界での注目度は断然高まり,2014年には安倍総理がモザンビークを訪問し,過去に類を見ない両国間の関係が築かれました。

モザンビークで街の人から聞く日本の印象。アニメで日本を知っているという若者は多少の日本語が話せました。きしむエレベーター(日本製ではありません)の中で,日本の技術力・クオリティーの高さを知っていると得意げに話す中年男性。全国にあふれる日本の中古車。その車体の表記が日本語だと分かっている人がどの程度いるでしょう。

そもそも,古くからの結びつきを有する日本とモザンビーク。
織田信長の家臣となった「弥助」,フランシスコ・ザビエル,こんな歴史上の有名人との関わり,一度みなさん調べてみてください。また,モザンビーク独立直後の悲しい内戦の歴史に対し,自衛隊が国連PKO活動として派遣され復興支援を行いました。大使館が設置されたのは2000年,まだ15年の浅い歴史です。

一人あたり所得は590ドルの最貧国,モザンビーク。首都のマプトでは,スマートフォンを使いこなし,バーやカフェには人が集い,一見他の国と変わらない生活を送っている。その一方,地方では電気も水道も無く,自給自足の生活,開発途上国のイメージそのもの。

この国の発展のポイントの一つはその差にあります。
国別援助方針「モザンビークの潜在力を活かした持続可能な経済成長推進と貧困削減」,それは教育であり,医療であり,インフラであり,防災であり,国家の安定成長を支援する日本。近年,ナカラ港港湾開発など,日本の協力による大型案件も続々と実現しているところです。

今年はモザンビーク独立40周年。
この節目の年に両国関係はますます発展していきます。

  • モザンビーク島(世界遺産)日本の支援により修復された砦
    モザンビーク島(世界遺産)
    日本の支援により修復された砦
  • 無償資金協力「ナカラ港緊急改修計画」
    無償資金協力「ナカラ港緊急改修計画」

きれいな水とトイレで病気を減らそう!(ニアッサ州持続的村落給水・衛生改善プロジェクト)

原稿執筆:JICAモザンビーク事務所 須藤 勝義 所長

開発途上国において,乳幼児の最大の死亡原因は下痢症です。2013年には全世界で58万人の乳幼児が下痢症で亡くなりましたが,そのほとんどは開発途上国です。

下痢症は簡単に予防できる病気です。きれいな水とトイレ,そして排便後に手を洗うという習慣があれば,下痢症への感染を大幅に減らすことができます。
JICAは,モザンビークの北西端にあるニアッサ州の村落において,井戸とトイレの整備,そして衛生習慣の普及をめざしたプロジェクトを行っています。

  • モザンビークの地図

日本では蛇口をひねればきれいな水が出てきますが,モザンビークの村落では水道などなく,水は「汲みに行かねばならないもの」です。村に井戸がなければ,近くの川や沼で水を汲むしかありません。これらの水は大腸菌などで汚染されていて,下痢症の原因になります。

プロジェクトではこうした村に井戸を建設していますが,それだけではありません。井戸にはハンドポンプが設置されますが,定期的な部品の交換や故障の際の修理が必要です。村人が責任をもってこうした維持管理を行えるよう,水委員会を設立して水料金を徴収する体制づくりや,ポンプ修理人の育成なども併せて行っています。

  • 待ちわびた井戸が完成し,集まった村人たち。「自分たちの井戸」という意識をもって,村人自身が維持管理を行うよう,啓発活動を行っています。
    待ちわびた井戸が完成し,
    集まった村人たち。
    「自分たちの井戸」という意識をもって,
    村人自身が維持管理を行うよう,
    啓発活動を行っています。
  • ハンドポンプの故障原因を確認する,村のポンプ修理工。こうした修理工を育成し,迅速な修理が可能になるようにしています。
    ハンドポンプの故障原因を確認する,
    村のポンプ修理工。
    こうした修理工を育成し,
    迅速な修理が可能になるようにしています。

きれいな水以上に下痢症の予防に効果的なものがトイレです。モザンビークの村落では,家庭にトイレがないために屋外で排泄せざるを得ない人がたくさんいます。屋外で排泄された糞便は大腸菌などが拡散する元となります。また,排泄後に手を洗うことも,手に付着した大腸菌を洗い流すことから,下痢症の予防にとても重要です。

このプロジェクトでは,学校にトイレを建設して,子供たちがトイレを正しく使い,トイレの後に手洗いをするという衛生習慣を身に着けられるようにしています。子供たちは家に帰って,学校で学んだことを実践したがります。子供の要望でトイレを建設する家庭が増えることが期待されます。また,手洗いの習慣が,子供から家族へ,家族から近所へと広がり,村全体で下痢症が減ることが期待されます。

  • 新しくできた学校のトイレで,順番に正しい使い方を学ぶ子供たち。ほとんどの子供たちにとって,このようなコンクリート造りのトイレを使うのは初めての経験。
    新しくできた学校のトイレで,
    順番に正しい使い方を学ぶ子供たち。
    ほとんどの子供たちにとって,
    このようなコンクリート造りの
    トイレを使うのは初めての経験。
  • トイレのあとの手洗いは,下痢症の予防のために重要な行動。習慣として身に着くことを目指します。
    トイレのあとの手洗いは,
    下痢症の予防のために重要な行動。
    習慣として身に着くことを目指します。
  • 学校のトイレが使われなくなる原因の1つは,「トイレの汚れ」です。子供たちは,トイレ掃除についても学び,実践します。
    学校のトイレが使われなくなる原因の1つは,
    「トイレの汚れ」です。
    子供たちは,トイレ掃除についても学び,実践します。

「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2015」募集中!

JICAでは,中学生・高校生を対象に,開発途上国の現状や,途上国と日本のつながりについて理解を深め,国際社会の中で日本,そして自分たち一人ひとりがどのように行動するべきかを考えるエッセイを募集しています。

■募集テーマ:
「世界を知ろう!考えよう! よりよい世界のため私たちにできること」

■募集期間:6月12日(金曜日)から9月11日(金曜日)まで(当日消印有効)

【照会先】
(公社)青年海外協力協会内
「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2015」係
〒102-0082 東京都千代田区一番町23番地3 日本生命一番町ビル5階
TEL:03-3556-5926(直通)