ODA(政府開発援助)
第8回人間の安全保障フレンズグループ会合の開催について
5月11日(現地時間)、ニューヨークにおいて、第8回人間の安全保障フレンズグループ会合が開催されたところ、概要は以下のとおりです。
冒頭、ゲスト・スピーカーであるヴォルベック人間の安全保障諮問委員会議長(元ノルウェー外相/元駐米大使)から、人類が複合的な危機に瀕する今日において人間の安全保障が提供する視点がますます有効になっていることに触れ、その今日的意義を戦略的に問いかけるとともに、今こそ人間の安全保障の視点を政策形成や資源配分に反映させていくべきである旨強調しました。
これに続き、リルジャート国際移住機関(IOM)ニューヨーク事務所長から、太平洋島嶼国での気候移住をテーマとした具体的事例を挙げながら人間の安全保障の視点が有する利点を紹介しました。また、カルデロン国連人口基金(UNFPA)メキシコ事務所次長からは、メキシコのイダルゴ州での脆弱な若者の経済的包摂における人間の安全保障の効果的導入について説明がありました。更に、三井国際協力機構(JICA)理事が、同機構がどのように人間の安全保障を実践しているかを、パレスチナ、ソロモン諸島及びトルコにおける事業例を通して紹介し、同概念の意義を効果的に説明しました。加えて、ギルピン国連開発計画(UNDP)アフリカ局チーフ・エコノミストからは、アフリカにおける人間の安全保障の状況把握と公共政策分野への効果的適用について、第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)に際し公表された報告書を紹介する形で説明がありました。
これらのスピーカーによる発言に続き、山﨑国連常駐代表から、人間の安全保障の重要性が一層高まる中、そのビジビリティを向上させるための活動が必要との認識を示した上で、フレンズ共同議長による新たなイニシアティブである「人間の安全保障賞(Human Security Award)」を紹介するとともに、国連に設置された人間の安全保障信託基金のドナーベース拡大の必要性を強調しました。
各国の国連代表部や国際機関から60名以上が参加した今次会合では、今日及び将来における人間の安全保障の理念の妥当性と意義が改めて認識され、同概念をより広範に広めていくことで世界における諸課題の解決に役立てることの重要性について、広く認識が共有されました。
(参考)人間の安全保障フレンズグループ
2006年にニューヨークベースの非公式・自由なフォーラムとして人間の安全保障フレンズが結成され、2009年までに全7回の会合を開催。これらの会合を通じた概念普及の結果、人間の安全保障の共通理解が記載された2012年国連総会決議66/290が採択されるに至った。国際社会が新型コロナウイルスからの回復を目指していくに当たり、人間の安全保障の概念に関する議論を再活性化すべきとの認識の下、日本、コスタリカ、セネガルの国連常駐代表を共同議長として人間の安全保障フレンズグループが再結成され、2021年6月に第1回会合、同年12月に第2回会合、2022年3月に第3回会合、同年12月に第4回会合、2023年4月に第5回会合、同年12月に第6回会合、2025年3月に第7回会合が開催された。
