ODA(政府開発援助)
政策評価法に基づく事前評価書
令和8年3月4日
評価年月日:令和7年11月5日
評価責任者:国別開発協力第三課長 東 邦彦
1 案件名
1-1 供与国名
コートジボワール共和国(以下、「コートジボワール」という。)
1-2 案件名
大アビジャン圏における道路維持管理機材整備計画
1-3 目的・事業内容
本計画は、大アビジャン圏において、道路緊急補修整備を担う道路管理公社(AGEROUTE)の作業ユニット(UMPAT)に対し、道路維持管理機材(ホイールローダ、アスファルト・ミリング・マシーン等)を整備することにより、同圏の道路状況及び交通利便性の改善を図り、もってコートジボワール及び近隣国への交通・物流の円滑化を通じた同国における持続的な経済成長の推進に寄与するもの。
供与限度額は16.18億円
1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
本計画は、JICA環境社会配慮ガイドライン(2022年1月制定)におけるカテゴリCであり、環境への望ましくない影響は最小限と判断される。
2 無償資金協力の必要性
2-1 必要性
- コートジボワール(一人当たり国民総所得(GNI)2,510ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、低中所得国に分類されている。
- 同国の「国家経済社会開発計画」(2021年~2025年)では、経済成長と雇用促進に資するセクターの活性化のため、輸送交通インフラ整備と維持管理の推進が必要とされている。輸送交通インフラ整備については、「大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト」(2013~2015年)を通じてJICAが策定を支援し、政府により承認された都市交通マスタープラン(以下、「SDUGA」という。)に基づき、他ドナーとの協調・協働により複数の事業が実施されている。他方、SDUGAにおいては、道路の維持管理の重要性についても指摘されているが、十分な対応がなされておらず課題となっている。
- 大アビジャン圏では、機材・道路維持管理省傘下のAGEROUTEにより、道路の点検が行われデータベースが更新されている。AGEROUTEの一部署であり緊急工事等に対応するUMPATは、同データべースに基づき、補修計画の策定及び実施を担っているが、現行の保有機材では、道路補修需要(40万平方メートル/年)に対して50%しか対応できていない(2024年)。そのため、道路の損傷箇所を通過する車両が低速で走行することなどにより、交通渋滞や移動時間の増大につながっている。
- 本計画は、コートジボワールの開発方針に沿いつつ、同国が直面するこうした問題への対処に資するものである。また、我が国の対コートジボワール国別開発協力方針(2023年9月)では、持続的な経済成長の推進を重点分野に掲げ、我が国が重点的に支援を行ってきている西アフリカ成長リングの一部をなすコートジボワールにおいて、運輸交通・電力・貿易円滑化等への支援を通じて地域統合を促進するとしており、本計画はこの方針にも合致する。さらに、我が国が2025年8月に開催した第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)では、連結性の強化を焦点の一つとしており、本計画はTICAD 9のフォローアップの観点からも重要である。また、西アフリカ成長リングの起点であるアビジャンの道路維持管理能力の向上を通じ同国と周辺国への物流円滑化に資するものであり、SDGsゴール3(すべての人に健康と福祉を)、ゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、ゴール11(住み続けられるまちづくりを)、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)に貢献する。
2-2 効率性
本計画は、「大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト」を元に必要性が指摘されたもの。路面補修工事の規模及び内容に応じて、使用する機材を異なる編成にできるよう機材計画を策定するとともに、既存の建機・車両の有効活用を図り、本計画で整備する機材台数を抑制し、事業全体のコスト縮減を図った。
2-3 有効性
本計画の実施により、2024年実績値と事業完成3年後の2030年の目標値を比べて、以下のような成果が期待される。
- 路面補修面積(平方メートル/年)が、195,800から400,810となる。
- 単位時間当たりの平均施工面積(平方メートル/毎時)が、180から200となる。
3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等
- コートジボワール政府からの要請書
- JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)

