ODA(政府開発援助)

平成28年5月9日

評価年月日:平成28年4月8日
評価責任者:国別開発協力第一課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

ラオス人民民主共和国

1-2 案件名

国道九号線橋梁改修計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,東西経済回廊の一部を構成する国道9号線上において,劣化が進行したセクムカーム橋とセタームアック橋の改修を実施することにより,国道9号線の安全かつ安定的な交通の実現を図り,もって国道9号線周辺地域及び東西経済回廊の経済・社会インフラ整備に寄与するもの。供与限度額は25.28億円。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 ラオス政府の過積載車両取締りに必要な取組が,今回改修される橋梁の設計荷重を踏まえて適切に行われること。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)内陸国であるラオスの国道9号線は,インドシナ半島を横断する形でベトナム国境のラオバオからタイ国境のサバナケットを接続し第二メコン橋を経由する東西経済回廊の一部であり,ラオス国内のみならずASEAN全体の社会経済開発にとって重要な国際幹線道路である。
  • (2)しかし,国道9号線上の橋梁は1980年代に整備されたものが多く,劣化が進み改修の必要性が高まっている。特に,本計画が対象とするセクムカーム橋とセタームアック橋(ともにチェコ・スロバキア共和国(当時)の支援により建設)は,せん断強度や曲げ強度の不足,鉄筋の破損等が生じており,早急な改修が必要である。

2-2 効率性

 技術協力「道路維持管理能力強化プロジェクト」(2011-2016年)を通じ,本計画の実施機関に対する橋梁の定期点検・メンテナンス等の技術支援を実施している。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)本計画対象区間(橋梁)における車両の交通量(台/日)が,事業完成後3年後(2022年)には,事業実施前(2015年)と比較して,セクムカーム橋は1,840台/日から2,966台/日へ,セタームアック橋は4,861台/日から8,358台/日まで増加することが見込まれる。
  • (2)大型車が通過する2橋梁の安全性が向上する。
  • (3)通学や通院等に重要な,生活道路(橋梁)を改善することを通じて,地域住民の生活の利便性が向上する。
  • (4)ラオス及びASEAN地域の経済活動と緊急時輸送を担う東西経済回廊の寸断リスク(長距離の迂回を必要とするリスク)を低減させる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ラオス政府からの要請書
  • (2)メコン地域のODA案件に関わる日本の取組の評価報告書,ラオス国別評価報告書
  • (3)JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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