ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成28年4月5日

評価年月日:平成28年3月14日
評価責任者:国別開発協力第一課長 原 圭一

1 案件概要

(1)供与国名

ベトナム社会主義共和国

(2)案件名

タイビン火力発電所及び送電線建設計画(第四期)

(3)目的・事業内容

 ベトナム北部タイビン省タイトゥイ郡のタイビン火力発電所センター内に火力発電所(300メガワット×2基)及び周辺地域の送電線及び関連施設を整備することで,首都ハノイを含む発展著しい北部地域への電力の安定供給を図り,もって国際競争力の強化を通じた成長と競争力強化に寄与するもの。

  • ア 主要事業内容
    • 土木工事
    • 資材調達・据付
    • コンサルティング・サービス
  • イ 供与条件
    供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
    549.82億円 年1.4% 30(10)年 一般アンタイド

    (注)コンサルティング・サービス部分は金利0.01%を適用。

  • (4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

    • ア 環境影響評価(EIA):本計画は「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」(2002年4月制定)に掲げる火力発電セクターに該当するため,カテゴリーAに該当する。また,発電所に係る環境影響評価(EIA)報告書は,2009年3月にベトナム天然資源環境省により承認済み。送電線及び変電所については,タイビン火力発電所センターからタイビン変電所までの送電線区間の環境保護許認可書を2009年2月にタイビン省人民委員会天然資源環境局により承認。その他の各区間送電線・各変電所の環境影響評価(EIA)報告書は,2014年3月から7月にかけて,ベトナム天然資源環境省又は各送電線・各変電所が所在する省の人民委員会天然資源環境局により順次承認済み。
    • イ 用地取得及び住民移転:発電所建設に必要な用地(257ha)については同国国内手続に則り取得済であり,非自発的住民移転は完了している。送電線・変電所建設に必要な用地(約21ha)については同様に今後取得が進められる。なお,送電線・変電所建設については非自発的住民移転は発生しない。
    • ウ 外部要因リスク:特になし。

    2 資金協力案件の評価

    (1)必要性

    • ア 開発ニーズ
       ベトナムにおける電力需要は,過去3か年で年平均10%以上増大している一方で,電源開発は資金不足,売電交渉の長期化等の要因により十分に進捗していない。その結果,電力需給が逼迫し計画停電が実施されるなど,同国の経済・社会経済活動に負の影響を与えており,電力の安定供給が喫緊の課題となっている。  2011年に策定された「第7次国家電力マスタープラン」(2011~2020年)では,今後の電力需要増を踏まえ,国内炭の活用と燃料費抑制の観点から,2030年には石炭火力が電源構成の51.6%を占めるよう,石炭火力を主流にする計画である。
    • イ 我が国の基本政策との関係
       2012年12月に策定された対ベトナム社会主義共和国・国別援助方針においては,「成長と競争力強化」を重点分野に掲げており,「エネルギーの安定供給及び省エネルギーの推進」に係る支援に重点的に取り組むとしている。火力発電所の建設を目的とする本計画は右方針に整合している。

    (2)効率性

     電力が逼迫しているベトナム北部において,同地域産出の石炭を燃料とする石炭火力発電所等を建設することにより,北部の電力需要に,より効率的に対応するものとなっている。

    (3)有効性

     本計画の実施により,事業完成時の2018年には,同国北部における最大電力需要(約15ギガワット)の約4%相当の電力を供給することが可能となる。それにより,首都ハノイを含む発展著しい北部地域への電力の安定供給を図り,もって国際競争力の強化を通じた成長と競争力強化に寄与する。また,ベトナムの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

    3 事前評価に用いた資料,有識者等の知見の活用

     要請書,「国際協力銀行環境社会配慮ガイドライン別ウィンドウで開く」,ベトナム国別評価,その他国際協力機構より提出された資料。
     案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(国別約束情報(年度別交換公文(E/N)データ)), 借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース別ウィンドウで開く及び事業事前評価表別ウィンドウで開くを参照。 なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。(了)