ODA(政府開発援助)

令和8年10月13日

評価年月日:令和8年6月18日
評価責任者:国別開発協力第三課長 松浦 直子

1 案件名

1-1 供与国名

 ベナン共和国(以下、「ベナン」という。)

1-2 案件名

 コトヌ市ベドコ交差点立体交差建設計画(フェーズ2)

1-3 目的・事業内容

 本計画は、コトヌ市内のベドコ交差点において、立体交差建設を行うことにより、同交差点及び市内幹線道路の交通渋滞の改善並びに歩行者と車両との接触事故の減少を図り、もってベナン及び西アフリカにおける物流の改善、連結性の向上及びインフラ整備を通じた経済成長の促進に寄与するもの。
 供与限度額は30.25億円。

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 本計画は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2022年1月版)上、大規模な道路には該当せず、環境への望ましくない影響のある可能性は低いと判断され、かつ、同ガイドラインに掲げる影響を及ぼしやすい特性及び影響を受けやすい地域に該当しないと判断されるためカテゴリはBである。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  1. ベナン(一人当たり国民総所得(GNI)1,430ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、後発開発途上国に分類されている。
  2. 同国は西アフリカのギニア湾沿岸に位置し、南北に細長く、国の東西はトーゴ及びナイジェリアに、北側はブルキナファソ及びニジェールに隣接している。これら周辺国とは東西国際回廊(アビジャン・ラゴス回廊)や南北国際回廊(コトヌ・ニアメ回廊)で結ばれている。こうした地理的条件を踏まえ、ベナン政府は2021年に「政府行動計画(2021-2026)」を閣議決定し、地理的利点を活かした経済構造改革推進のため、「輸送インフラ強化」を重要戦略に掲げている。また、JICAが策定を支援した「西アフリカ成長リング回廊整備戦略的マスタープラン」(2018年3月)においては、重要戦略の一つとして東西国際回廊輸送インフラの戦略的アップグレードが掲げられるとともに、優先事業の一つにコトヌ市内の交差点改良が挙げられている。
  3. 同国最大都市のコトヌ市は国土南端のギニア湾に面し、上記2本の国際回廊が交わる位置にあることに加え、西アフリカの主要港の一つであるコトヌ自治港を擁している。同港の貨物取扱量は年間967万トン(2024年、コトヌ自治港公社)であり、同国の経済成長や内陸部及び周辺国への貨物輸送等において重要な拠点である。市内の交通量も年々増加しつつあるが、特にベドコ交差点は、東西国際回廊と市中心部を東西に抜けるアーバン道路との分合流点となっている特性上、朝夕のラッシュ時には著しく交通が集中し、終日市内で最も渋滞が激しい交差点である。こうした状況は、円滑な物流及び交通の妨げ、ひいては歩行者と車両との接触事故の原因や経済活動の支障となっている。
  4. こうした状況下、我が国は、ベドコ交差点において、立体交差建設、平面交差部改良及び信号制御の改善を行う無償資金協力「コトヌ市ベドコ交差点立体交差建設計画」(2021年交換公文(E/N)署名・交換。以下、「フェーズ1」という。)を実施中であり、同事業は「政府行動計画(2021-2026)」でも目標達成の具体的方策と位置づけられる事業である。フェーズ1の協力準備調査では、特に交通量が多いことが確認できたベドコ交差点につながる東西南の3方面(東西国際回廊及びアーバン道路)の交通円滑化のため、東西方面(アーバン道路)の片側2車線化と高架化及び既存環状交差点(ラウンドアバウト)の信号交差点への改良が必要とされたところ、フェーズ1では2車線の高架橋建設(西→東方面)及び交差点の改良を実施している。交差点改良により期待される交通渋滞の解消及び歩行者と車両との接触事故の減少を実現させるためには、フェーズ1後に反対2車線の高架橋建設(東から西方面)を完了させ、交差点に流入する交通量を削減することが不可欠である。
  5. 「コトヌ市ベドコ交差点立体交差建設計画(フェーズ2)」(以下、「本計画」という。)は、同交差点の東から西に向かう車線を高架化及び2車線化することにより、東西方向における立体交差の双方化を図り、将来の渋滞状況の改善を目指すものである。本計画の早期実施により交通渋滞の改善に資することが期待され、上記「政府行動計画(2021-2026)」の目標達成に貢献する優先度の高い事業に位置付けられる。
  6. 我が国の対ベナン国別開発協力方針(2020年9月)では、「インフラ整備」を重点分野としており、また、我が国は「TICAD9横浜宣言」においても、効率的な輸送・物流インフラが果たす重要な役割を認識し、持続可能かつ強靱なインフラネットワークへの投資を加速することにコミットしており、本計画はこれらの方針と合致している。
  7. ベナン最大の商業都市であるコトヌは、西アフリカ主要港の一つであるコトヌ港を擁しており、域内の物流及び交通の要衝となっているところ、本計画は物流の改善を通じて同国の産業発展を支えるものであり、日本企業のビジネス促進、進出にとって重要な意義があるばかりか、二国間関係強化の観点からも、実施の外交的意義は極めて大きい。また、本計画は、同国の開発課題・開発政策及び我が国の協力方針に合致し、持続可能な開発目標(SDGs)ゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう)及びゴール13(気候変動に具体的な対策を)に貢献すると考えられることから、実施する必要性は高い。

2-2 効率性

 当初コンクリートを日本からプラント輸送することを検討していたが、単価や工期の比較を行い、より安価な現地業者からの購入に変更し、コスト縮減を図った。

2-3 有効性

 本計画の実施により、2022年実績値と事業完成3年後の2032年の目標値を比べて、以下のような成果が期待される。

  1. 1日当たりの旅客数が、686,000人から741,000人となる。
  2. 年間当たりの貨物量が、7,185,000トンから13,701,000トンとなる。
  3. ゴドメイインターチェンジからエトワルルージュ交差点までの約4キロの走行時間が17分から6分となる。
  4. 交差部飽和度が1.56から0.48となる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  1. ベナン政府からの要請書
  2. JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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