ODA(政府開発援助)

令和8年2月5日

評価年月日:令和7年11月5日
評価責任者:国別開発協力第三課長 東 邦彦

1 案件名

1-1 供与国名

 ブルキナファソ

1-2 案件名

 灌漑施設の持続可能な利用のためのワガドゥグ機材整備場整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は、ワガドゥグ機材整備場の改修、灌漑施設の整備・改修・維持管理用機材等を整備することにより、灌漑施設の持続可能な利用及び農業生産性の向上を図り、もってブルキナファソの農業開発に寄与するもの。
 供与限度額は14.05億円

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 本計画は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2022年1月制定)上、セクター特性、事業特性および地域特性に鑑みて、環境への望ましくない影響は重大でないと判断されるためカテゴリはBである。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ブルキナファソ(一人当たり国民総所得(GNI)850ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、後発開発途上国に分類されている。
  • (2)ブルキナファソの農業セクターはGDPの20%を占め、就労人口の70%以上が従事する基幹産業である。同国の貧困人口は30%に達し、その多くは農村地域に居住して農業を主な収入源としているため、食料安全保障や貧困削減の観点からも重要なセクターである。同国は、近年の治安悪化に伴い国内避難民が約200万人を超え、生活困窮者が急増しており、水や食料の奪い合いや職のない若者等の武装組織への傾倒が懸念され、食料の安定生産及び若年層の雇用創出や社会統合が喫緊の課題である。
  • (3)同国では小規模な灌漑農業及び不安定な降雨に依存した天水農業が中心であり、深刻化する水不足や気候変動に対して非常に脆弱である。同国政府は食糧危機や気候変動に対するレジリエンス強化のため、1970年代から灌漑区を整備してきたが、灌漑施設の老朽化や損傷が著しく、灌漑能力が低下している。農業省は、灌漑区の維持管理に用いる機材や、農家が保有する農機の修理を目的に、同国中心部のワガドゥグ、同じく西部のボボジュラッソの2か所に機材整備場を有している。しかし、機材の老朽化等でボボジュラッソ機材整備場しか稼働しておらず、灌漑区の維持管理に支障を来している。また、農業省における灌漑施設情報の集約が遅れ、実態に基づいた灌漑計画の策定及び計画的な改修が困難となっている。
  • (4)同国政府は、SDGsゴール1「貧困を無くそう」及びSDGsゴール2「飢餓をゼロに」を念頭に、国家開発計画「第二次国家経済社会開発計画(PNDESII)2021-2025」において基幹産業である農業振興に注力しており、灌漑及び水管理の強化を最重要視し、灌漑農業の割合を農業生産の25%(28,004ヘクタール相当)に高めるとしている。加えて、国家稲作振興計画(2021-2030)において、2030年までに年間米生産300万トン(45万トン、2020年)、自給率100%(44%、2020年)、新規雇用42万人の達成を目指している。
  • (5)我が国は、こうしたブルキナファソの取組を支援すべく、アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)イニシアティブ、農業政策アドバイザー派遣、技術協力プロジェクトを通じて、これまで灌漑施設の診断及び改修・維持管理計画の策定にかかる同国の能力強化を進めてきている。今般の「灌漑施設の持続可能な利用のためのワガドゥグ機材整備場整備計画」は、非稼働のワガドゥグ機材整備場の改修、灌漑施設の整備・改修・維持管理用機材等の整備により、灌漑施設の持続可能な利用及び農業生産性の向上を図るものであり、同国の開発計画に合致した優先度の高い事業として位置づけられる。
  • (6)我が国の対ブルキナファソ国別開発協力方針(2024年9月)では、食料安全保障や貧困削減に資する「農業開発」を重点分野としており、本件は、我が国が推進してきたCARDイニシアティブの目標にも貢献する。さらに、我が国は、2025年8月に行われたTICAD 9でも貧困・食料不安解消に向けた農業システムの強化や、アフリカの平和のための努力を重視し、これらに資する支援を引き続き行っていくこととしており、本計画はこうした我が国のコミットメントを具体化する観点からも重要である。

2-2 効率性

 ブルキナファソ政府と調達機材の優先順位について協議し、事業効果の発現に大きな影響を与えないと考えられる機材の削除・数量減や、機材洗浄用の水源確保のための井戸掘削は先方負担とすることなどについて合意し、コスト縮減を図った。

2-3 有効性

  • 本計画の実施により、2025年実績値と事業完成3年後の2027年の目標値を比べて、以下のような成果が期待される。
  • (1)年間当たりの調達機材により新規整備された灌漑地区面積が、0ヘクタールから600ヘクタールとなる。
  • (2)年間当たりの調達機材により簡易修繕された灌漑地区面積が、0ヘクタールから400ヘクタールとなる。
  • (3)年間当たりの調達機材による調査を踏まえた灌漑地区の開発計画立案件数が、0件から12件となる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ブルキナファソ政府からの要請書
  • (2)JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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