ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成28年1月21日

評価年月日:平成28年1月13日
評価責任者:国別開発協力第一課長 原 圭一

1 案件概要

(1)供与国名

ベトナム社会主義共和国

(2)案件名

南北高速道路建設計画(ダナン-クアンガイ間)(第三期)

(3)目的・事業内容

 ベトナム南北高速道路網のうち,優先路線であるダナン-クアンガイ間の高速道路(全長約131.5キロメートル)の整備を行うことにより,ベトナム中部地域の物流・生産拠点であるダナン市周辺において増加する交通需要への対応,物流の効率化及び交通渋滞の緩和を図り,もってダナン市及びベトナム中部地域の経済成長促進・国際競争力強化に寄与するもの。

  • ア 主要事業内容
    • 土木工事(高速道路規格の道路建設)
    • 維持管理(O&M)関連施設に係る詳細設計,建設及び据付
    • コンサルティングサービス
  • イ 供与条件
    供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
    300.00億円 年1.4% 30(10)年 一般アンタイド

    (注)コンサルタント部分は金利0.01%を適用。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • ア 環境影響評価(EIA):本計画は,「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」(2002年4月制定)に掲げる道路・橋梁セクター,及び影響を及ぼしやすい特性に該当するため,カテゴリAに該当する。また,本計画に係る環境影響評価(EIA)報告書は2008年11月にベトナム天然資源環境省により承認済み。
  • イ 用地取得及び住民移転:約527haの用地取得及び1,239世帯の住民移転を伴い,同国国内法に沿った用地取得及び住民移転計画に沿った住民移転が実施されている。
  • ウ 外部要因リスク:特になし。

2 資金協力案件の評価

(1)必要性

  • ア 開発ニーズ
     始点となるダナン市は中部最大の都市で,同国第3の港湾であるティエンサ港周辺には輸出加工特区等の物流・生産拠点が多く立地している。特に,ダナン市に隣接するクアンナム省では,同国初の石油精製所となるズンクワット製油所が建設され,同製油所で精製される石油は,本計画対象区間を通って輸送されることが期待されている。さらに,ダナン市は,ラオス,タイを通りミャンマーまで続く東西経済回廊の東の物流拠点であり,本計画は同国及びメコン地域の東西南北を結ぶ国際物流の主要区間として,中部地域の経済振興・国土の均一の取れた発展という点でも重要な意味を持つことから,本計画の対象区間における高速道路建設の必要性は高い。
  • イ 我が国の基本政策との関係
     2012年12月に策定された対ベトナム国別援助方針においては,「成長と競争力強化」を重点分野に掲げており,「経済成長に伴い増大している経済インフラ需要に対応するため,幹線交通及び都市交通網の整備」に係る支援に重点的に取り組むとしている。幹線交通の整備を目的とする本計画は右方針に整合している。

(2)効率性

 国際協力機構による既往の高速道路事業の事後評価は,事業効果発現のためには,個別の高速道路の断片的な建設ではなく,国家高速道路計画に基づく支援が重要であり,事業完成後の持続性確保の観点からも,計画初期段階から維持管理費等を含む維持管理体制の策定・構築,及び料金徴収計画の慎重な検討が必要であるとしている。これらを踏まえ,本計画については,高速道路マスタープランの優先区間を対象としている他,維持管理体制の構築及び料金徴収計画策定について,技術協力と連携することにより,本計画の効率性を確保する。

(3)有効性

 本計画の実施により,当該区間の所要時間の短縮(230分(基準値(2009年実績値))から90分(完成2年後・2020年))が見込まれており,これにより旅客・貨物輸送の効率化及び交通渋滞の緩和を図り,及びベトナム中部地域の経済成長促進・国際競争の強化に寄与する。

3 事前評価に用いた資料,有識者等の知見の活用

 要請書,国際協力銀行環境社会配慮ガイドライン別ウィンドウで開く,ベトナム都市交通セクターへの支援の評価,その他国際協力機構より提出された資料。

 案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(国別約束情報(年度別交換公文(E/N)データ)),借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース別ウィンドウで開く及び事業事前評価表別ウィンドウで開くを参照。

 なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。