ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年11月26日

評価年月日:平成27年10月23日
評価責任者:国別開発協力第三課長 今福 孝男

1 案件名

1-1 供与国名

コンゴ民主共和国

1-2 案件名

カタンガ州ルブンバシ市国立職業訓練校整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,コンゴ民主共和国カタンガ州ルブンバシ市国立職業訓練校において施設及び機材を拡充することにより,同校の機能強化を図り,もって同地域の産業人材育成に寄与するもの。供与限度額32.50億円。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 本計画実施に際し,以下の事項が担保される必要がある。

  • (1)治安情勢が本事業の実施に支障を来すほど悪化しない。
  • (2)2016年に予定されている大統領選挙において大きな混乱が発生しない。
  • (3)コンゴ民主共和国政府の政策において,国立職業訓練校の位置付けが大幅に変更されない。
  • (4)同国政府の負担事項(調達機材を据付ける既存校舎の改修,本計画敷地内の障害物の撤去,・整地,電気・上下水道・ガス等の接続工事等)が確実に実施される。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)コンゴ民主共和国では,若者の失業率が約30%と推定されており,全人口の失業率よりも極めて高い水準にある。特に,同国東部地域においては長年の紛争により大量の避難民や除隊兵士が発生しており,経済発展のみならず,治安の改善及び経済発展を促す観点からも,職業訓練の実施が喫緊の課題となっている。
  • (2)同国政府は,第二次貧困削減戦略文書(DSRP2)(2011~2015年)の中で,4つの重点課題の1つとして「経済の多角化,成長の加速,雇用の促進」を掲げており,雇用促進対策の一つとして職業訓練の充実に取り組んでいる。
  • (3)同国カタンガ州は,コバルト等の資源を擁し,国内第一の経済圏として同国経済の推進力となっている。他方で,同州のルブンバシ市国立職業訓練校は,地域の産業人材育成において重要な責務を担っているが,施設・機材の老朽化や収容規模の限界により,地域産業界の訓練ニーズに即した職業訓練の提供が困難となっており,非効率的な体制での訓練実施を余儀なくされている。また,座学教室の不足等から,女性からの訓練希望が多い情報処理法等の学科でも十分な訓練を実施できておらず,施設の整備が急務となっている。

2-2 効率性

 現地の産業界のニーズ調査を実施し,鉱業を背景とした制御システムの生産向上技術,自動化によるライン管理,重機メンテナンス技術等への需要が高いことを把握した上で,全体として必要かつ適正な事業規模の絞り込みを行った。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)新施設の建設によりルブンバシ市国立職業訓練校全体の訓練機能の適切な配置(座学教室と騒音・振動発生源を離す配置等)が可能となり,効果的な職業訓練環境が整備される。
  • (2)職業訓練におけるクラス定員(30名),コース定員の概念に則った適正規模の職業訓練の実施が可能となり,質の高い人材育成が可能となる(事業完成3年後の2021年には訓練参加者数は年間2,822名(本計画実施前の2013年実績値から約30%増加)となる見込み。)。
  • (3)訓練機材の整備により,訓練内容の充実と地域の産業ニーズに合致した人材輩出が可能となる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)コンゴ民主共和国政府からの要請書
  • (2)JICAの協力準備調査報告書