ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年9月18日

評価年月日:平成27年9月7日
評価責任者:国別開発協力第1課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

ミャンマー連邦共和国

1-2 案件名

第二次中央乾燥地村落給水計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,ミャンマーの中央に位置する中央乾燥地(マンダレー地域,マグウェイ地域及びザガイン地域)において,新規に水源開発が必要な深井戸建設に関する資機材等を供与し通年利用可能な水の確保を図ることにより,同地域住民の生活向上に寄与することを目的とするもの。供与限度額は,12億4,200万円であり,トラック搭載型掘削機及び付属品,エアーコンプレッサー,トラック,孔内検層器,水中ポンプ及び揚水試験装置等の供与を行う。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がミャンマー政府により実施される必要がある。

  • (1)維持管理・運行のための予算及び人員の確保
  • (2)諸事務手続,免税措置の実施及び各種手数料の負担

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ミャンマーの中央に位置する中央乾燥地(マンダレー地域,マグウェイ地域及びザガイン地域)では,ミャンマー総人口の約30%(1,538万人:2014年ミャンマー国勢調査)が生活を営んでいる。同地域の降雨量は年間400~880ミリメートルと少なく,5月~10月の雨期に不均等に集中しており,ミャンマーの中で最も暑く乾燥した地域である。生活用水はため池や地下水に依存しているが,小さなため池や浅井戸は乾期になると水源の枯渇・水質悪化により使用できないことが多く,女性や子供が村から数キロメートル以上離れた水源まで往復して水汲みを行わなければならない等,安全な水の安定的な確保が困難である。
  • (2)ミャンマー政府は,中央乾燥地において安全な水供給を促進するため,「村落給水整備10か年計画」(2000~2010年),「村落給水整備5か年計画」(2011~2016年)に基づき水源開発を実施しており,2015年3月時点で,中央乾燥地にある全16,341村落のうち14,630村落については,各村落に,安全で安定的な生活用水を供給できる給水施設が少なくとも1箇所設置されている。一方,残る1,711村落(うち半数以上において深井戸による給水が必要)に対する水源開発が喫緊の課題となっており,加えて,既に給水施設が設置されている村落においても,既存の給水施設では十分な水供給量が確保できない村落もある等,新たな水源開発を行う必要がある。
  • (3)村落給水を担当する畜水産・地方開発省地方開発局は,これまで我が国が1980年代に供与した3台の掘削機を活用し中央乾燥地の地下水開発(深井戸建設)を行ってきた。しかし,中央乾燥地は地下の浅い部分に不透水層や難透水層となる泥層や泥岩層が発達していないため地下水位が深く,200m以上の井戸深度が必要となる村落が多数存在するものの,畜水産・地方開発省地方開発局(DRD)の所有する掘削機では深井戸の掘削が困難であった。また,機材の故障や老朽化により掘削効率が低下していた。これに対して,我が国は2012年に無償資金協力「中央乾燥地村落給水計画」を実施し,2台の井戸掘削機(掘削深度300m級)及び給水ニーズの高い87村落を対象とした井戸建設のための資機材の調達を支援したが,中央乾燥地における新たな水源開発の必要性は依然として高く,村落給水施設整備に必要な資機材整備が喫緊の課題となっている。

2-2 効率性

  • (1)維持管理に係る支援:
     本計画においては,地下水情報を正確に把握の上,井戸工事を実施できるよう孔内検層器及び揚水試験装置を調達予定であり,DRDがこれらの機材の運転維持管理を確実に行えるようソフトコンポーネントにより技術指導を併せて行う。
  • (2)他ドナー事業との整合性の確保:
     ユニセフ,国際連合人間住居計画(UN-HABITAT),世界銀行,認定NPO法人ブリッジエーシアジャパン等が村落給水分野において活動実績があり,本計画においてもこれらの事業との整合性を確保する。

2-3 有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。
 2020年までに対象地域において新たに110本の井戸が掘削される。
 これにより,(ア)対象地域住民の水汲み時間と労働が軽減される,また,(イ)対象地域において安全な水の利用が可能となる人口が増加する。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ミャンマー連邦共和国政府からの要請書
  • (2)JICAの事業化調査報告書(JICAを通じて入手可能)