ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年9月18日

評価年月日:平成27年9月7日
評価責任者:国別開発協力第1課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

ミャンマー連邦共和国

1-2 案件名

カチン州及びチン州道路建設機材整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,開発が遅れているカチン州及びチン州において,道路建設機材を供与することにより,道路整備の促進を図り,両州における社会経済の活性化及び住民生活の向上に寄与することを目的とするもの。供与限度額は,27億4,000万円であり,道路建設用機材(ブルドーザ,エクスカベータ,ダンプトラック,移動式ワークショップ,試験機材等)及び中央訓練センター訓練用教材等の供与を行う。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がミャンマー政府により実施される必要がある。

  • (1)維持管理・運行のための予算及び人員の確保
  • (2)諸事務手続,免税措置の実施及び各種手数料の負担
  • (3)対象道路整備事業費
  • (4)建設機材,スペアパーツ等の保管場所の確保等

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ミャンマー道路総延長(約159,000km)の内,舗装道路(アスファルト舗装又はコンクリート舗装)は全体の約23%(約37,000km)にとどまっている。そのような状況の下,ミャンマー政府は,2001年から2030年までを実施期間とした「30年道路整備計画」を策定し,整備目標を達成するために全国の道路整備事業を進めている。本計画を主導する建設省は,「国家の発展は道路と橋梁の整備に直接依存する」とした上で,既存道路の改修,新規道路の建設,国際幹線道路の整備推進を基本目標としており,目標年次までの計画に従い同省道路局が中心的な役割を果たしている。
  • (2)本計画は,こうした上位目標の達成に貢献するため,ミャンマーの中でも特に開発が遅れているカチン州(8.9万km2,129万人)及びチン州(3.6万km2,48万人)において道路建設機材を整備し,辺境地域の主要道路整備の促進を図ることにより,対象地域の社会経済の活性化及び住民生活の向上に貢献することが期待される。

2-2 効率性

  • (1)実施機関の技術水準の向上:
     本計画においては,対象道路整備において各種試験・品質管理を所掌する道路試験研究所及び橋梁試験研究所,機材オペレーター養成機関である機械訓練センター,土木技術者及び技能工等の育成機関である中央訓練センターに対しても,試験機材及び訓練機材等を供与することにより,効率的かつ高品質な対象道路整備の実現を促進し,実施機関である道路局の機材及び道路・橋梁担当部署の技術水準の向上を狙う。
  • (2)維持管理能力の向上の確保:
     供与機材が十分に整備され適切に利活用されるよう,ソフトコンポーネントにてスペアパーツも含めた機材管理に係る技術協力支援を行うとともに,データベースソフトを利用した機材台帳等の活用状況のモニタリングを行う。

2-3 有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)本計画による道路機材の供与により,2020年にはカチン州では141km,チン州では109kmの道路が整備される。
  • (2)本計画による道路機材の供与により整備される道路について,車両走行の平均速度の向上が図られる(カチン州:32km/h(2014年)→60km/h(2020年),チン州:28km/h(2014年)→40km/h(2020年)。
  • (3)本計画により整備された道路の沿道住民にとり,教育や保健医療等の公共サービスの利用が容易になる。
  • (4)本計画による道路整備により,物流の改善と産業の活性化が期待される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ミャンマー連邦共和国政府からの要請書
  • (2)JICAの事業化調査報告書(JICAを通じて入手可能)