ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年8月19日

評価年月日:平成27年5月19日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1 案件名

1-1 供与国名

トーゴ共和国

1-2 案件名

カラ橋及びクモング橋建設計画

1-3 目的・事業内容

 本事業は,国道17号線上の2橋梁及び周辺アクセス道路を整備することにより,右道路の輸送能力の向上を図り,もって同国及び周辺国における円滑で,安定的な国際物流網の整備及び基礎的社会サービスへのアクセス向上に寄与する。供与限度額は31.25億円である。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)環境社会配慮カテゴリ-分類はBであり,「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」に掲げる道路・橋梁セクターに該当せず,かつ,影響を及ぼしやすい特性,地域に該当しない。
  • (2)トーゴ政府が準備工事や必要機材の調達に関する付加価値税等の各種租税の免除等や,未舗装区間の整備等を確実に実施することが事業効果発現の前提条件である。
  • (3)大きく治安情勢が悪化しないこと,両河川の河道が大きく変更しないこと等が本事業全体計画達成の外部条件となる。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)1993年以降の政治的混乱により,近年はインフラ整備に係る投資やメンテナンスが停滞してきた。また,2007年及び2008年の洪水被害により,道路インフラが多大な被害を受け,いくつかの橋梁が崩壊した。現在も雨期には道路舗装が泥濘化しており,交通を阻害する要因となっている。そのため,港湾で取り扱われた貨物を国内及び域内周辺国に安全に輸送する道路整備が急務である。
  • (2)ニャシンベ大統領は「港湾立国」の実現を目指し,トーゴ回廊を基軸とした国家開発を進めている。第二次貧困削減文書(経済成長加速化と雇用促進のための戦略:SCAPE 2013-2017)にも経済インフラ整備が明記されている中,同国公共事業・運輸省は2012年から大規模道路インフラ優先投資計画に係る調査を進めている。右計画の下,同国政府は同回廊の整備,並びに国道及び地方農村部の道路ネットワークの整備を優先ニーズとして掲げている。
  • (3)西アフリカ経済通貨同盟は,「インフラ及び道路セクターに係る域内行動計画」で同国回廊を優先的に整備すべき第6回廊として位置付けている。トーゴ国内及び周辺地域発展に係るトーゴ回廊の重要性の高さから,アフリカ開発銀行,西アフリカ開発銀行,イスラム開発銀行,西アフリカ経済通貨同盟や同国政府資金等により国道1号線と国道17号線の整備改修及びロメ港の拡張を実施している。
  • (4)我が国は,開発計画調査型技術協力「トーゴロジスティクス回廊開発・整備計画策定調査」(2012-13)において,トーゴ回廊全体の分析を行うとともに,同回廊の効率的・効果的な開発のためのマスタープランを策定した。本計画は,同調査において最優先で取り組むべき計画の一つとして提言されているものであり,TICAD V横浜行動計画で示された「成長回廊整備」にも資するものである。

2-2 効率性

  • (1)2012-2013年実施の開発計画調査型技術協力「トーゴロジステック回廊開発・整備計画策定調査」の調査結果を基に実施する。
  • (2)カラ橋架橋予定地点に現存する沈下橋を工事用道路として活用することで,カラ橋施工時に新たな仮橋を設置する必要がなくなり,コスト縮減につながった。また,施工箇所周辺には,アスファルトプラントの調達が困難であり,二橋梁建設のためだけにアスファルトプラントを調達することはコスト上昇の大きな要因となるため,舗装にセメント・コンクリート舗装を採用することでコスト縮減を図った。
  • (3)桁製作機材を対象二橋梁の建設において兼用することとし,クモング橋の橋台基礎部分は支持地盤層が深く,直接基礎では掘削量が多くなることから,杭基礎を活用することでコスト縮減を図った。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)ダンクペン県カチャンバからオチ県の県庁所在地サンサネ・マンゴまでの所要時間が,現状(2014年実績値)では乾期200分及び雨期290分のところ,本計画完成後(目標値:2021年(事業実施3年後)には両期とも60分と大幅に短縮されると同時に,交通量の増加が期待できる。
  • (2)他ドナーの支援との相乗効果により,雨期には通行不可であった道路が通年通行可能となり,孤立していた地域の住民に対する行政サービスの普及が促進される。
  • (3)他援助機関により実施中の国道17号線改良工事がなされることで,周辺住民のみならず南部ロメから北部サンカンセまでを繋ぐ国際回廊の整備がなされ,橋梁周辺住民への裨益のみならず,TICAD V横浜行動計画で示された「成長回廊整備」にも寄与することが期待される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等


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