ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年6月15日

評価年月日:平成27年4月16日
評価責任者:国別開発協力第1課長 宮下 匡之

1.案件名

(1)供与国名

トンガ王国

(2)案件名

国内輸送船用埠頭改善計画

(3)目的・事業内容

 本計画は,トンガタプ島ヌクアロファ港に大型国内輸送船用の埠頭を整備することにより,国内輸送及び荷役作業の効率化を図り,もってトンガの持続的経済発展の達成と国民の生活水準の向上に寄与することを目的としている。供与限度額は33億2,000万円である。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がトンガ政府により実施される必要がある。
 事業開始前の建設予定地の整地の他,保守担当の職員が十分な技術を有することや,適切な運営管理と定期的な整備点検のための予算的措置を毎年講じること等,本事業実施後の埠頭設備等の適正な運営維持管理体制を確立すること。

2.無償資金協力の必要性

(1)必要性

  • (ア)トンガタプ島ヌクアロファ港は,主に国際貨物船や大型国内輸送船が使用するクイーン・サロテ埠頭,国際旅客船が使用するブナ埠頭,小型国内輸送船が使用するファウア埠頭から構成されており,国内輸送船は船体の大きさによって異なる埠頭を使用している。
  • (イ)このような状況のもと,トンガにおける島嶼間輸送の中心的役割を担っている国内輸送船オトワンガ・オファ号(我が国2008年度無償資金協力にて供与)等の大型船舶はクイーン・サロテ埠頭に接岸し,そのコンテナヤードにて乗客の乗降を行っているため,安全性が危惧されている。また,国際貨物と国内貨物の異なる荷役手続きが同一ヤード内で行われているため荷役効率は悪い。今後取扱貨物量の増加が予想される中,荷役効率の向上や旅客の安全性確保を含む機能的な港湾運営が急務の課題となっている。
  • (ウ)トンガ政府は,貨物と貨客,国際線と国内線を明確に分けることにより,本来の港湾機能を回復し,安全性の確保及び国内輸送,荷役作業の効率化を行う計画を策定した。これを実現させるために,オトワンガ・オファ号等の大型船舶を接岸できるようファウア埠頭を整備し,旅客用ターミナルや乗降ランプ等も併せ設置することが早急に必要となっている。なお,債務持続性等の観点から,円借款での実施は難しい。

(2)効率性

  • (ア)本計画で建設する岸壁については,現地調査を踏まえ検討した結果,現地での施工実績が多く,経済性及び施工性に優れた「控え矢板式」を最適構造として採用する。防波堤についても,土質条件,施工性,経済性,資材の現地調達や維持管理の容易さ等を総合的に判断し,既存ファウア埠頭の防波堤と同じ「捨石式傾斜堤」を採用する。
  • (イ)施工方法は,トンガでの実績を考慮し,現地において汎用性のある工法を採用する。建設資機材は,現地調達可能なものを優先的に使用し,工費削減のため国外からの輸送品を極力減らすように配慮する。施工機械も現地調査の結果を踏まえ,国外からの調達はできるだけ最小限とするよう,大型重機を使用しない施工方法を検討する。

(3)有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (ア)トンガの主要港であるヌクアロファ港の機能が改善する。
  • (イ)ファウア埠頭に,オトワンガ・オファ号を含む,1,500トン級船舶が安全に着岸できる回数が,年間0回(基準値:2014年実績値)から45回(目標値:2020年(事業完成3年後))に改善される。
  • (ウ)ファウア埠頭における離着岸時の所要時間が短縮される。
  • (エ)トンガは国際場裏で我が国の立場を支持する大洋州地域における重要なパートナーである。また,我が国は2012年5月の第6回太平洋・島サミットにおいて,「東日本大震災の経験を踏まえた防災協力」,「環境・気候変動」,「持続可能な開発と人間の安全保障」,「人的交流」,「海洋問題」の5つの柱を中心に支援を実施していくことを表明しており,本件支援は同支援策の一環として,同国との二国間関係の維持・発展に寄与することが期待される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)トンガ政府からの要請書
  • (2)JICAの準備調査報告書