ODA(政府開発援助)

2020(令和2年)年9月11日発行
令和2年9月11日

ジンバブエの病院に、日本製のデジタル式レントゲン機材を整備
万人がアクセスできる医療サービスを目指して

(画像1)ジンバブエ共和国

在ジンバブエ日本国大使館 経済協力班

(写真1)チコンベジ・ミッション病院外観 チコンベジ・ミッション病院外観
(写真提供:特別非営利団体ソリダールメド・ジンバブエ)

 南部アフリカに位置するジンバブエでは、通貨価値の急激な変動による所得減少、度重なる干ばつ被害、電力不足などにより、国民の生活は厳しさを増しています。国の財政が不安定であり、基礎インフラ整備のための予算が不足しているため、特に農村地域では病院の整備が不十分であるとともに、経済的理由から必要な医療を受けられない人々が大勢います。

 チコンベジ・ミッション病院は、ジンバブエ南東部のマシンゴ州チレジ郡に所在する病院で、地域住民71,000人の医療を担っています。また、南アフリカとモザンビークの国境までそれぞれ約50キロメートルの距離に位置している特性から、モザンビークからの移民および出稼ぎで南アフリカにいるジンバブエ人労働者も、この病院に来院しています。

(写真2)最新の日本製デジタル式レントゲン機材 供与された最新の日本製デジタル式レントゲン機材
(写真3)レントゲン撮影を行う技師と患者 レントゲン撮影を行う技師と患者
(写真提供:特別非営利団体ソリダールメド・ジンバブエ)

 同病院では、毎年およそ400名の患者が結核などの診断のためにレントゲン撮影を必要としていますが、6年前にレントゲン機材が故障してからは、同病院から約120キロメートル離れた病院まで出向かなければなりませんでした。悪路での長距離移動は、患者の身体的負担が大きく、診断の遅れが深刻な事態を招くこともあります。また、経済的理由から、多くの患者がレントゲン撮影のための費用や旅費を工面することが困難であり、レントゲン撮影を行わないまま診断を受けざるをえない状況でした。

 そこで、日本政府は、平成30年度の草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、日本製デジタル式レントゲン機材の整備を実施しました。これにより、患者の身体的、経済的負担が軽減され、多くの患者がレントゲン撮影を受けられるようになりました。

(写真4)日本製レントゲン機材を視察する医療関係者たちの様子 真新しい日本製レントゲン機材を視察する医療関係者たち
(写真5)病院関係者と岩﨑大使(左) 2019年11月には、病院関係者と岩藤大使(左)が参加して引渡し式が行われた

 また、最新の日本製デジタル式レントゲン機材による質の良い画像は、医師による正確な診断を可能にし、画像をデジタルデータ化することで管理がしやすくなり、多くの医療機関でデータの共有が可能になります。さらに、デジタルレントゲンは、高価な現像液や定着液などの薬品が不要であることから医療コストが削減され、機材の持続的な使用を可能にします。

 今年3月には、同州ビキタ郡の病院に同様のデジタル式レントゲン機材を供与するプロジェクトの実施が決定しました。この新たな取組が完了すれば、日本製デジタル式レントゲン機材を活用し、基本的な医療サービスを享受できる人が更に増加します。基礎インフラが脆弱なジンバブエにおいて、より多くの人々が医療にアクセスできるよう、在ジンバブエ日本大使館は、日本の最新技術を活用した支援を引き続き行っていきます。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための国際協力

(写真7)ザンビア財務省で行われた署名式の様子
(写真8)ザンビアの財務大臣(右)と在ザンビア日本国大使(左)

 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとって大きな脅威であり、国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。そのため、日本がODAを通じて、途上国の感染防止対策および保健・医療体制強化のために行っている支援例を紹介します。

ザンビア共和国に対する医療機材の供与

 ザンビア共和国では、主要疾患であるマラリアやHIVなどの感染症と共存できる社会の構築が目標とされていますが、国内の医療システムが十分ではありません。そんな中、今回の新型コロナウイルス対策も加わり、厳しい現場で医療に従事している人々は大きなプレッシャーにさらされています。

 そこで日本は、ザンビア共和国に対して保健・医療関連機材の供与に関する無償資金協力を行うこととしました。この支援によって、可搬式超音波画像診断装置、移動式X線撮影装置等の機材が整備されることになり、感染症対策の最先端で懸命に働く人々の負担軽減に役立ち、新型コロナウイルス対策としてのみならず、ザンビア共和国の保健サービスを長期的に支えることも期待されています。

 ザンビア財務省で行われた署名式の様子。署名・交換後の公文を掲げる、ザンビアの財務大臣と在ザンビア日本国大使

ミャンマー連邦共和国への円借款

 ミャンマー連邦共和国では、新型コロナウイルス感染拡大の対策によって経済状況が悪化しており、社会・経済の回復が課題となっています。そこで日本はミャンマー政府の新型コロナウイルス感染症にかかる経済対策を支援するため、円借款を行うこととしました。

ケニア共和国への円借款

 ケニア共和国では、すべての人が負担可能な費用で基礎的な保健医療サービスが受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成を目指しています。日本はケニア共和国におけるUHCの達成を支援するため、円借款の供与を決定しました。

感染症対策および保健・医療体制整備のための支援例
国名をクリックすると支援の内容を詳しく知ることができます。
国名 供与内容 金額 ODAタイプ 署名日付
ザンビア共和国 可搬型超音波画像診断装置、移動式X線撮影装置等 2億円 無償資金協力 8月20日
ミャンマー連邦共和国 新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款 限度額300億円
(償還期間40年)
円借款 8月24日
ケニア共和国 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成のための保健セクター政策借款 限度額80億円
(償還期間30年)
円借款 8月27日

8月14日~8月27日署名分。日付は日本時間

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