ODA(政府開発援助)

ODAメールマガジン第369号

2018年3月14日発行

平成30年3月16日

ODAメールマガジン第369号は,ホンジュラス共和国からシリーズ「質の高いインフラ支援」第7弾として「地震でも落ちない日本の橋」を,バヌアツ共和国から同シリーズ第8弾として「バヌアツの物流を支える国際埠頭」を,国際協力局政策課から「【イベント報告】「ワン・ワールド・フェスティバル」に参加しました!」を,また,大臣官房ODA評価室から「第15回ODA評価ワークショップの開催」をお届けします。なお,肩書は全て当時のものです。

  • (画像1)ホンジュラス共和国,バヌアツ共和国

地震でも落ちない日本の橋

原稿執筆:在ホンジュラス日本国大使館 金井 優子 二等書記官

ホンジュラスは中米に位置し,北はカリブ海,南は太平洋に面する人口約910万人の国です。一人あたりのGDPは約2,400米ドル,農業国であるホンジュラスの主要輸出産品はコーヒー(GDPの約10%)です。

ホンジュラスには,ユネスコの世界文化遺産に登録されているマヤ文明のコパン遺跡,ダイビングスポットとして有名なカリブ海に浮かぶロアタン島等の観光地がありますが,残念ながら日本での知名度は高くありません。1935年,日本とホンジュラスは外交関係を樹立し,日本は,ホンジュラスの発展を目的に継続した協力を行っています。そのため,ホンジュラスの人々は親日的で,日本の協力に大変感謝しています。

1998年,ホンジュラスを襲ったハリケーン・ミッチは,死者・行方不明者約2万人,被害総額が国民総生産の約4割に上るという未だかつてない損害をもたらしました。日本は,緊急物資援助等のほか,初めて自衛隊による国際緊急援助隊を派遣しました。

  • (写真1)ハリケーン・ミッチ直後のテグシガルパ市内の状況
    ハリケーン・ミッチ直後のテグシガルパ市内の状況

また,ハリケーンの災害復興を目的に,無償資金協力を通じて被害を受けた数々の橋の架け替えや上水道の復旧整備を支援しました。その一環で,2003年にデモクラシア橋が建設されました。

デモクラシア橋はホンジュラス第2の都市であるサンペドロスーラ市と,北部の主要都市であるエル・プログレソ市や北部沿岸地域を結ぶ物流の重要地点にあり,ホンジュラスの経済にとって大変重要な橋です。また,ホンジュラスで唯一の耐震装置を備えた橋で,ホンジュラスの人々から大変感謝されました。

  • (写真2)ハリケーンの災害復興支援として日本が建設した橋がデザインされた切手
    ハリケーンの災害復興支援として
    日本が建設した橋がデザインされた切手

ハリケーン・ミッチから約10年後の2009年,今度はホンジュラス北部のカリブ海沖でマグニチュード7.3の地震が発生しました。日本の協力で建設されたデモクラシア橋は落橋しませんでしたが,横にあった旧橋がその地震により落橋し,多くのホンジュラスの人々が日本の質の高い橋の建設技術を身をもって体験することとなりました。

  • (写真3)日本が建設したデモクラシア橋(左)と2009年の地震で落橋した旧橋(右)の写真
    日本が建設したデモクラシア橋(左)と
    2009年の地震で落橋した旧橋(右)の写真
  • (写真4)橋は当地主要紙にも掲載された
    橋は当地主要紙にも掲載された

また,1998年,ハリケーン・ミッチの直前に,日本の協力で,ホンジュラス南部にチョルテカ橋が建設されました。ハリケーンにより,洪水で河川幅が拡大したために,チョルテカ橋の両側の接続道路が流されてしましたが,橋は流されず残りました。ハリケーンや地震によって,日本が建設した橋の質の高さは現地の人々に広く知られることになりました。今後,大きな被害をもたらす自然災害がホンジュラスに来ないことを祈るばかりです。

  • (写真5)ハリケーン・ミッチで流されずに残ったチョルテカ橋
    ハリケーン・ミッチで流されずに残ったチョルテカ橋

バヌアツの物流を支える国際埠頭

原稿執筆:在フィジー日本国大使館 大平 弘太郎 二等書記官

バヌアツは南太平洋の西寄りに位置し,83の島からなる独立国です。西にオーストラリア,北にソロモン諸島,東にフィジー,南にニューカレドニア及びニュージーランドといった国々に囲まれています。

今年の初めにテレビのバラエティ番組がバヌアツを取り上げていたので,ご覧になった方もいるかもしれません。「バヌアツってどんな国?」という方は,是非外務省ホームページのバヌアツ共和国基礎データをご参照ください。

日本はこれまで港湾,道路,電力及び医療施設の整備等の支援を行ってきており,この度,対バヌアツ初の有償資金協力事業である「ポートビラ港ラペタシ国際多目的埠頭整備事業」が完了し,2018年2月23日にバヌアツ政府への引渡式を実施しました。

本事業は,同国首都にあるポートビラ港に新たな国際貨物船専用埠頭を建設し,急増している輸入を中心とした国際貨物への対応を強化し,貨物の滞留の緩和及び物流の改善を図ることを目的として実施しました。本事業により,スムーズな物流が実現し,バヌアツの持続的な経済成長に大きく貢献します。

  • (写真6)整備前の埠頭の様子【写真提供:東亜建設工業】
    整備前の埠頭の様子
    【写真提供:東亜建設工業】
  • (写真7)整備後の埠頭の様子【写真提供:東亜建設工業】
    整備後の埠頭の様子
    【写真提供:東亜建設工業】

引渡式におけるサルワイ首相のスピーチでは,「『ポートビラ港ラペタシ国際多目的埠頭整備事業』はバヌアツで初めての円借款であり,歴史的な事業であったと言える。このような最先端施設は今までバヌアツにはなく,日本政府及び日本国民に心より感謝する。日本政府の開発協力支援によりバヌアツは今後益々成長する」と強調され,バヌアツ政府及び国民の本事業への期待の高さがうかがえました。

  • (写真8)引渡式の様子在バヌアツ日本国大使館三好臨時代理大使(左)とバヌアツ共和国サルワイ首相(右)
    引渡式の様子
    在バヌアツ日本国大使館
    三好臨時代理大使(左)と
    バヌアツ共和国サルワイ首相(右)
  • (写真9)スピーチをする三好臨時代理大使
    スピーチをする三好臨時代理大使
  • (写真10)埠頭完成後に最初に寄港した貨物船【写真提供:The Vanuatu Independent】
    埠頭完成後に最初に寄港した貨物船
    【写真提供:The Vanuatu Independent】

本事業で特筆すべきは,日本ならではの強みが十分に生かされた支援であったことです。埠頭自体の質の高さはもちろん,多様な関係者と緊密に連携しつつ,設計変更も含めバヌアツ側からの細かなニーズを丁寧に聞き取りながら事業に反映したこと,技術協力(研修による港湾の戦略的運営能力の向上等)も活用し,開発効果が増大されるように建設中及び建設後にサポート・フォローアップを行ったこと,これらが組み合わさり,ラペタシ国際多目的埠頭は「質の高いインフラ」となったのです。

最後になりましたが,本年1月からバヌアツに日本国大使館別ウィンドウで開くが設置されました。今後ますます二国間関係が進展し,ひいては,日本の国益に資することが期待されます。

【イベント報告】「ワン・ワールド・フェスティバル」に参加しました!

原稿執筆:国際協力局政策課

2018年2月3日(土曜日),4日(日曜日),大阪市内の北区民センター等三会場にて「ワン・ワールド・フェスティバル」(主催:ワン・ワールド・フェスティバル実行委員会,協力:外務省)が開催されました。

25回目を迎えた今回のワン・ワールド・フェスティバルには,2日間で約25,000人にお越しいただき,大盛況のうちに終了することができました。本フェスティバルには,国際協力に関わる約100団体(NPO/NGO,教育機関,国際機関,政府機関,企業等)がブースを出展し,28のプログラムが実施されました。外務省は,写真展をはじめ,以下の出展・プログラムを行いました。多くの来場者の方と心温まる交流を持つことができ,思い出に残るイベントとなりました。

【写真展】

日時:2月3日(土曜日)・4日(日曜日)10時00分から17時00分

「Share your Piece わたしたちが伝えたい世界」

一般から広く募集した,日本の国際協力活動の現場や,開発途上国における日本人の国際協力活動の取り組み等をとらえた貴重な写真を紹介しました。多くの来場者の方が真剣に見入り,積極的な感想を寄せてくださいました。

「草の根・人間の安全保障無償資金協力30周年記念」

2018年が「草の根・人間の安全保障無償資金協力」実施30周年であることから,日本がこれまでに実施してきた「草の根無償」が現地の人々の暮らしをどのように変えてきたのか,プロジェクト実施のビフォー&アフターを写真で分かりやすく紹介する特別コーナーを設けました。写真に写る現地の人々の笑顔に吸い寄せられて,多くの方が,初めて知る「草の根無償」に興味を持ってくださいました。

「草の根無償」の展示例

エルサルバドル:2016年度「イサルコ市ロス・サペス地区初等学校整備計画」

  • (写真11)Before
    Before
  • (写真12)After
    After
写真展の様子
  • (写真13)写真展の様子
  • (写真14)写真展の様子

【外務省ブース】

日時:2月3日(土曜日)・4日(土曜日)10時00分から17時00分

  • (写真15)外務省ブースの様子
    外務省ブースの様子
  • (写真16)SDGsのクイズに挑戦中
    SDGsのクイズに挑戦中

外務省の職員から来場者の皆様に,外務省の国際協力における取組等をご紹介するとともに,SDGsに関するクイズを実施しました。「唯一の正しい正解」はないクイズとして一人ひとりの考えを自由に出し合ってもらい,生活の中の色々な場面において「自分なりのSDGs達成への貢献ができる」ということに,気付いていただくことができました。

【NGO支援制度説明会】

日時:2月3日(土曜日)16時00分から17時00分

外務省や政府機関,民間財団,企業によるNGO支援事業についての説明会を開催しました。外務省からは,民間援助連携室の担当者が出席し,外務省の国際協力NGO支援策について説明しました。また,外務省の委託を受けたNGO相談員による相談コーナーも設置し,NGO関係者やNGOに関心のある方々から,多くの相談が寄せられました。

【国際協力人材セミナーin大阪】

タイトル:「国際機関セッション」
日時:2月4日(日曜日)13時00分から17時00分

ワン・ワールド・フェスティバルの2日目に,JICA主催で「国際協力人材セミナーin大阪」が開催されました。これは,国際協力分野での勤務に興味がある方を対象にJICA職員,青年海外協力隊経験者,開発コンサルタント関係者が説明を行うもので,そのプログラムの1つとして「国際機関セッション」がありました。外務省国際機関人事センター職員及び国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所職員により,国際機関で働くために必要な資格や経歴,応募方法などに加え,国際機関で求められる人材や能力に関して,具体例を交えて分かりやすく説明しました。会場からは,多くの質問が寄せられました。
また,外務省国際機関人事センターによる相談ブースも設置し,国際機関への就職に関心がある方への説明等を行いました。

今後とも,外務省は地方における情報発信に尽力していきますので,イベント情報をどうぞお見逃しなく!外務省の公式Facebook別ウィンドウで開くTwitter別ウィンドウで開くもぜひフォローして下さい!

第15回ODA評価ワークショップの開催

原稿執筆:大臣官房ODA評価室

本年2月7日から8日にかけて,外務省はスリランカ政府と共催し,スリランカにおいて第15回ODA評価ワークショップを開催しました。今回のワークショップには日本,スリランカを含め15か国から42名の参加者があり,アジア大洋州諸国からの幅広い参加が得られました。ODA評価ワークショップは,より効果的な開発政策の策定と実施に資する各国の評価能力の向上を目的として2001年から開催されており,今回で15回目の開催となりました。

今回のワークショップは,共催国である日本とスリランカの代表,増島稔審議官(外務省国際協力局)及び,ルワンチャンドラ次官(スリランカ国家政策経済省)の開会挨拶で始まり,湊直信客員教授(国際大学)とプリヤンガ・ドゥヌシンヘ上級講師(コロンボ大学)による共同議長の下,参加者間で,持続可能な開発目標(SDGs)の時代における評価能力開発に対し,各国の評価能力の向上や評価の仕組みづくりについての活発な意見交換がなされました。

今回のODA評価ワークショップは,各国政府の評価関係者,およびスリランカ政府,国連開発計画,アジア開発銀行などの国際機関や,学術研究機関,評価専門コンサルタントの参加を得て,参加者にとってより広い視野から,SDGsの達成に向けた評価の役割を学ぶ機会となりました。また同時に本ワークショップの開催を通じて,日本の評価の取組をアジアから世界に向けて発信することが出来ました。

  • (写真17)第15回ODA評価ワークショップの開催

第15回ODA評価ワークショップの開催