ODA(政府開発援助)

ODAメールマガジン第358号

2017年9月27日発行

平成29年9月29日

ODAメールマガジン第358号は,国連WFP日本事務所から「世界食料デーに向けて 食料と農村への投資が移民の未来を変える」を,国際協力局政策課から「『グローバルフェスタJAPAN2017』開催案内」を,また国際協力局開発協力総括課から「グローバルフェスタ写真展 草の根・人間の安全保障無償資金協力 世界で実践中!笑顔の種まきを」をお届けします。なお,肩書は全て当時のものです。

世界食料デーに向けて 食料と農村への投資が移民の未来を変える

原稿執筆:国連WFP日本事務所 政府連携担当官 中井 恒二郎

毎年10月16日は世界食料デーです。
今年のテーマは「移住者の未来に変革を 食料安全保障と農村開発への投資」です。

現在,紛争や政治的不安定,飢餓,貧困,気候変動の影響などにより,第二次大戦以来,移民が全世界で記録的な水準に達しています。難民を含めた国際移住者が2億4,400万人,国内避難民を含めた国内移住者が7億6,300万人に達しました。こうした移住者の多くは,農業や第一次産業で生計を立てている農村部の出身であり,農村開発への投資による生計向上や雇用の創出が,移民問題解決のカギのひとつを握っていると言えます。

  • (写真1)ミャンマー・ラカイン州でのホスト・コミュニティに対する農業インフラ支援の様子
    ミャンマー・ラカイン州でのホスト・コミュニティ
    に対する農業インフラ支援
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai

また,国連WFPは最新の報告書で,「食料難が深刻化すると他国への移住増加の引き金になる」と発表しました。報告書によると,栄養不足人口の割合が1%増加すると,移住を強いられる人が1.9%増加し,紛争が1年延びるごとに,移住を強いられる人が0.4%増加する,と指摘しています。これは,食料不足が深刻化している国や,紛争が起きている国では,移住が加速されることを示しています。

  • (写真2)ミャンマー・ラカイン州避難民キャンプでの緊急食糧支援の様子
    ミャンマー・ラカイン州避難民キャンプでの
    緊急食糧支援
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai
  • (写真3)ミャンマー・ラカイン州の避難民キャンプで支援食糧を食べる子ども
    ミャンマー・ラカイン州の避難民キャンプで
    支援食糧を食べる子ども
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai

私自身も以前,現場で避難民支援に携わったことがあります。気候変動の影響による水や牧草地をめぐっての部族間争いが契機の一つともいわれるスーダンのダルフール問題や,国境沿いの政治的不安定がもたらしているミャンマーの少数民族問題などに身近に接し,気候変動や政治的不安定が,如何に国内避難民や彼らの食料問題を生み出しているかを実感しました。

  • (写真4)スーダン・ダルフールで避難民キャンプの長たちと
    スーダン・ダルフールで
    避難民キャンプの長たちと
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai
  • (写真5)スーダン・ダルフールの学校での様子
    スーダン・ダルフールで学校を訪問
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai

国連WFPは,途上国政府,他の国際機関やJICA,NGOパートナーと協力して,こうした難民・国内避難民やホスト・コミュニティに対して,生命をつなぐ食料を配給することに加えて,コミュニティのインフラを整備したり職業訓練を行ったりすることで,彼らの生計向上や雇用の創出を手助けしています。また,学校給食や5歳未満児への栄養強化を通じて,将来を担っていく子供たちに,未来への投資を行っています。

  • (写真6)スーダン・ダルフールのクリニックの様子
    スーダン・ダルフールのクリニック
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai
  • (写真7)ミャンマー・ラカイン州の避難民キャンプの様子
    ミャンマー・ラカイン州の避難民キャンプ
    【写真提供:WFP/Kojiro Nakai

紛争や気候変動,貧困問題など,強制移住を生み出す根本の原因に対しては,政治的な解決が欠かせません。しかし,その影響を少しでも和らげるために,家を追われた人々の命を救い,生計を向上させ,夢を育むという未来への投資を,国連WFPの活動やパートナーとの連携を通じて,今後も継続して行っていきたいです。

『グローバルフェスタJAPAN2017』開催案内

原稿執筆:国際協力局政策課

今年も9月30日(土曜日)及び10月1日(日曜日)に,日本最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN2017」が,お台場センタープロムナードにて開催されます。(注:小雨決行)

皆様に国際協力を身近なものに感じていただくと共に,国際協力の現状・重要性などについての理解と認識を深めていただくことを目的に,毎年10月6日の「国際協力の日」の前後の週末に開催されています。

今年のテーマは「Find your Piece ! 見つけよう,わたしたちにできること」。
国際協力に携わる多くのNGO,国際機関,政府機関,企業など265以上の団体が参加します。

昨年に引き続き,「持続可能な開発目標(SDGs)」をより深く理解できる様々な企画を多数ご用意しています。本フェスタを通じて世界をより良くするための17のゴールと私たちの生活がどのように関わっているかを一緒に考え,自分たちの課題としてSDGsと向き合い,私たちにもできる国際協力を見つけられるイベントを目指しています。

出展ブースには,約50店舗の各国料理が楽しめるフードコーナーや,楽しく国際協力を学べる参加型・体験型イベント,国際協力活動の様子を展示した写真展などがあります。

  • (写真1)昨年の出展ブースの様子
    昨年の出展ブースの様子
  • (写真2)昨年の写真展の様子
    昨年の写真展の様子

メインステージでは,ピコ太郎さん,為末大さん,オリエンタルラジオさん等,多数のスペシャルゲストが登場します!サブステージでもトークショーなど,たくさんの企画を実施しますので,ぜひご友人・ご家族をお誘いのうえ,ご来場ください!

  • (写真3)昨年のメインステージの様子
    昨年のメインステージの様子
  • (写真4)昨年のサブステージの様子
    昨年のサブステージの様子

グローバルフェスタ写真展 草の根・人間の安全保障無償資金協力 世界で実践中!笑顔の種まきを

原稿執筆:国際協力局開発協力総括課

前回のメルマガで紹介しました,グローバルフェスタ写真展に特設する「草の根・人間の安全保障無償資金協力」写真展。グローバルフェスタJAPAN2017にて,今週末の9月30日(土曜日)・10月1日(日曜日)の2日間,東京のお台場センタープロムナードにて開催します!

「草の根・人間の安全保障無償資金協力」とは,普段私たちが見ることのない開発途上国の人たちの生活に根ざした,まさに「草の根」の支援。
支援先でたくさんの笑顔の種まきをしている,そんな写真に出会えるコーナーになっています。

また,草の根無償では,日本で使用していた中古の消防車や救急車,ゴミ収集車を支援先に供与し役立ててもらう「リサイクル無償」も各地で展開しています。支援先でどのように日本のモノが活用されているか,分かりやすい写真を展示しますので,ぜひ遊びに来てください!
写真以外にも,草の根無償キャラクターの「くさのネコ」と草の根リーダーの「ウッチー」が草の根無償についてご説明します!お楽しみに…。

  • (画像1)くさのネコ
    くさのネコ
  • (画像2)ウッチー
    ウッチー

初日(9月30日(土曜日)14時30分~15時15分)には座談会も開催予定です。
正解者には素敵なプレゼントが当たるクイズ(挑戦者求む!)も実施します。

写真展,座談会の両方に来られると,草の根無償の知識が深まること間違いなしです!
皆さまのお越しを「くさのネコ」と「ウッチー」が手招きしながらお待ちしています!

  • (写真1)草の根無償支援前のケニアの産科病棟

この建物は何だと思いますか?
草の根無償支援前のケニアの産科病棟です。
草の根無償の支援でどう変わったか,現地の人々の笑顔の写真と共に展示します。

  • (写真2)イランの遊牧民が暮らす集落

イランの遊牧民が暮らす集落です。
草の根無償の支援でこの集落に小学校を建てました!
どんな校舎になったか,ぜひ見に来てくださいね。