ODA(政府開発援助)
OECD/DACアンタイド化勧告
経緯と概要
令和5年1月10日
1 経緯
- (1)2001年、DACは、援助効果向上等を目的として、後発開発途上国(LDCs)向けODAをアンタイド化する勧告を行った。
- (2)2008年、DACは、同年10月1日までにアンタイド化勧告の対象をLDCs以外の重債務貧困国(HIPCs)(ボリビア、カメルーン、コンゴ(民)、コートジボワール、ガーナ、ガイアナ、ホンジュラス及びニカラグアの8か国(2008年時))に拡大するとともに、新たに勧告の対象となった国について、アンタイド化の対象として継続するか否かを2013年に見直すこととなった。
- (3)上記を受け、2013年から2014年にかけて、DACは、LDCs以外のHIPCsに対するアンタイド化勧告適用の継続の有無につき検討を行い、2014年7月、LDCs以外のHIPCsに対するアンタイド化勧告の適用を5年間延長し、2018年に見直すこととなった。
- (4)2018年、DACは、LDCs以外のHIPCsに対するアンタイド化勧告適用の継続の有無及びアンタイド化勧告適用範囲のさらなる拡大につき検討を行い、2018年10月、アンタイド化勧告の対象を、それまでのLDCs及びLDCs以外のHIPCsに加え、LDCs以外の世銀IDA融資適格国(シリア、タジキスタン、キルギス、コソボ、ミクロネシア、サモア、トンガ、マーシャル諸島及びモルディブの9か国(2018年時))及びその他の低所得国(ジンバブエ)に拡大するとともに、これらの対象に対するアンタイド化勧告適用の有無を5年後の2023年に見直すこととなった。
なお、我が国は今次見直しにおいて、被援助国(LDCs以外のHIPCs諸国、LDCs以外の世銀IDA融資適格国、その他の低所得国)の状況を総合的に勘案し、当該被援助国のオーナーシップを尊重しつつ、アンタイド・タイドに関わらず最も援助効果を最大化する方法で、開発協力を実施するとの立場を表明した。
2 「アンタイド化勧告」の概要
(1)勧告の適用範囲
- LDCs、HIPCs、世銀IDA融資適格国及びその他の低所得国向けODA
- 技術協力は勧告の対象外
- 有償資金協力及び無償資金協力に関連する技術協力(Investment Related Technical Cooperation: IRTC)を対象とするかは各国の任意
- 食糧援助を対象とするかは各国の任意
(2)負担の均衡
勧告の適用範囲に基づく各国のアンタイド化がバランスのとれたものとなるように、モニタリングを通じて相互にその努力を促進する。
(3)報告制度
アンタイドの案件について、DAC事務局に事前通報及び事後報告を行う。
- (ア)事前通報:一定額以上の案件ごとにプロジェクト額、入札期間、調達制度等を通報する。
- (イ)事後報告:案件ごとの落札者に関連する情報を報告する。
(4)モニタリング
アンタイド化勧告がODAの量や質に与える影響、各メンバーの勧告の実施状況等をまとめた報告書を隔年で作成する。