ODA(政府開発援助)
日本のODAプロジェクト
エジプト
無償資金協力 案件概要
令和3年4月8日
使い捨てプラスチックのバリューチェーンにおける循環型経済の実践促進支援計画(UNIDO連携) | |
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実施年度 | 令和2年度 |
供与限度額 | 3.72億円 |
案件概要 | 本計画は、エジプトに対し、プラスチックごみ排出量の少ない包装技術機材の供与、使い捨てプラスチックの代替素材や環境負荷の小さな包装技術の適用のための技術移転、資源循環促進の環境整備のためのキャパシティビルディング等を行うものです。 |
裨益効果 | この協力により、海洋を含む環境へのプラスチックごみ流出を抑えるとともに、新たな産業の開発を図り、もって同国の持続的成長と雇用創出の実現に寄与することが期待されます。 |
経済社会開発計画 | |
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実施年度 | 令和2年度 |
供与限度額 | 10億円 |
案件概要 | この協力は、エジプトに対し、保健・医療関連機材を供与するものです。 |
裨益効果 | この協力により、エジプトの感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。 |
カイロ大学小児病院外来診療施設建設計画 | |
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実施年度 | 令和元年度 |
供与限度額 | 19.83億円 |
案件概要 | この協力は、カイロ大学小児病院に対して、内科系外来診療施設の整備を行うとともに、必要な機材を調達するものです。 |
裨益効果 | 老朽化する建物の整備と不足する機材の調達を通じて、外来患者の集中による混雑が4割程度緩和され、新たな検査機材により検査件数が増加する等、エジプトの小児医療サービスの向上に寄与することが期待されます。 |
第二次エジプト・日本科学技術大学教育・研究機材調達計画 | |
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実施年度 | 平成29年度 |
供与限度額 | 9.93億円 |
案件概要 | この協力は、2017年9月に開設された、エジプト・日本科学技術大学(E-JUST)工学部に対し、第3、4学年用の教育・研究用機材の供与を行うものです。 我が国は、2016年2月発表した「エジプト・日本教育パートナーシップ(EJEP)」により、教育分野で協力を促進すること、また第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において、質の高い高等教育を通じ、科学、技術及び産業分野に焦点を当てた人材育成を支援することを表明しており、本件は同表明を具体化するものです。 |
裨益効果 | 工学部に在籍する約2,000名の学生が、少人数・実践・研究を重視した日本型工学教育を受けることができるようになり、産業人材育成を通じた持続的経済成長と雇用創出の実現に寄与することが期待されます。 |
エジプト日本科学技術大学教育・研究機材調達計画 | |
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実施年度 | 平成28年度 |
供与限度額 | 20億円 |
案件概要 | エジプト日本科学技術大学(E-JUST)工学部8学科に対し、教育・研究用機材の供与を行い、E-JUSTの教育・研究機関としての基盤強化を図り、もってエジプトと日本の産業界との連携強化を通じた輸出振興・産業育成による、持続的経済成長と雇用創出の実現に寄与するものです。 |
裨益効果 | 新設される工学部8学科の学生が、実験・実習、研究に基づく実践的な教育を受けられるようになり、同国の高等教育の質の向上に貢献します。 |
カイロ大学小児病院外来診療施設建設計画 | |
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実施年度 | 平成27年度 |
供与限度額 | 15.60億円 |
案件概要 | カイロ大学小児病院の内科系外来診療施設を整備し、関連機材の供与を行うことにより、外来診療サービスの改善を図るとともに、大学病院としての教育機能の強化を図り、もってエジプトにおける小児医療サービスの向上に寄与します。 |
裨益効果 | 同国の小児医療サービスの向上に資します。 |
ノン・プロジェクト無償 | |
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実施年度 | 平成23年度 |
供与限度額 | 5億円 |
案件概要 | この協力は、エジプトの自助努力による格差是正、貧困削減等の経済社会開発を支援するもので、同国において必要とされる輸入物資の購入代金として使用されます。 エジプトは、2011年2月の政変により30年続いたムバラク政権が崩壊したことを受け、公正な社会と経済成長の実現に取り組んでいます。これに対し、我が国は、2011年5月に開催されたG8ドーヴィル・サミットにおいて、エジプトをはじめとした移行期にある中東・北アフリカ諸国に対し、(1)公正な政治・行政運営、(2)人づくり、(3)雇用促進・産業育成を支援の重点分野に据え、安定的移行及び諸改革の実現に向けた自助努力を支援していくことを表明しており、本件協力はこれを具現化するものです。 |
ノン・プロジェクト無償 | |
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実施年度 | 平成23年度 |
供与限度額 | 5億円 |
案件概要 | この協力は、エジプトの自助努力による格差是正、雇用創出等の経済社会開発を支援するもので、同国において必要とされる輸入物資の購入代金として使用されます。 エジプトは、2011年2月の政変により30年続いたムバラク政権が崩壊したことを受け、公正な社会と経済成長の実現に取り組んでいます。これに対し、我が国は、2011年5月に開催されたG8ドーヴィル・サミットにおいて、エジプトをはじめとする移行期にある中東・北アフリカ諸国に対し、(1)公正な政治・行政運営、(2)人づくり、(3)雇用促進・産業育成、を支援の重点分野に据え、安定的移行及び諸改革の実現に向けた自助努力を支援していくことを表明しています。 |
太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画 | |
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実施年度 | 平成21年度 |
供与限度額 | 9.70億円 |
案件概要 | 本件は、現在我が国とエジプトとの協力によって設立作業が進められているエジプト日本科学技術大学(E-JUST)の敷地内に太陽光発電設備を設置するものです。現在エジプトは、電力不足への対応と同時に環境改善の課題にも対処するため、再生可能エネルギーによる発電施設の整備に積極的に取り組んでいます。 我が国は、低炭素社会の実現を目指すため、平成21年度補正予算により、我が国の優れた環境関連技術を活用して途上国の気候変動対策に関する取組みを支援しており、本件は、その一環として行うものです。 |
裨益効果 | 同国の豊富な太陽光資源を活用した二酸化炭素の排出削減を目的とする本件の実施は、上記エジプトの取組みに大きく寄与するとともに、将来、中東アフリカ地域における中核的な工学研究施設となるべき同大学への設置を通じて、今後、我が国の技術が当該地域にも広く普及することも期待されます。 |
貧困農民支援 | |
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実施年度 | 平成20年度 |
供与限度額 | 4.70億円 |
案件概要 | エジプトは、中東和平プロセスをはじめ、同地域の平和と安定にとって重要な国です。同国では、年間降水量が約5ミリメートルと極めて少なく、国土の大半が砂漠等の不毛地帯であり、農地が限られている上に、約1.8%の急速な人口増加に対応するため、農業生産性の向上が求められています。 本件協力は、同国の貧困農民に農業機械を貸出す農業機械化ステーションに配備する農業機械(コンバイン、トラクター等)を調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 | 本件協力の実施により、同国のアシュート県及びソハグ県の約18万戸の貧困農民の農業生産性が向上することが期待されます。 |
バハルヨセフ灌漑用水路ダハブ堰改修計画 | |
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実施年度 | 平成20年度 |
供与限度額 | 21.41億円 |
案件概要 | ・本計画の内容 エジプト水・灌漑省が、エジプト中部に位置するバハルヨセフ灌漑用水路のダハブ堰の堰体及びゲートを改修するための資金を供与する。 ・本計画の必要性 バハルヨセフ灌漑用水路は、エジプト全土の耕地面積の11%を灌漑する重要な農業基幹施設であるが、この地域の最上流に位置するダハブ堰は、1900年の建設から100年以上が経過しており、老朽化が激しいため堰上流の受益地への安定した水供給が達成できていない。 このような状況の下、エジプト政府より、既存のバハルヨセフ灌漑用水路ダハブ堰の改修に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | 本計画の実施により、同国バハルヨセフ地域(農地面積約3万7,000ヘクタール)の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待されている。 |
貧困農民支援 | |
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実施年度 | 平成19年度 |
供与限度額 | 2.90億円 |
案件概要 | ・本計画の内容 エジプト農業・土地開拓省が管轄する農業機械化ステーションにおいて、周辺農家への貸出サービスを行う農業機械(トラクター、コンバイン等)を整備するための資金を供与する。 ・本計画の必要性 年間降水量が約5ミリメートルと極めて少ないエジプト国では、国土の大半が砂漠か土漠の不毛地帯であり、耕作可能な土地は国土の約4%に過ぎない。他方、エジプトの人口は過去10年間で約820万人増(1995年比13.2%)と急激な増加を示している。このため、農業生産性及び食糧自給率(小麦54%、砂糖57%)の向上が急務である。 年間を通じた二期作、三期作が農業の主流であるエジプトは、農業生産を上げるために、農業機械を必要としているが、農機は高価であるため、大多数の農民が農機貸出サービスを利用している。 このような状況の下、エジプト政府は、貧困農民への農機貸出サービスに使用するための農機整備に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | 本計画の実施により、エジプト・イスマイリーヤ県、ポート・サイード県の貧困農民(100,000戸)を支援するとともに、同国において小麦の生産性向上が図られることが期待される。 |
バハルヨセフ灌漑用水路ダハブ堰改修計画(詳細設計) | |
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実施年度 | 平成19年度 |
供与限度額 | 0.76億円 |
案件概要 | ・本計画の内容 エジプト水・灌漑省が、エジプト中部に位置するバハルヨセフ灌漑用水路のダハブ堰の堰体およびゲートを改修するための資金を供与する。今回の書簡の交換は、同計画のうち詳細設計に対する支援に関して行うものである。 ・本計画の必要性 バハルヨセフ灌漑用水路は、エジプト全土の耕地面積の11%を灌漑する重要な農業基幹施設であるが、この地域の最上流に位置するダハブ堰は、1900年の建設から100年以上が経過しており、老朽化が激しいため堰上流の受益地への安定した水供給が達成できていない。 このような状況の下、既存のバハルヨセフ灌漑用水路ダハブ堰の改修に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | 本計画の実施により、同国バハルヨセフ地域(農地面積約3万7,000ヘクタール)の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待されている。 |
第四次上エジプト灌漑施設改修計画 | |
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実施年度 | 平成19年度 |
供与限度額 | 3.08億円 |
案件概要 | ・本計画の内容 エジプト政府農業土地開拓省が、上エジプト地域において老朽化が著しい4か所の灌漑ポンプ場の改修を行うための資金を供与する。 ・本計画の必要性 年間降水量が約5ミリと極めて少ないエジプトの農産物生産は、一部地域を除いてナイル川からの灌漑用水に全面的に依存しており、灌漑農地面積は農地全体の60パーセントを占めている。このため、第5次経済社会開発5か年計画(2002-2007)においても、農地・水資源の効率的利用を農業分野における主要課題として掲げている。 本件対象地である上エジプト地域の農業は、エジプト国内の農地の30パーセントを占め、ナイル川のポンプを汲み上げた灌漑がほとんどである。しかしながら、この地域の農業の生命線であるポンプ場は、老朽化が著しいため近年取水能力が低下している。このため、受益地の灌漑用水が不足し、農業生産性向上の阻害要因となっている。 このような状況の下、エジプト政府は、老朽化の著しい4か所の灌漑ポンプ場の改修の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | 本計画の実施により、灌漑地へのポンプ総水量が年間2,860万立方メートルから3,540万立方メートルと24パーセント増加し、安定した灌漑用水が供給されることにより、対象地域の農民約1万5,300人に裨益することが期待されている。 なお、我が国はこれまで、第一次から第三次上エジプト灌漑施設改修計画において26か所のポンプ場の改修を無償資金協力にて実施してきている。 |
ダマンフール農業機械化センター近代化計画 | |
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実施年度 | 平成19年度 |
供与限度額 | 7.92億円 |
案件概要 | ・本計画の内容 エジプト政府農業土地開拓省が同国ベヘイラ県ダマンフール市に、農機貸出サービス及び農機修理・訓練サービスを行う「農業機械化センター」の施設及び機材を整備するための資金を供与する。 ・本計画の必要性 年間降水量が約5ミリメートルと極めて少ないエジプト国では、国土の大半が砂漠か土漠の不毛地帯であり、耕作可能な土地は国土の約4%に過ぎない。他方、エジプトの人口は過去10年間で約820万人増(1995年比13.2%)と急激な増加を示している。このため、農業生産性及び食糧自給率(小麦54%、砂糖57%)の向上が急務である。 年間を通じた二期作、三期作が農業の主流であるエジプトは、農業生産を上げるために、農業機械を必要としているが、農機は高価であるため、大多数の農民が農機貸出サービスを利用している。しかしながら、エジプト有数の農業生産地であるナイルデルタ地域のベヘイラ州ダマンフールには、修理施設や研修施設(地域の特性に沿った農機研修を行うもの)を有する農業機械化センター(農機貸出サービスを行っている公共機関)が存在せず、貸出サービスの質が低く、農機故障が頻繁に起こることから、農民の需要に適切な対応ができずに生産性が低下している。 このような状況の下、エジプト政府は、既存のダマンフール農業機械化ステーションに研修及び修理に必要な施設の建設と機材調達の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 ![]() |
裨益効果 | 本計画の実施により、同国ダマンフール地域(農地面積約39万ヘクタール)の約115万人の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待されている。 |
貧困農民支援 | |
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実施年度 | 平成18年度 |
供与限度額 | 2.90億円 |
案件概要 | エジプト政府は、全国的に農機貸出ステーションを量的・質的に拡充し、農民への農業機械化促進を図ることとしており、国内に農機貸出サービスや修理・訓練等を行う農業機械化センターを整備してきている。このような状況の下、エジプト政府は農業機械の調達に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この支援の実施により、エジプトの貧困農民を支援するとともに、エジプトにおいて小麦の生産性向上が図られることが期待される。 |
ダマンフール農業機械化センター近代化計画(詳細設計) | |
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実施年度 | 平成18年度 |
供与限度額 | 0.46億円 |
案件概要 | エジプト有数の農業生産地であるナイルデルタ地域西部地域のベヘイラ州ダマンフール地域には、修理施設や研修施設を有する農業機械化ステーションが存在せず、貸出サービスの質が低く、農機故障が頻繁に起こることから、農民の需要に適切な対応ができずに生産性が低下している。このような中、エジプト政府は、既存のダマンフール農業機械化ステーションに研修及び修理に必要な施設の建設と機材調達を行う、「ダマンフール農業機械化センター近代化計画」の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 今回の書簡の交換は、同計画のうち詳細設計に対する支援に関して行うものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、当該地域の農業機械化の支援体制を確立することが可能になり、ベヘイラ州ダマンフール(農地面積約39万ヘクタール)の約115万人の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待される。 |
「母子保健改善計画」のためのユニセフに対する無償 | |
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実施年度 | 平成18年度 |
供与限度額 | 2.19億円 |
案件概要 | ミレニアム開発目標には、2015年までに5歳児未満の死亡率を1,000人当たり24人に、妊産婦の死亡率を10万人当たり43人に削減するとの目標があり、エジプト政府は右目標を達成すべく、ユニセフと共同し、国連開発計画(2007年-2011年)に基づき母子保健環境を整備してきている。我が国は、エジプト政府及びユニセフからの要請に基づき、2003年度より3次にわたり感染症対策無償「ポリオ撲滅計画」を実施した。過去に供与したポリオワクチンは、エジプト政府及びユニセフによってエジプトの乳幼児に着実に投与されており、2005年にはポリオ撲滅計画が宣言された。これらの努力により、エジプトの乳幼児死亡率は低下しつつあるが、ミレニアム開発目標の達成には一層の努力が必要である。また、本案件の対象である上エジプト地域においては、5歳未満児死亡率は1,000人当たり71人、乳幼児死亡率は1,000人当たり52人、妊産婦死亡率は10万人当たり73人であり、エジプト都市部と比較して2倍近くとなる。 このような状況の下、エジプト政府及びユニセフは更なる母子保健サービスの改善に向けて引き続き努力する方針であり、上エジプト地域で必要とされる周産期ケア及び小児疾患ケアの実施に必要な資機材の調達、医療関係者のトレーニング、モニタリング等に必要な資金につき我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、上エジプト地域の新生児(年間約40万人)、乳幼児、妊産婦が、適切な周産期ケア及び小児科医療を享受することを可能にし、子供の健康状態の改善を通じて同国の保健・医療事情の改善に貢献するとともに、同国におけるミレニアム開発目標の達成に貢献することが期待される。 |
第四次上エジプト灌漑施設改修計画 | |
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実施年度 | 平成18年度 |
供与限度額 | 4.32億円 |
案件概要 | エジプト・アラブ共和国はアフリカの北東部に位置し、その国土の殆どは砂漠である。降雨がほとんどない同国の農産物生産は、一部地域を除いてナイル川からの灌漑用水に全面的に依存している。本件対象地である上エジプト地域の農業は、生産量においてエジプト国内の30%を占めるが、ナイル川の水をポンプで汲み上げた灌漑による農業が殆どである。しかしながら、この地域の農業の生命線であるポンプ場は、老朽化が著しいため近年取水能力が低下している。このため、受益地の灌漑用水が不足し、農業生産性の向上の阻害要因となっている。 このような背景の下、エジプト・アラブ共和国政府は、上エジプト地域における老朽化が著しい8カ所のポンプの改修のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | 本件計画により調達される機材の活用により、上エジプト地域における灌漑状況が改善し、農産物の生産性向上が確保され、農業生産所得が向上することにより、貧困軽減、生活環境改善にも資することが期待される。 我が国はこれまで、第一次~第三次上エジプト灌漑施設改修計画において26カ所のポンプ場の改修を無償資金協力にて実施してきている。今回の協力により、灌漑地へのポンプ総水量が年間28.6百万立方メートルから35.4百万立方メートルと24%増加し、安定した灌漑用水が供給されることにより、対象地域の農民約1万5,300人に裨益することが期待されている。 |
エルマハラエルコブラ浄水場施設改善計画 | |
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実施年度 | 平成18年度 |
供与限度額 | 24.23億円 |
案件概要 | エジプトでは、高い人口増加率と都市への人口集中により、都市部の住環境の改善が急務となっている。ナイルデルタ地域の中心都市であるエルマハラエルコブラ市においても、繊維産業の発展に伴う市内への人口流入が続いており、人口増加(1995年に74万人であった人口が2005年には約100万人に増加)に対して給水設備の整備が追いついていない。 エジプト政府は、現在実施中の「第5次国家経済社会開発5ヶ年計画」において、給水能力の向上と送配水管網の拡張による上下水道の整備を重点目標に定めているが、この国家計画のもと「エルマハラエルコブラ浄水場施設改善計画」を策定し、わが国に対して無償資金協力を要請してきたものである。 本計画は、エルマハラエルコブラ市を含むエルマハラエルコブラ郡を対象として、給水量の増加と安定した水供給の確保を目的に、既存浄水場の拡張および関連機材の調達を行うもので、エジプト側は必要となる送配水管網の整備を実施する。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エルマハラエルコブラ浄水場の給水量が1秒あたり400リットルから1秒あたり800リットルに増加し、2010年までにエルマハラエルコブラ市及びその周辺村落の住民約60万人が安定した水供給を受けることが可能となり、同地域の生活環境向上に資することが期待される。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) | |
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実施年度 | 平成17年度 |
供与限度額 | 4.03億円 |
案件概要 | エジプトの保健・医療指標は、5歳未満幼児の死亡率は1,000人当たり54人、乳幼児死亡率は1,000人当たり38人、妊産婦死亡率は10万人当たり84人と未だ劣悪な状態にあるが、その理由としては、栄養不足や感染症があげられる。感染症については、同国の広大な国土の大半が砂漠地域であるため、遠隔地の住民にまでワクチン投与が行き渡らないこと、人口が密集しており人と人との接触が多いといったエジプトの特殊事情がある。 ユニセフは、ポリオの野生株が存在する国の中でも大きな人口を有する同国が、ポリオを撲滅しつつある近隣の中東・アフリカ諸国にとってポリオ「輸出国」として深刻な脅威となり得るとの認識の下、同国を重点国に指定してポリオワクチンの全国一斉投与体制を構築して積極的に貢献している。エジプト政府及びユニセフは、同国における早期のポリオ撲滅を図るため、2005年秋に実施を予定しているポリオ・ワクチンの全国一斉投与キャンペーンの準備にあわせて「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のために必要なポリオ・ワクチン、コールドチェーンおよびモニタリングに必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エジプト国内の約1,100万人の子供がポリオ・ワクチンの予防接種を受けることが可能になり、同国におけるポリオ撲滅に貢献するとともに、子供の健康状態の改善を通じて同国の保健・医療事情の改善に貢献することが期待される。 |
食糧増産援助 | |
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実施年度 | 平成16年度 |
供与限度額 | 4億円 |
案件概要 | エジプトは、国土面積では日本の2.6倍あるが、国土の大半は砂漠か岩山の不毛地帯である。同国の農業はナイル川の豊富な水資源を利用して行われてきており、かつては食糧の純輸出国であったが、近年は人口増加のために食糧の輸入が増え、食糧増産は国家の重要課題となっている。 エジプトでの主食は小麦、米、とうもろこし、ジャガイモであるが、小麦については主要食糧でありその消費量も食糧の5割を占めるにもかかわらず、その半分近くを輸入に頼っており、外貨節約の観点からも小麦の生産性向上による生産量の増大が急務となっている。 小麦生産農家は、コンバインやトラクターの農業機械を所有していないために、手作業又は民間あるいは国営の農業機械化ステーションから必要な機械を借り入れている。農民は農繁期には賃耕サービス料金の高くなる民間を避け機械化ステーションからサービスを受けようとするが、機械の絶対数の不足から農民はこのサービスを受けられずに、多くが手作業に頼っている。 このような状況の下、エジプト政府は農業機械の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エジプトにおいて小麦の持続的な生産が図られることが期待される。 |
王家の谷周辺地区整備計画 | |
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実施年度 | 平成16年度 |
供与限度額 | 2.61億円 |
案件概要 | 王家の谷は、紀元前16世紀に始まった新王国時代の王達が、それまでのピラミッド形式の王墓をやめ、当時のエジプト最大都市として発展したテーベ(現在のルクソール)の谷一帯の岩壁に穴を掘って作った多くの岩窟墓所により構成される。その中にはツタンカーメンの墓も含まれており、年間約200万人に上る観光客が訪れるエジプトの中でも最も人気のある観光地の一つである。しかしながら、広い地域に墳墓が点在する王家の谷には、来訪者に対する情報提供施設がなく、来訪者が遺跡全体についての知識を得ることが困難となっている。また、王墓内ではガイドの解説を行うことが禁止されており、王墓付近には情報提供のための場がないことから、王墓の修復状況や王墓内での注意事項に関する情報を十分に提供できていない。従って、その結果として見学者が触れることによって王墓内の壁画の劣化が進行している。 こうした状況の下、エジプト政府は、ビジターセンター建設並びに必要機材の購入のために必要な資金につきわが国政府に対し文化遺産無償資金協力を要請してきたものである。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) | |
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実施年度 | 平成16年度 |
供与限度額 | 4.13億円 |
案件概要 | エジプトでは、未だにポリオの発症例が報告されているほか、野生株(感染ウィルス)の存在が判明しているが、人口が多いこともあり、ポリオを撲滅しつつある近隣の中東・アフリカ諸国にとってポリオ発生源として深刻な脅威となる可能性を有している。 また、同国において、5歳未満の乳幼児の死亡率が1,000人当たり54人と劣悪な状況にあるが、その理由のひとつとして、同国の広大な国土の大半が砂漠であるため遠隔地の住民まで十分にワクチンによる予防接種が行き渡らないこと、および、ワクチンを低温で保存するための機材の不足により効果的なワクチン接種が実施できていないことが挙げられている。 このような状況の下、エジプト政府およびユニセフは、同国における早期のポリオ撲滅を図るため、2004年秋に実施を予定しているポリオ・ワクチンの全国一斉投与キャンペーンの準備にあわせて「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のために必要なポリオ・ワクチンおよびモニタリングに必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エジプト国内の約2,200万人の子供がポリオ・ワクチンの予防接種を受けることが可能になり、同国におけるポリオ撲滅に貢献するとともに、子供の健康状態の改善を通じて同国の保健・医療事情の改善に貢献することが期待される。 |
シャルキーヤ県北西部上水道整備計画 | |
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実施年度 | 平成15年度~18年度 |
供与限度額 | 28.87億円 |
案件概要 | エジプトでは現在、都市人口急増のため、上下水道をはじめとする都市住環境の保全・改善に関する事業の展開が急務とされており、現在実施中の第5次国家経済社会開発5カ年計画(2002年から2006年)においても、その重点目標として社会サービスへの政府予算増加による生活水準の向上を掲げ、上下水道の整備を進めている。 特に、ナイル川デルタ地帯に位置するシャルキーヤ県北西部は、現在本格的な浄水場がなく、コンパクト・ユニットと称する小規模簡易浄水施設と井戸からの給水が行われているが、コンパクト・ユニットは耐用年数が短く、また、井戸は地下水の塩水化が進行しているため、住民は、人口が急増する中、量的に不十分でしかも飲用に適さない水の使用を強いられており、現在、同地域における早期の上水道整備をめざしているが、厳しい財政事情の下で実施の目途がたっていない。 このような状況の下、エジプト政府は、シャルキーヤ県北西部に新しい浄水場を建設するため「シャルキーヤ県北西部上水道整備計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これは、エジプトに対するわが国の援助重点分野、生活環境の向上に合致するため実施するものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エジプトのシャルキーヤ県北西部の住民約22万人が、安全かつ安定した量の給水を受けることが可能となり、住民一人当たりの給水量が、現在の1日101リットルから157リットルに増加することが見込まれることから、エジプトの経済社会開発にも貢献することが期待される。 |
消防車両整備計画 | |
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実施年度 | 平成15年度 |
供与限度額 | 7.46億円 |
案件概要 | エジプト東部および南東部のアスワン、紅海、南シナイの3県においては、人口の急増に伴い火災件数も急増しているが、保有する消防機材の老朽化が進んでおり、火災発生時の迅速な対応等の十分な消防活動が困難となっている。また、同3県は世界的文化遺産を有することから観光客の来訪数も多く、十分な消防能力を保持することは、同国の貴重な外貨収入源となっている観光産業への火災による影響を軽減する上でも重要である。 このような状況の下、エジプト政府は上記3県における消防車両の整備を目的とする「消防車両整備計画」を策定しわが国に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これは、エジプトに対するわが国の援助重点分野、経済・社会基盤の整備および産業の振興に合致することから本計画を実施するものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、上記3県の住民約128万人を対象とした消防体制が整備されるとともに、年間来訪者が約500万人にのぼる観光業への火災による影響を軽減することが期待される。 |
ノン・プロジェクト無償 | |
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実施年度 | 平成15年度 |
供与限度額 | 30億円 |
案件概要 | エジプトでは、1991年以降、国際通貨基金(IMF)との合意に基づく市場経済化に向けた経済構造改革により、マクロ経済は一時的に大きく改善したが、90年代末からは減速傾向にあり、特に近年は、厳しい外貨不足も顕在化し低迷を続けている。また、イラクに対する武力行使は、特に主要産業である観光業に影響を与えており、一層厳しい外貨不足をもたらしている。 今回のノンプロジェクト無償資金協力は、こうした経済状況の中で中東和平の推進やアフリカ開発問題において積極的な役割を果たしているエジプトを支援するものであり、同国における経済構造改善努力の一層の推進に必要な商品を購入する代金の支払いのために使用される。 なお、このプロジェクトは、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものでもある。 |
バハルヨセフ灌漑用水路サコーラ堰改修計画 | |
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実施年度 | 平成15年度~18年度 |
供与限度額 | 20.97億円 |
案件概要 | エジプトは、主食である小麦の自給率が約50%にとどまっており、その多くを輸入に頼っているが、現在、エジプトの人口は急増しているため、人口増加に見合う食糧自給率の向上が急務となっている。しかしながら、年間降雨量が約5mm程度であること、ナイル協定によりナイル川の年間利用可能水量が555億立方メートルに限定されていること、砂漠が広がっており耕作可能面積が全土の約4%に過ぎないこと等が大きな制約となっている。 このような中、エジプト政府は、食糧自給率の改善のため、エジプト農業全体の約13%の灌漑に使用されているバハルヨセフ灌漑用水路の中流に位置するサコーラ堰の改修計画を進めるため「バハルヨセフ灌漑用水路サコーラ堰改修計画」を策定したが、同国の厳しい財政事情のため実施の見通しは立っていない。しかし、サコーラ堰は、建設後約100年を経て老朽化が著しいため堰の開閉が十分に行うことができず、本来の灌漑のための役目を十分に果たしていない。また、老朽化の進行による自然崩壊の恐れもあり、周辺農民・農地に多大な被害が及ぶことが予想されているため、同計画の実施は急務となっている。 このような状況の下、エジプト政府は、「バハルヨセフ灌漑用水路サコーラ堰改修計画」の詳細設計の実施のために必要な資金につきわが国に対し高い優先度を付し無償資金協力を要請してきたものであり、これは我が国のエジプトに対する援助重点分野、農業生産の拡大にも合致するため実施するものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、既存の堰が崩壊した際に想定される住民および農地への被害が未然に防止できるとともに、約3万4,700ヘクタールの農地に安定した水を供給することが可能となり、約53万人の農民の所得が向上し、これを通じて、エジプトの経済社会開発に貢献することが期待される。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) | |
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実施年度 | 平成15年度 |
供与限度額 | 3.62億円 |
案件概要 | エジプトでは、未だにポリオの発症例が報告されているほか、野生株の存在が判明しているが、人口が大きいこともあり、ポリオを撲滅しつつある近隣の中東・アフリカ諸国にとってポリオ輸出国として深刻な脅威となる可能性を有している。 また、同国において、5歳未満の乳幼児の死亡率が1,000人当たり54人と劣悪な状況にあるが、その理由のひとつとして、同国の広大な国土の大半が砂漠であるため遠隔地の住民まで十分にワクチンによる予防接種が行き渡らないこと、および、ワクチンを低温で保存するための機材の不足により効果的なワクチン接種が実施できていないことが挙げられている。 このような状況の下、エジプト政府およびユニセフは、同国における早期のポリオ撲滅を図るため、2003年12月に実施を予定しているポリオ・ワクチンの全国一斉投与キャンペーンの準備にあわせて「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のために必要なポリオ・ワクチンおよびワクチン運搬用保冷ボックス等の関連機材の購入に必要な資金につきわが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エジプト国内の約2,200万人の子供がポリオ・ワクチンの予防接種を受けることが可能になり、同国におけるポリオ撲滅に貢献するとともに、子供の健康状態の改善を通じて同国の保健・医療事情の改善に貢献することが期待される。 |
アインシャムス大学に対する文化無償 | |
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実施年度 | 平成15年度 |
供与限度額 | 0.28億円 |
案件概要 | アインシャムス大学は、言語学学部を始めとする15学部を擁する国立総合大学であり、その言語学学部の中にある日本語学科は、2000年、エジプトで第二番目に設立され、わが国国際交流基金カイロ事務所との協力の下、高水準の日本語教育が行われ、同国における日本語教育および日本研究の振興に重要な役割を果たしている。また、同学科には国際交流基金による日本語専門家や日本語教育アドバイザーの派遣が行われており、わが国との協力が緊密に図られている。このような中、エジプトにおける近年の日本語への関心が高まっているため、日本語教育を行うために必要な機材の整備を希望しているが、同国の厳しい経済情勢のため、新規機材の購入が困難な状況にある。 このような状況の下、エジプト・アラブ共和国政府は、アインシャムス大学が日本語学習機材を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対し文化無償協力を要請してきたものである。 |
救急車両整備計画 | |
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実施年度 | 平成15年度 |
供与限度額 | 9.16億円 |
案件概要 | エジプトにおいては、交通事故による死亡件数が死亡原因全体の第5位を占めており、特に、人口が集中し人口密度の高いナイル・デルタ地帯においては、交通事故に対する救急医療体制の整備が追いつかなくなってきている。現在、ナイル・デルタ地帯における11県においては697台の救急車が配備されており年間約47万回出動しているが、そのうち約3分の1は、老朽化の進行に伴う故障のため長期間出動できない等、救急車としての十分な機能を発揮していない。 そのような状況の下、エジプト政府は上記11県における老朽化した救急車両を更新することにより救急医療体制の整備を図るための「救急車両整備計画」を策定し、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これは、エジプトに対するわが国の援助重点分野、保健・医療の充実に合致することから本計画を実施するものである。 ![]() ![]() |
裨益効果 | この計画の実施により、上記11県の住民約4,400万人を対象とした、交通事故が発生した際の救急医療体制が整備されることが期待される。 |
第二次地域環境監視網機材整備計画 | |
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実施年度 | 平成14年度 |
供与限度額 | 5.48億円 |
案件概要 | エジプトでは、近年、都市化・工業化の進展により、大気汚染や水質汚染等の環境問題が深刻化しつつあり、農林水産業や自然環境への悪影響が懸念されると同時に都市住民の健康に対する脅威となっている。この問題に対処するため、同国政府は1994年に環境法を制定すると同時に、環境庁を設置して環境保全に取り組んでいる。 このような中、エジプト環境庁は、首都カイロと8つの地方都市に環境監視局を設けて全国レベルの環境監視網を整備する計画を進めているが、同国の財政事情の悪化のため、環境監視網整備に不可欠な環境監視用の機材の調達が困難な状況となっている。 このような状況の下、エジプト政府は大気汚染や水質汚染の監視用の機材整備を目的とする「第二次地域環境監視網機材整備計画」を策定し、この計画の実施のための大気・水質モニタリング機材、分析機器等の購入に必要な資金につき、わが国に対して無償資金協力を要請してきたものである。 この計画の実施により、大気汚染や水質汚染に関する全国レベルでの監視網が整備され、公害発生源に対して、法的に取り締まりを進めるための十分な能力を環境庁が有することとなり、エジプトにおける環境保全対策が実効的に進展することが期待される。 ![]() ![]() |
第3次上エジプト灌漑施設改修計画 | |
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実施年度 | 平成14年度 |
供与限度額 | 8.67億円 |
案件概要 | エジプトでは、灌漑設備の老朽化が著しいため十分な農業用水の確保ができず、最近の人口急増に対して食糧増産が追いつかない状況にある。また、上エジプト地方(エジプト南部)においては、農業以外に主要な産業がないため、灌漑施設の老朽化が進行して農業生産が低下することにより、地域社会の安定に大きな影響が出ることが懸念されている。 このような状況の下、エジプト政府は、老朽化が特に著しい灌漑施設(フローティング・ポンプ場)5ヵ所の改修を目的とした「第3次上エジプト灌漑施設改修計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 この計画の実施により、灌漑施設5ヵ所による農地灌漑面積が3,200ヘクタールから4,368ヘクタールに拡大し、農業生産が増大するとともに同地域の農民の所得が約18%増加することが期待される。また。それらを通じたエジプトの食糧自給率の向上や上エジプトにおける地域社会の安定が期待される。 ![]() ![]() |
ギザ市ピラミッド北部地区上水道整備計画 | |
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実施年度 | 平成14年度~17年度 |
供与限度額 | 44.08億円 |
案件概要 | ギザ市はナイル川をはさんで首都カイロに隣接しているが、カイロに比べインフラ整備が大幅に遅れている。また、地方からの人口流入が近年急激に進み、住環境の改善が緊急の課題となっており、基礎インフラ、特に上下水道網の整備が追いつかない状況にある。 このような状況の中、ギザ市では、1987年に2000年を目標年次としたギザ市上水道マスタープランを策定し、わが国およびフランスの援助で上水道整備を着実に実施してきている。しかし、本計画対象であるピラミッド北部地区は、浄水場から最遠隔地にあるほか、近年の人口増加や開発の急速な進行のため、上水道の整備が追いつかず、ギザ市内で最も給水状態の悪い地域になっている。 このような状況の下、エジプト政府は、ギザ市ピラミッド北部地区における送水幹線敷設、配水場施設の建設および配水管網整備を目的とした「ギザ市ピラミッド北部地区上水道整備計画」を策定し、この計画の実施のための詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 なお、わが国は、これまでギザ市オムラニア地区、モニブ地区、ピラミッド南部地区にギザ市の上水・下水整備の支援を実施しており、今回の計画の実施により、ギザ市の上水、送配水施設整備は完了することとなり、住民一人当たりの給水量が現在の1日当たり50~100リットルから約240リットルに増加するほか、水質の改善によって、地域住民の衛生環境の改善が期待される。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
食糧増産援助 | |
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実施年度 | 平成14年度 |
供与限度額 | 9.68億円 |
案件概要 | エジプトにおける可耕地は国土の約3パーセントであり、その大部分がナイル川流域および首都カイロ以北のデルタ地帯に限られている。また、同国の約2パーセントにおよぶ高い人口増加率のため、食糧需要に生産が追いつかず、同国政府は食糧の増産を経済政策中の最重要課題としている。 特に、主要食糧作物である小麦は、農業用資機材の不足等により生産が伸び悩んでおり、国内需要をまかなうために輸入に依存していることから、同国の国際収支、財政収支に大きな負担となっている。 このような状況の下、エジプト政府は、食糧の自給体制の確立を図るために小麦の生産増大および供給安定化を目的として、「ガルビーヤおよびメノフィーヤ県小麦増産計画(Project for Increase of Wheat Production in Gharbiyah and Minufiyah Governorates)」を策定し、この計画の実施のための農業機材および肥料の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 | この計画の実施により、エジプトのガルビーヤおよびメノフィーヤ県の人口約926万人に対し、小麦の安定供給が図られることが期待される。 |