ODA(政府開発援助)
保健・医療
分野をめぐる国際潮流
令和3年3月22日
概況
保健は、「人間の安全保障(Human Security)」の実現にとり、極めて重要な分野です。日本は2000年以降、国際的な保健の取組に積極的に貢献して参りました。保健への投資は、人的資本への投資であり、経済成長に寄与するものです。
日本は国民皆保険制度を通じて世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を達成しています。先進国でも民間保険ベースや無保険者の依然多い国が存在する中、国民全員を公的医療保険で保障するとともに、国民皆保険では珍しい医療機関を自由に選べるフリーアクセスを実現しています。2000年には世界保健機関(WHO)から日本の医療保険制度は総合点で世界一に評されました。
このように、世界有数の質の高い国民皆保険制度を持つ我が国は、経験に裏付けられた知見を生かして、外交面でも国際保健分野に貢献してきました。「持続可能な開発のための2030年アジェンダ(SDGs)」に基づき、2013年には「国際保健外交戦略」、2015年には「平和と健康のための基本方針」を策定し、これらを相互補完的に用いながら、国際保健を外交の柱の一つとしています。今後も、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進をはじめ、世界の保健課題への取組を牽引して参ります。