ODA(政府開発援助)

FAQs
平成28年7月19日

Question

1 日本の農林水産分野における開発協力の特徴はどのようなものでしょうか?

Answer

 日本は開発協力大綱において,開発途上国の「質の高い成長」を通じた貧困撲滅や持続可能で強靱な国際社会の構築を重点課題とし,フードバリューチェーンの構築を含む農林水産業の育成や地球規模課題としての食料問題に積極的に取り組んでいます。短期的には,食料不足に直面している開発途上国に対しての食糧援助を行うとともに,中長期的には,飢餓などの食料問題の原因の除去及び予防の観点から,開発途上国における農業生産の増大及び農業生産性の向上に向けた取組を中心に支援を進めています。

 具体的には,日本の知識と経験を活かし,栽培環境に応じた技術開発や普及能力の強化,農民の組織化,政策立案等の支援に加え,かんがい施設や農道といったインフラ(農業基盤)の整備等を行っているほか,アフリカにおけるネリカ稲等,農業生産の前提となる品種開発や生産技術普及のための支援も行っています。さらに,国連食糧農業機関(FAO),国際農業開発基金(IFAD),国連世界食糧計画(WFP),国際農業研究協議グループ(CGIAR)などの国際機関を通じた農業支援も行っています。

 また,日本は,収穫後の損失(ポストハーベスト・ロス)の削減や域内貿易および流通の促進といった観点から,生産段階における水資源や農地資源の開発・管理に加え,現地の農産物の更なる国内・国際市場での流通や食の安全・安心にも配慮した流通・加工施設の整備,持続可能な消費体制の構築,日本の幅広い食産業の一層の国際展開等も視野に,より広範なフードバリューチェーンの構築・強化を含む農林水産業の育成に向けた取組支援を行っています。

Question

2 日本が農林水産分野における開発協力を行うことにはどのような意味がありますか?

Answer

 世界の栄養不足人口は依然として高水準が見込まれており,食料価格も近年では下落傾向にあるものの,依然として高水準で推移しています。このような中,開発分野における国際社会共通の目標である「ミレニアム開発目標(MDGs)」やその後継枠組の「持続可能な開発に向けた2030アジェンダ」では,貧困や飢餓の撲滅,食料安全保障と栄養の改善,持続可能な農林水産業の促進等が目標として掲げられたほか,G7/8やG20等の国際的な議論の場においても様々な議論・取組が行われています。日本としても,このような国際社会の抱える課題の解決に向けて,開発途上国を含む国際社会と協力した取組を行い,世界の責任ある主要国として国際社会を力強く主導していくことは,日本に対する国際社会の信頼を確個たるものとし,日本が引き続き豊かで平和な社会を発展させていく上でも重要です。

 また,日本は食料の約6割を海外に異存しており,特にコメを除く主要穀物類(小麦,トウモロコシ,大豆等)はその大部分を一部の国からの輸入に頼っています。一方,世界の食料情勢としては,世界人口の急速な増加や新興国・途上国の経済発展による食生活の多様化、世界的なバイオ燃料の原料としての穀物・油糧種子需要の漸増等に伴い,中途長期的には世界の食料需給のひっ迫及び国際価格の高水準での推移が見込まれています。また,2050年までには60%の食料生産の増大が必要と推定されており,日本としても,開発途上国のフードバリューチェーンの構築を含む農林水産業の育成に向けた取組を行うことは,世界各国の食料生産の安定化・多角化を図り,日本国内における食料の安定供給のためにも重要です。

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