ODA(政府開発援助)
「日本人のすごいコーチが来た!」
青年海外協力隊ラグビー隊員
原稿執筆 在ウズベキスタン日本国大使館
"Catch and pass!!" "Давай!!(頑張れ)"
青年海外協力隊員・白馬悠コーチの大きな声が響く朝9時のラグビー練習場。英語とロシア語が混ざった白馬コーチの指示に熱心に耳を傾けているのは,ウズベキスタンの女子ラグビー・ナショナルチームの若い選手たちだ。
白馬コーチは,スリランカでのコーチ経験などを経て,アジアのラグビーをもっと強くしたいという熱い思いに駆られ,日本ラグビーフットボール協会の海外支援活動「アジアンスクラムプロジェクト」及び「JICA-JRFU(注)スクラムプロジェクト」の一環として青年海外協力隊に応募,平成26年度9次隊(短期)の隊員としてここウズベキスタンのラグビー界に飛び込んできた。ソ連から独立してまだ24年しかたっていないウズベキスタンでは,世界でメジャーなラグビーというスポーツもまだまだフロンティアにあり,選手も他のスポーツからの転進組が少なくない。(注)JRFU:日本ラグビーフットボール協会
目指せ!リオ五輪


2015年3月の着任以降,まず指導にあたった男子代表チームはめきめきと力をつけ,5月にタシケントで行われたアジアラグビーチャンピオンシップ大会(ディビジョン3)のセントラル地区ブロックで見事優勝,ウズベキスタンは2016年からディビジョン2に昇格することになった。6月からは女子代表チーム(7人制)の指導を任され,11月のリオ五輪・アジア予選を目指した熱い練習の日々が続いている。
ラグビーの歴史が浅いことや,旧社会主義国という国情もあり,実際のコーチングにはさまざまな苦労もあるが,ウズベキスタンの選手はみんな素直で熱心だと語る白馬コーチ。男子チームの見事昇格という実績もあり,スポーツ界やマスメディアでの評価はうなぎ上りで,テレビ出演なども通じて,「日本人のすごいコーチが来た!」との評判が広まっている。世界のスタンダードを見せてほしいとして,ウズベキスタン各地の試合にレフェリーとして招待されることも少なくない。
白馬コーチの活躍は,ウズベキスタンのラグビー界を支援するばかりでなく,アジアのラグビー界における日本の水準の高さと存在感を,ラグビー関係者のみならず広く一般国民にも印象付けることで,ウズベキスタンにおける日本のイメージアップに大きく貢献している。
