ODA(政府開発援助)

2023(令和5年)年5月26日発行
令和5年5月26日

在フィリピン大使館におけるODA(政府開発援助)広報

駐フィリピン大使 越川和彦

 日本国民の皆様のODAに対するご理解・ご支援を得るため、日本政府が、ODAによる協力相手を含む国際社会に対して、その協力の成果を積極的に発信していく取組が重要であることは言うまでもありません。在フィリピン大使館においても、日本による大規模なODA事業とその貢献ぶりについて、理解を促進するために、積極的に広報活動を行っています。

日・フィリピンの友好の礎であるODA事業

 フィリピンは、日本と特別な歴史と友情で結ばれた隣接する海洋国家です。国民の平均年齢は25.3歳(2023年 国家統計局)と若く、日々の生活風景から高度経済成長期を迎えた国の勢いが感じられます。また、国民の大半が日本に強い関心を持つ親日国です。若年層を中心に日本のアニメや漫画が人気であるほか、日本食などの日本文化が幅広いフィリピン国民に親しまれています。大戦後の厳しい対日感情を考えれば、対日世論調査(2022年 フィリピン民間調査機関「パルス・アジア」)においてフィリピン人の約8割が日本を信頼すると回答していることは特筆すべきことです。この対日感情の改善・向上にODAが寄与したことは間違いないと考えています。

(写真1)97メートル級巡視船 円借款で建造された97メートル級巡視船
(写真2)船上でのフィリピン沿岸警備隊の皆さんの様子 日米の海上保安機関によるフィリピン沿岸警備隊に対する能力向上支援

 在フィリピン日本国大使館のODA広報では、私のTwitter(@AmbJPNinPH)や大使館のFacebookといった多くのフィリピン国民が使用しているSNS媒体も活用しています。広報発信の際には、ODAが「援助側・受益側」といった立場の異なる者による一方的な施しと誤解されることを避け、式典等の写真だけではなく、対等な関係にある両者が実現に向けて「協力」している姿(例:ODA案件を受注した本邦企業の参画ぶり)や、ODA事業が生活の利便性向上につながっている風景や利用者の顔(例:整備された教室を使用している児童の笑顔)も併せて発信するよう心がけています。こうした発信により、日本のODAがどのようにフィリピン国民に役立っているかがわかりやすく伝わるように工夫しています。

(写真3)マニラ首都圏鉄道3号線の車両や車両の中の様子、駅の様子など 鉄道の安全性・快適性を向上させるため、日本企業が運行システムを改修したマニラ首都圏鉄道3号線(MRT-3)

アニメや料理などによる日頃からの発信

 また、こうしたODAに関する発信がより多くの耳目を集めるには、日頃から日本の取組に関心を向ける層を開拓し、大使館SNSのフォロワー数を増やすことも重要です。そこで、フィリピンで人気のアニメに関する発信や、フィリピン料理を調理したり、食したりする様子の発信も行っています。こうした発信は、当地の全国紙において取り上げられたこともあるほど、人気を博しています。

 先の大戦がフィリピン国民に多大な犠牲をもたらしたことは、当地での広報を行うに当たっても、常に心に留める必要があります。しかし、そうした悲劇を乗り越えた今日、フィリピン国民は日本に親近感を抱いていることを、日本の皆様にも知っていただけたらと思います。

 駐フィリピン大使Twitter(英語)はこちら別ウィンドウで開く

 在フィリピン大使館Facebook(英語)はこちら別ウィンドウで開く

 在フィリピン大使館ホームページ(日本語、英語)はこちら別ウィンドウで開く

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