ODA(政府開発援助)

2016年9月28日発行
平成28年9月29日

ODAメールマガジン第332号は,カンボジア王国からの「近年のカンボジア情勢及び諸課題(「保健医療」分野の取組)」,「カンボジアの水泳選手を指導する青年海外協力隊員」と国際協力局政策課広報班より「「グローバルフェスタJAPAN2016」開催案内」をお届けします。

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近年のカンボジア情勢及び諸課題(「保健医療」分野の取組)

原稿執筆:在カンボジア日本国大使館 中島 洋平 二等書記官

皆さんはカンボジアにどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「地雷」,「経済発展」,「貧困」,「政情不安」等々…様々なイメージをお持ちの方がいらっしゃると思いますが,カンボジアでは1990年代まで続いた内戦の時期からは想像も出来ないほどのスピードで近代化が進んでいます。

首都プノンペンの中心市街地を見渡せば,商業ビルやホテル等の建設ラッシュが進んでおり,街の景観は日々変化しています。2014年に完成したカンボジア最大規模のイオンモールでは連日多くの日本人やカンボジア人で溢れており,沢山の日本産食材や商品が並び,まるで日本にいるかのように錯覚してしまうほどです。今から数年後のプノンペンでは,更に経済発展を遂げた街並みが形成されていることでしょう。

しかしながら残念なことに,急速な経済発展に伴い,これまで以上に様々な分野で社会問題が露見しています。

その分野の一つに「保健医療」が挙げられます。カンボジアはポル・ポト政権時代の負の歴史を乗り越え,1980年には約659万人だった人口が2013年では約1,458万人となるなど,30年の間に約2.2倍にも増加しています。 

この急激な人口増加に対応すべく日本はカンボジアに対して「母子保健分野」に重点的な支援を行ってきました。しかしながら,過去,日本の支援により建設された病院であっても,その許容範囲を越えた急激な出生率の増加により追加的な対応が必要とされる病院もあるなど,今後も引き続き,継続的な支援が必要とされています。
また近年,乳幼児死亡率は改善してきているものの,依然ASEAN諸国の中では高い状況です。

  • 日本の支援により2011年に設立されたコンポンチャム州の病棟
    (産婦人科及び外科)
  • 病床不足によりやむを得ず院内の廊下にて
    産前産後の治療を実施(同科)
  • ASEAN諸国の乳児死亡率比較

他方で,これまでの日本とカンボジアの官民一体となった努力が実を結び,この9月には首都プノンペンに救命救急,脳神経外科などの日本式最新医療サービスを備えたサンライズ・ジャパンホスピタルがオープンするなど,カンボジアにおける保健医療分野の発展に大きな期待が寄せられています。

  • 9月に開所したサンライズ・ジャパンホスピタル
  • 開所式の様子
    (小田原外務大臣政務官とフン・セン首相によるリボンカット)
  • 式典会場の様子

ご紹介したのは一例ですが,日本では当たり前に行われているサービスが,カンボジアでは未だに様々な分野で実現困難なのが現実です。このような社会問題を解決するためにカンボジア政府からは今後も継続的な支援が望まれています。

カンボジアの水泳選手を指導する青年海外協力隊員

原稿執筆:JICAカンボジア事務所 戸倉 裕子

カンボジア水泳連盟でナショナルユースチームの選手を指導中の生山咲(いくやま さき)さん。2016年1月にプノンペンにやってきた青年海外協力隊員です。大学水泳部時代は主将を務め,卒業までの水泳人生はベビースイミングの頃から数えて22年間という大ベテランです。

初めて自分の教え子が出場した大会は2016年6月,プノンペン市内のオリンピックスタジアムでの水泳大会。ここでは教え子全員が自己ベストを更新できました。
練習中は,ふざけている選手たちに「全員家に帰れ!」と怒鳴ったこともありました。
自身も初めての大会企画と運営に関わり,前夜は緊張しすぎてほとんど眠れませんでした。

しかし記録を伸ばし,表彰台に乗った選手たちの笑顔を見た生山隊員は「それまでの苦労が吹き飛びました」。

  • 6月の大会の様子
  • 6月の大会を終えて

そして7月。カンボジア派遣から半年にして最大の仕事,海外遠征の引率です。

日本でも経験はありません。行先はカンボジアを含むASEAN8か国が出場するタイでの大会,8th ASEAN School Games。
いつも頼りにしているカンボジア水泳連盟会長は,リオ・オリンピックに随行しているため今回は不在の中,生山隊員にとって初めての経験ばかりでした。引率選手全員が一種目以上はベストを更新できたものの,緊張した選手達の結果は思ったほど伸びず,周辺の国々との実力の差も歴然で,指導者として悔しさが残る結果に。

そこから「次は表彰台に選手を立たせたい,カンボジアの国旗を掲げたいという強い思いが沸きあがりました。」と,生山隊員は言います。

  • タイ遠征(プノンペン空港にて)

1965年度に初めて青年海外協力隊が派遣された国の一つがカンボジアで,そのうち1人が水泳隊員でした。

その隊員の教え子であるヘム・トン氏はポル・ポト時代を生き残り,内戦後にはカンボジア水泳連盟を立ち上げ,その息子ヘム・キリ氏も水泳選手として活躍,今は水泳連盟の会長となっています。
ヘム・トン氏は亡くなる前に水泳隊員を要請し,派遣されたのが生山隊員です。東南アジアのオリンピックと言われる”Sea Game”が2023年にこの地で開催されることから,カンボジアは勝利を目指し,スポーツ競技の強化に力を入れているところです。

「まずは次のASEAN School Game,その先にあるのは2020年の東京オリンピックと2023年のSea Game。選手と共に夢に向かって一歩ずつ前進したい。」生山隊員の挑戦は続きます。

  • 練習風景

「グローバルフェスタJAPAN2016」開催案内

原稿執筆:国際協力局政策課広報班

今年も10月1日(土曜日)及び2日(日曜日)において,毎年約10万人の来場者を迎える日本最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタ JAPAN 2016」が,お台場センタープロムナードにて開催されます。

国民の皆様に国際協力を身近なものに感じていただくと共に,国際協力の現状・重要性などについての理解と認識を深めていただくことを目的に,毎年10月6日の「国際協力の日」の前後の週末に開催されています。

今年のテーマは,“SDGs”(持続可能な開発目標)という新たな国際開発目標の実施に向けた第一歩となるよう,「for the First Step 新しい目標に向かって」。
国際協力に携わる多くのNGO,国際機関,政府機関,企業など250以上の団体が参加します。

活動についての展示や参加型ワークショップ,世界の料理が楽しめるブース,世界各地における日本の国際協力活動の様子が展示された写真展,若手外務省員による座談会などの催し物が開催されます。
ステージでは,倉木麻衣さん,広瀬アリスさんによるオープニングセレモニーから,オリエンタルラジオのトークショー,ルー大柴さんや膳場貴子さんによるステージなど,豪華なプログラムをご用意しております。

ぜひ皆様も御友人・御家族お誘い合わせのうえ御来場ください。

  • グローバルフェスタJAPAN2016
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