ODA(政府開発援助)

ODAメールマガジン第310号

2015年10月7日発行

平成27年10月9日

  • コンゴ民主共和国

復興への道を歩むコンゴ民主共和国

原稿執筆:在コンゴ民主共和国日本国大使館 鵜沼 達郎 二等書記官

コンゴ民主共和国(コンゴ(民))は,アフリカ大陸ではアルジェリアに続く第2位,世界でも11位の面積を持つ広大な国家です。銅,コバルト,ダイヤモンド等,豊富な地下資源を有する世界トップクラスの鉱物資源国ですが,1990年代に発生した一連の武力紛争により,国内は一時壊滅状態にまで陥りました。しかし,2006年に独立以来初の民主的選挙が行われ,カビラ大統領が就任し,2011年に再任されて以降,紛争からの復興・開発に向けた政府の取り組みが行われています。

  • キンシャサ市内の様子
  • コンゴ(民)赤道州に生息する霊長類ボノボ。
    日本の研究者も調査を行っています。

コンゴ(民)に来てまず驚いたのは,特に年配世代における親日派・知日派の多さです。1970年から1980年代には銅採掘を中心に多くの日本企業がコンゴ(民)に進出しており,日本人街が形成されたほどともいいます。また,コンゴ(民)から多くの留学生が日本へ渡航していたこともあり,年配のコンゴ(民)人にとって,アジアと言えば「日本」というイメージが強く残っています。

1990年から2000年代の武力紛争により,それまでコンゴ(民)に進出していた日本企業の多くは,同国からの撤退を余儀なくされました。しかし,コンゴ(民)が順調に復興への道を歩み,治安状況や経済状況が改善している今日,日本の「再来」に対するコンゴ(民)側の期待はますます大きくなっています。

  • キンシャサ市内の「ロボット信号機」
  • 今年2月に行われた柔道着の引き渡し式典。
    コンゴ(民)では柔道はサッカーに次ぎ2番目に大きな競技人口を誇ります。

コンゴ(民)が紛争から完全に復興するまでの道のりは長く,日本による支援は未だ至るところで必要とされていますが,その一方で,コンゴ(民)のポテンシャルに注目する日本企業が増えてきていることも確かです。経済協力のみならず,日本企業への側面支援や広報文化活動を通じて,コンゴ(民)の若い世代にも,年配者と同じように知日的,親日的になってもらうことが,日本大使館の大きな役割の一つであると思っています。

ノルウェーによるカタンガ州における爆発物除去活動への日本の支援

原稿執筆:ノルウェージアン・ピープルズ・エイド コンゴ民主共和国事務所長 Pehr Lodhammar
(訳:鵜沼書記官)

1996年に発生した武力紛争により,コンゴ(民)の国土には,未だに地雷や「爆発性戦争残存物(Explosive Remnants of War (ERW))」と呼ばれる不発弾等が残っています。
2013年に日本の支援によって実施され,2014年2月に発表された地雷に関する全国調査によれば,コンゴ(民)国内の全11州のうち8州に,計130カ所,総面積180万平方メートルにわたる地雷残存地域が存在することが明らかになりました。対人地雷禁止条約(オタワ条約)では,コンゴ(民)は2021年1月までに地雷の無い国となることが求められています。

  • 今年2月の大使公邸での署名式の様子

2015年4月1日から,ノルウェージアン・ピープルズ・エイド(NPA)は日本の草の根支援を受けて,カタンガ州における地雷除去活動を行っています。(訳注:平成26年度草の根・人間の安全保障無償資金協力で,677,894ドルの資金協力を実施)日本の支援により,NPAはこれまで,15万平方メートル以上に及ぶ地域を除染し,この結果,23,000人以上の地域住民が地雷の脅威から解放されました。2016年6月末までに,カタンガ州から地雷を完全に除去することができると考えています(NPA作成の参考動画別ウィンドウで開く)。

  • 地雷除去チーム
  • 地雷除去サイトの様子

地雷除去活動は地道で困難な作業です。道路が整備されていないことから,危険地域にたどり着くまで首都から車で数週間もかかります。その後,金属探知機を使い,センチメートル単位での探知活動が行われます。金属探知機が反応するたびに,慎重な作業が行われますが,探知機は地雷以外の金属片にも反応するため,必ずしも地雷や不発弾が見つかるとは限りません。

  • 地雷除去活動の様子

日本の支援を受けたこれらの地道な活動の結果として,今年7月,1週間の間に計450発もの不発弾が発見・除去されました。地雷の除去された土地は,今後農業や住居開発のために活用されていくことでしょう。

このプロジェクトの枠内では,現地での地雷除去活動に加えて,コンゴ(民)の内務省地雷対策局の能力強化も行われています。この能力強化活動を通じて,コンゴ(民)政府が国際社会に依存し続けることなく,自ら地雷・不発弾除去活動を行えるようになることが期待されています。