ODA(政府開発援助)
ODAメールマガジン第305号
ODAメールマガジン第305号は,トンガ王国からの「トンガにおける日本の国際協力」と「グローバルフェスタJAPAN2015 出展者募集中!」をお届けします。
トンガにおける日本の国際協力
原稿執筆:在トンガ日本国大使館 北原 卓也 元専門調査員
トンガ王国は,日付変更線のすぐ西に位置し,世界で一番早く新しい日を迎える国のひとつで,大小170余りの島々からなる南太平洋唯一の王国としても有名です。
本年7月4日には,トゥポウ6世国王陛下の戴冠式が行われ,日本からは皇太子同妃両殿下がご出席されたのを始め,世界中から来賓が訪れました。
約10万人の国民のうち,75%にあたる約7万5千人が首都ヌクアロファを有するトンガタプ島に居住していますが,ニュージーランド,オーストラリア,アメリカ合衆国を中心に,多くトンガ人が国外で生活しています。
2014年12月には,長年民主化運動のリーダーを務めてきたアキリシ・ポヒヴァが首相に就任しました。
- 首都ヌクアロファ市街地の様子
日本とトンガの関係は古く,既に戦前にトンガで商売を成功させた日本人がいました。戦後はスポーツでの交流も盛んで,1970年代にはトンガ人の若者が大相撲に入り話題となりました。現在では,多くのトンガ人ラグビー選手が高校・大学・プロと様々なフィールドで活躍しており,日本代表選手にも選出されています。
トンガに対する経済協力は,道路や病院,学校などを建設する無償資金協力から青年海外協力隊や専門家派遣といった技術協力まで多岐にわたっています。
本年5月には,日本の無償資金協力としては初めてマイクログリッドシステム(様々な再生可能エネルギー源から生成された電力を安定的に供給することを可能にするシステム)の引渡し式が行われました。これは,同時に建設された太陽光発電施設と合わせて,再生可能エネルギーでの電力供給量の増加を目指すトンガに大きく貢献する支援です。
- 日本の支援によって建てられた太陽光発電設備
青年海外協力隊の活動では,日本語及びそろばん教育は20年以上続いており,単なる技術協力としてだけでなく,日本・トンガ相互の文化を理解するための手段ともなっています。近年では,糖尿病や肥満が社会的な問題となっているトンガで,生活習慣病を未然に防ぐために健康的な料理を紹介するといった,家政・生活改善の活動も活発に行われています。
トンガ王国における草の根・人間の安全保障無償資金協力(注)は,1993年から実施されています。首都ヌクアロファを有するトンガタプ島のみならず,各離島を含めた261件のプロジェクトに対して支援を行ってきました(2015年5月時点)。
プロジェクトの分野としては,学校の建設といった教育関連が約50%,コミュニティの給水施設の整備が約40%と,この2つの分野が多くの割合を占めていますが,その他にもコミュニティのアクセス向上に関する支援(離島コミュニティ・ボートの整備),女性の能力向上のための施設整備など,支援は多岐にわたっています。
(注)草の根・人間の安全保障無償資金協力とは,開発途上国のNGOや地域コミュニティが抱えるニーズに迅速に応えるために創設された小規模な無償資金協力制度です。
対象となるプロジェクトは,教育,医療,貧困緩和,職業訓練などの基礎的な生活環境を改善する分野で,原則1,000万円を上限として,実施しています。
- 草の根・人間の安全保障無償資金協力の署名式
- 草の根・人間の安全保障無償資金協力で整備された
防災番組制作能力強化のための機材 - プロジェクト実施前に仮設教室で勉強する児童たち
首都ヌクアロファから車で約20分の場所に位置するビウラ小学校の父母教師会が申請した新しい校舎の建築プロジェクト「ビウラ小学校整備計画」は,平成25年度の案件として採択されました。
本協力の背景として,ビウラ小学校は,2009年には116名だった児童数が2013年には230名まで増加し,教室が不足していました。
父母教師会は,2つの学年でひとつの教室を共有したり,椰子の木を使って建てた仮設教室を利用したりするなど努力と工夫を重ねてきましたが,仮設教室は雨の日には雨漏りで授業を中断しなくてはならないなどの問題があり,早急な対策が必要でした。
そこで,在トンガ日本国大使館にプロジェクトへの支援を要請し,面談や現場調査などを経て採択され,2013年9月に建設が始まりました。
- 建設中の校舎
建設工事は順調に進み,2014年5月,4教室を有する新しい校舎が完成し,引渡し式が行われました。
- 新しい校舎と校長
引渡し式は,トンガの教育大臣の出席も得て,児童,父兄,教員のみならず,周辺住民も集まり,盛大に執り行われました。現在,児童たちは整備された環境で元気に学習しています。
- 贈与契約署名式で握手を交わす葉室和親大使(当時)とPTA会長
- 引渡し式で記念プレートの除幕を行う葉室和親大使(当時)
- 引渡し式で踊りを披露する児童たち
- 新しい教室で勉強する児童たち
グローバルフェスタJAPAN2015 出展者募集中!
原稿執筆:国際協力局政策課広報班
国内最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN2015」を10月3日(土曜日),4日(日曜日)に東京・お台場のシンボルプロムナード公園で開催いたします(外務省,国際協力機構(JICA),国際協力NGO(センター(JANIC)共催)。
今回で25年目を迎えるグローバルフェスタは,「Share the Happiness! お台場から広げよう!幸せいっぱい国際協力の輪」をテーマに,例年開催してきた日比谷公園から新しい会場,お台場のシンボルプロムナード公園に移動し,より一層盛り上がって行きたいと思います!
現在出展者の募集を行っておりますので,皆様奮ってお申し込み下さい!
(申込期限7月27日(月曜日))
【公式ホームページ】
http://gfjapan2015.jp/
【申込み方法】
公式ホームページからお申込みください。
出展募集期間:7月9日(木曜日)~27日(月曜日)
出展者説明会:8月5日(水曜日)
【出展に係るお問合せ先】
グローバルフェスタJAPAN2015実行委員会事務局
〒107-0052 東京都港区赤坂2-18-14 赤坂STビル4階
TEL:03-3585-0213(電話でのお問合せ 平日10時00分~17時00分)
FAX:03-3585-6671 E-MAIL:info@gfjapan2015.jp
(注)メルマガ配信登録をされている方々におきましては,一部,ODAメールマガジン第305号でお伝えしました「グローバルフェスタJAPAN2015」のテーマに誤りがございました。お詫びするとともにホームページにて訂正させていただきます。