ODA(政府開発援助)
アルメニアの脆弱なコミュニティにおける人間の安全保障の向上と強靱な社会の構築
平成30年8月7日
- 2018年7月24日,人間の安全保障基金により,「アルメニアの脆弱なコミュニティにおける人間の安全保障の向上と強靱な社会の構築」プロジェクトに対して約200万米ドルの支援を行うことが決定されました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国の主導により国連に設置されたものです。
- このプロジェクトは,国連開発計画(UNDP),国連児童基金(UNICEF),国連世界食糧計画(WFP),国際移住機関(IOM),国連食糧農業機関(FAO)及び国連工業開発機関(UNIDO)により共同で実施されます。
- アルメニアでは,国民全体の約30%とされる貧困層が主に地方に存在しており,都市と地方の格差が課題となっているほか,地方における雇用の不在が住民の国外移住を促しています。1998年の震災からまだ十分に復興が進んでいないシラク地域,アゼルバイジャンとの停戦合意後も影響を受けているタバシュ地域及び同国でも貧困層が特に多いタブシュ地域は特に脆弱であり,国外移住者も多いことが特徴となっていることから,本プロジェクトではこれら地域における脆弱な人々を対象に,人権,ガバナンス及び教育・保健という側面を考慮しつつ,貧困削減,経済成長及び強靱性向上を目的とした支援を実施するものです。
- 具体的には,3か年の事業により,これら地域において,人間の安全保障上の脅威が発生している根本原因の特定,子供達や学校を念頭に置いた防災メカニズムの構築,社会保護及び社会的包摂を目的とする雇用庁の能力強化及びコミュニティベースのプロジェクトの計画・実施,現地に適した農業・非農業分野の雇用創出支援,学校給食提供のセーフティーネット支援等が行われます。
- この事業への支援が実施されることにより,アルメニアの脆弱なコミュニティに対する人間の安全保障が推進されることが期待されます。