ODA(政府開発援助)
エジプトにおける国外移住防止に向けた若者の雇用
平成29年12月7日
- 2017年11月24日,人間の安全保障基金により,「エジプトにおける国外移住防止に向けた若者の雇用」プロジェクトに対して約206万米ドルの支援を行うことが決定されました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国の主導により国連に設置されたものです。
- このプロジェクトは,国際移住機関(IOM),国連工業開発機関(UNIDO)及び国連開発計画(UNDP)により共同で実施されます。
- エジプトではマクロ経済の弱いパフォーマンスにより,2014/2015年に貧困率が27.8%まで,2016年には若者の失業率が31.3%まで増加しており,労働の機会を求める若者の国外への不法移住の原因となっています。本件プロジェクトでは,国外移住のための通過地点のハブとなっているナイル・デルタ地域において,若者を対象として即時の対応を必要とする社会・経済開発に重点を置き,労働市場へのアクセスの改善や若者の雇用機会を探す能力の向上を図ります。
- 具体的には,3年間のプロジェクト実施を通じ,中小企業開発を担当する国家機関の強化,ナイル・デルタ地域のカリュービーヤ及びミヌーフィーヤ県における雇用が促進されるべき優先的な経済分野の特定と小規模のビジネスの支援,若者のコミュニティへの参画が促されます。
- 本件プロジェクトへの支援が実施されることにより,生活基盤が脆弱なエジプトの人々に対する人間の安全保障が推進されることが期待されます。