ODA(政府開発援助)
持続可能な開発目標(SDGs)に向けた
人間の安全保障アプローチの適用能力構築
平成29年6月12日
- 2016年8月26日,国連人間の安全保障基金により「持続可能な開発目標(SDGs)に向けた人間の安全保障アプローチの適用能力構築」プロジェクトに対して約26万米ドルの支援を行うことが決定されました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国の主導により国連に設置されたものです。
- 本プロジェクトでは,国連職員,政府職員,市民社会等のSDGs達成に向けた人間の安全保障アプローチの適用能力を向上させることを目的として,国連システム・スタッフ・カレッジ(United Nations System Staff College: UNSSC)により以下の事業が実施されます。
- (1)人間の安全保障アプローチの基礎に関するオンライン・コースの開発
- (2)人間の安全保障アプローチを用いたSDGs達成のための国家計画策定のための研修
- (3)人間の安全保障に関するアフリカ地域シンポジウムの開催(アフリカ連合(AU)および国連アフリカ特別顧問室(OSAA))との協力によるもの)
- (4)人間の安全保障アプローチを用いたシリア難民受入れコミュニティの強靱性構築のためのワークショップの開催
- 人間の安全保障アプローチは,危機にさらされている人々の保護と能力強化を通じて,広範囲かつ分野横断的な課題に対処することを重視しています。また,人間の安全保障アプローチを用いた開発プロジェクトは,「人間中心(people-centered)」,「包括的(comprehensive)」,「文脈にあった形(context-specific)」,そして「予防的(prevention-oriented)」であり,なおかつ支援の実施主体の一体性(Delivering as One)を確保するものとなっています。このような人間の安全保障の理念は,SDGsにも反映されており,人間の安全保障アプローチを推進することは,SDGsの実施にも有益であると考えられます。
- この事業への支援が実施されることにより,国連職員等の人間の安全保障アプローチに関する理解が深まるほか,地域におけるSDGsの達成に向けた具体的な国家計画の策定を通じた人間の安全保障の推進が期待されます。