ODA(政府開発援助)
第14回ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会
議事要旨
平成29年10月26日
【日時】2015年12月8日(火曜日)17時00分~18時30分
【場所】外務省 南庁舎 180号室
【議題】
- プロサバンナ事業における合意形成:NGO現地調査に基づく問題提起
- マスタープラン公聴会に関するフォローアップ等
【配布資料】
- 外務省・JICA配布資料:
- 資料1:
- 議事次第(PDF)
- 資料2:
- 参加者リスト(PDF)
- NGO配布資料:
- 【参加者】
- 外務省2名、JICA9名、NGO10名(6団体)
1 はじめに
- 前回の意見交換会で残った議題(NGO側現地調査に基づく問題提起)があったので取り上げる。
- 昨日(2015年12月7日)行われたモザンビーク全国農民連合(UNAC)スタッフの報告会も念頭に進める。
2 プロサバンナ事業における合意形成:NGO現地調査に基づく問題提起
(1)資料の説明と狙い
- ア 意見交換らしい議論を進めるため、出されるべき情報はきちんと出されるべきで、前提の部分のやり取りを回避したい。
- イ 資料1をまとめたものが資料2。報告会で十分話ができなかった点を含むが、合意プロセスを巡る問題点の指摘が狙い。
- ウ PEMの各モデル、6ケースに基づき作成。
- エ プロサバンナの進め方に関する農民や市民社会組織からの不信の原因をもう一度検証し、反省・変更すべき点はそのようにし、本当の意味での合意形成に基づいた事業が実施されるべき。
(2)資料1で取り上げられた背景・事例について、次の指摘がなされた。
- ア 【スライド7、8】2013年8月の「三か国民衆会議」では事業実施にあたっては必ず協議すると説明されたが、2014年2~4月にPEMが現地で問題化した。
- イ 【スライド20】モデル2は2月に説明、3月に開始されており、事前に十分な説明があったか疑問。この様な事業の推進が全体に対する農民の期待との相違を生んでいる可能性。
- ウ 【スライド25-33】モデル3とモデル5の連動性を指摘。
- エ 【スライド51-60】DIFの融資先マタリア社の問題を指摘。
(3)以上の事例調査を踏まえ、次の15の問題について指摘が行われた。
- ア 【不明瞭な協議・合意】事業の検討や決定において小農民の関与、意思や意見の反映などの民主的プロセスが非常に欠けている。どのように誰を協議・合意対象にしたのか問題にせざるを得ない。JICA環境社会配慮ガイドラインの「民主的プロセスの尊重」を遵守すべき。
- イ 【指摘の実態把握の不足】この指摘に対する調査も現地政府やコンサルタント任せという印象を受けた。説明にも透明性が欠如し、日本の納税者・国民として不満である。
- ウ 【選定プロセス・基準の曖昧さ】DIFやPEM対象選定基準の適用は明確でなく、ほとんど実績のないところにも融資されている。申請却下の理由に関する情報も少なく、選定の公平性に疑問。
- エ 【タイム・フレームワークの拙速さ】事前相談・説明不足にもかかわらず契約締結を強制している疑い。拙速さは「事業推進」から生まれている問題の可能性。
- オ 【農民の客体化の問題】現場に行かずに作成されたモデルであり、事業対象者が計画立案からの除外されている。日本の援助も支援・供与という発想から抜け出て、新しい開発協力、つまり発展協力という本来の意味での協力を模索し、進めていくべき時期。
- カ 【農民の主体性への懐疑的態度】「遅れた家族小農」との基本的認識が継続。また、既存の組織形成や連帯の論理に基づく運営など、既にあるものを理解しようとの姿勢が弱い。「小農重視」と枠組みは変わっても、小農の実践・変革をきちんと評価し、事業に盛り込むことに繋がっていないことが小農の不満に直結。
- キ 【「インクルーシブ」の形骸化】マスタープラン(以下MP)で既存小農組織が機能せず、経済志向的な協同組合結成ができていないと強調される一方で、PEMではUNAC加盟組織に依存している。その現状を認め、支援対象だけでなくパートナーとすべき。
- ク 【不信の連鎖】これほど強い反対や懐疑を感じるとの答えが返ってくる事業は今回が初めて。これまで続いた「有言不実行」が原因であり、不信が不信を呼ぶ悪循環に陥っている。
- ケ 【DIF中間報告の疑問】企業と契約農家との間で「十分かつ丁寧なコミュニケーション」が取れるような進め方で行われたのか聞きたい。有言実行に結びつけるよう、進めてほしい。
- コ 【前提にされるべき平和構築】地方では特に政治的な文脈が非常に大きく影響するため、平和構築を考えるべき。政府の事業に異議を唱えることは勇気が必要だが、不安や不満が爆発する可能性がある。ローカルな文脈、社会コストを理解し、混乱や社会不安を低減する必要。
- サ 【信頼回復】MPの更新で信頼回復可能との主張には疑問。事業の一時停止や抜本的組み換えを視野に入れて方針を示す必要がある。
- シ 【大豆重視の問題】大豆がモザンビーク国内の食料安全保障に結びつくというが現実は違い、2004年から15年まで7度の食料援助(トウモロコシ・米)を受けている。食料主権に結びつく作物選択が重要。バリューチェーンでも生産量の多いキャッサバにベースに置くべき。
- ス 【契約農業のモニタリング】対象作物(ゴマとトウモロコシ)によって委託農家の満足度と企業の対応の違いが見られた。「横流し」の件は、農家側の戦略的対応である一方、買取側の契約遵守の問題もある。情報の非対称性と不均等性がある以上、第三者を交えた社会的モニタリングが不可欠。
- セ 【土地ガバナンスの不在】1997年の土地法のような献身的な法整備があっても、土地ガバナンスが不在のため実際に土地収奪は起こっている。これを軽視する姿勢はそれ自身が土地収奪に手を貸すこととの認識が国際的にも共有されている。現在の世界では、人権の課題の無視、軽視、黙認について、事業推進側は非常に大きな責任を負う。
- ソ 【参照されるべきガイドライン】では、「責任ある農業投資原則PRAI」を図り、「プロサバンナ農業投資ガイドライン」を作るとされる一方、モザンビーク国内法である程度対応できるという。しかし、世界的には「インクルーシブ」なだけでなく「平等で社会的に責任ある投資」と頭に付けられるようになり、進化している。「責任ある契約栽培」やLPI(Land Policy Initiative)のガイドラインも参照されるべき。
(4)以上の現地調査に基づく指摘に基づき、次の結論が示された。
- ア 本来の事業パートナーは家族小農。しかし、プロサバンナ事業に対して非常に不信感を抱いており、日本政府として十分対処すべきだが、当事者意識と対応が不足している。一方、「声を聞きます」と主張されても不信感の解消は不可能である。
- イ 農業開発事業には大なり小なり意図しないプラス効果とマイナス効果があり、広い視野で間接効果を含めた目配りをしないと、他の多くの事業と同様にとんでもない結果を生む。援助実施者にそのような責任があると認識しておくべき。
- ウ 全体として、プロサバンナ事業の進め方に関する農民、農民組織、市民社会組織の不信がある。真の合意形成に基づく事業実施のためには、再検証の上で反省・修正が不可欠である。
(5)次の4点について質問がなされた。
- ア PDIF(ProSAVANA Development Initiative Fund/プロサバンナ開発イニシアティブ基金)がDIFに名称変更した点について、「ProSAVANA」が名称から無くなってしまった経緯。
- イ 第13回のJICA配布資料「DIFパイロット事業中間報告」の位置づけ。もし中間報告であれば、きちんと検証されていない点があり不十分である。
- ウ プロサバンナでは土地取引の投資を促進させないとの三か国合意が発表されたが、現実には土地収奪が起きており、合意は機能していないといえる。例えば、融資先マタリア社の事例、あるいはルリオ渓谷開発事業による大規模土地取得計画について、政府がこれらを問題として認識し、対応しないのは何故か。三か国合意の政策的反映、そして土地ガバナンスの点からの見解を知りたい。
- エ 「プロサバンナ責任ある農業投資ガイドライン」の現状を知りたい。
3 NGOの問題提起を受けた外務省・JICAからの応答と議論
(1)NGOの問題提起に関し、外務省から次の応答があった。
- ア 指摘された「不信感」についてこの2か月勉強し、気になっている。この2か月で何か進んでいるという心象は全くなく、むしろペースダウンしている。(NGO側から「一時停止なのか?」との質問に対し、「スローダウン」との回答。)
- イ 「抜本的組み換え」とは具体的にどのようなお考えかお聞きしたい。我々は意見交換会を14回開いてきており、正しいと思って始めたことに色々指摘があった。どう修正すべきなのか議論したい。
- ウ 少なくとも公聴会をどのように開催すべきか、モザンビーク政府なりに検討している。また、市民社会の意見を無視しているならば、こうした機会は設けないはずである。
- エ 当事者意識の話があったが、現場に行かないと話にならないので、年明け早々に訪問を検討。
(2)外務省からの質問に対し、NGOから次の応答があった。
- ア あるはずの資料が出てこない等のやり取りで何回も費やされている。現地の家族小農の事業に対する不信だけでなく、情報がきちんと提供されない点がこの事業の問題。事業がODAのガイドラインに基づいて進められていれば、時間を浪費せずにすみ、建設的な議論ができた。
- イ 「抜本的な組み替え」とは、意思決定の仕方や事業の進め方という基本的転換のことで、中身を入れ替えただけでは意味がない。また、日本のNGOが提案すべきではなく、現地の家族小農の本当の要求を彼等と共に調査すべきで、その上でどのような可能性があるかが議論されるべき。
- ウ 「農民の主体性をどうみるのか」という点が重要で、昨日の報告会でUNACスタッフはJICAへの期待が裏切られてきたことに悲しみと不信感を示した。当初はUNACも多くの農民団体の一つとの扱いだったが、彼等の代表性、調査能力や声明は国際的にも評価されており、この意見交換会を通じて政府側の評価も変わってきた。怒りが持ちうるエネルギーを忘れてはならない。
(3)NGOからの問題提起に対し、JICAから次の応答があった。
- ア 昨日の報告会と同様、情報が必ずしも適切でない部分もあったが、本質的な部分については問題意識が伝わってきた。つまり、きちんとした対話、幅広いステークホルダーの参画、それの担保が最も重要という点である。
- イ 現在アフリカ開発では民間投資がなければ何も進まない状況にあり、これはFAOや世界銀行を見ても明らかである。ただ、最近は農業投資関連の原則や理論があり、慎重に進めなければならない。いかに負の影響を排除・回避・最小化し、現地に利益が行渡るようにするかが問われている。
- ウ 無効化や一旦停止というが、現地でプロサバンナ事業を待ち望んでいる人たちも多数いることも承知している。本日の問題提起の一番のメッセージ、地域の人々の声を聴き、彼らが参加することが重要という点は我々も同感である。他方、モザンビーク政府に自主性があり、これを伝え、実現に取り組むのが我々の役割。NGOも現地への働きかけに協力してほしい。
(4)JICAの応答に対し、NGOから次の指摘があった。
- ア 「抜本的な見直し」の趣旨は、「公聴会のやり方の改善」という段階を超えているという指摘であり、現地は、プロサバンナ事業の最初の組み立て、事業内容、プロセスを含めて納得がいかないのであり、公開書簡等で示された無効化・一時停止のように一旦立ち止まるなどプロセスから変えることが大切。小農との真の意味での参加と対話の話は、その次の段階の話。
- イ 「声」の聴き方・対象について、現地の誰から何を聞くかで結果も異なる。モザンビークの州政府などを通して聞くと現地の本当の声を聴くことはできないし、ローカルコンテキストの理解も不可能。この事実をきちんと認識し、これを超えられるような努力をして欲しい。
- ウ 今回の現地調査はJICAや現地農民組織との同行等多様な手法で行われており、それに基づくアドバイスに耳を傾けてほしい。農民は外部者にすぐ本音を語る訳ではない。
(5)以上の議論を受けて、司会から次の指摘と要請がなされた。
- ア NGO側の問題提起に関し、JICAは「皆さんと同様」とした。これまで全体論を中心に意見交換会を重ねてきたが、結局ズレを解消できていない以上、このようにまとめるべきではなく、大事なことは個別をみることである。
- イ JICAとして論点に返事をしたい部分があるということなのでこれらを書面で提供し、一つずつ互いのすれ違いを潰してほしい。
4 DIF中間報告に関しての議論
(1)前回配布資料について次のやり取りがJICAとNGOによってなされた。
- JICA:前回配布資料(DIFパイロット事業中間報告)は基本的には最終版である。
- NGO:英語・ポルトガル語版の有無、現地のカウンターパートとはこちらの文章をシェアしているか。
- JICA:していない。実証版であり、農村支援などを導入することによって現地の農家がどの様にメリットを受けられ、現地企業が上手くできるかを見るのが目的である。
- NGO:検証活動をやった中間的な結果ということで、行った調査はこれで十分との理解か。
- JICA:継続的にやることに重要性があり、繰り返し行うことによって双方の信頼性の高まり、事業としての農業生産性が良くなっていくことが期待できる。
(2)以上のやり取りを踏まえ、次の要請がなされた。
- NGO:その点についてはまた別途議論が必要である。
- JICA:ローカルのコンテキストを理解するのは我々も重要と考えており、次回は同行してNGOが面談した農民にも直接会って意見を聞きたい。
5 マスタープラン公聴会に関するフォローアップ
(1)現状についてJICAから次の説明がなされた。
- ア モザンビーク政府がモザンビーク農民組織や市民社会からの公聴会に関する声明への回答について約束したと言ったが、議事録を見てもそれが確認できなかった。JICAとしても、そう述べたつもりはない。
- イ 公聴会のプロセスに関しての農民組織や市民社会との意見協議に関しても、モザンビーク政府でも検討を行っていると(前回)説明したが、状況はあまり変わっていない。
- ウ モザンビーク農業省が前面に出て話をしても、農民が話に応じることではないと聞いている。今はJICAから進捗を申し上げられない。
(2)以上の説明を受けて、NGOが得た現地からの情報に基づき、次のやり取りがNGOとJICAの間でなされた。
- NGO:現地では特に動きが無いということか。
- JICA:農民組織や市民社会組織との事前協議で、誰を対象に何時どのようなやり方で行うかについて、検討しているところであるが、いつから協議を行うのか具体的な結論は出ていない。
- NGO:それでは、ここ数日現場からきている情報を共有し、確認を行う。JICAが雇っているコンサルタントが、No to ProSAVANAキャンペーンに関わるNGOに個別にアポをとって面談しており、ナンプーラでも一部農民とコミュニケーション・ワークショップを開催すると言われている。これは公聴会のやり方について現地の市民社会と行うといっていた事前相談と関係があるのか。
- JICA:同じものではない。モザンビーク農業省としては、どのような形で市民社会と対話ができるのか、各組織がどういうポジションでいるのかについて、情報収集を行っている段階である。モザンビーク政府は対話の方法について模索している状況である。農業省が行っても対話にならないので糸口を探しており、第三者が入ってもらい、実施している。これは事前協議や公聴会よりも前の段階であり、こちらから説明すべき内容ではない。
- NGO:もし「前の前の段階」であれば、これから修正も可能なはず。個人面談の場合は議事録が残らず、話し合ったことが次に繋がる保証もなく、さらに公のプロセスではないため、現地では非常に不安を抱かれている。
- JICA:そのような配慮は必要である。しかし皆の前では意見を言えない人達もいる。このコミュニケーションをもって、何かに合意した、と進めていくわけではない。現地関係者にテーブルに着いてもらい、意見を十分に聞けるような環境をどう作っていくかを農業省は考えており、その上でコンサルタントが動いている。
- NGO:公聴会後の不信の連鎖がすでにあることを考慮に入れる必要がある。コンサルタントが個別で聞くという形により、不信の連鎖を煽ることになっている。JICAとしてもコンサルタントにこういうことを許してはいけない。
- JICA:プロサバンナ事業実施を担っているコンサルタントが行っているのではない。
- NGO:では、どのようなコンサルタントか。
- JICA:農民組織や農民とのコミュニケーションを行うことを専門にしている専門家である。
- NGO:これは日本の支援の枠内のものか。
- JICA:いいえ。今迄プロサバンナ事業を担当しているコンサルタントとの契約では行っていない。
- NGO:プロサバンナ事業のコミュニケーション戦略としてか。
- JICA:そうではなく、市民社会組織とどうやって対話を作るかを考え、コミュニケーションの専門家が行くことで、各組織とどの様に物事を進めていったらいいのか意見を知ろうとしている。納得させるためではない。
- NGO:資金は日本政府から出ている訳ではないのか。
- JICA:それについては、話ができるようになった段階で、整理した上で話したい。
- NGO:現地ではJICAのコンサルタントだと理解されている。
- JICA:もう少しまとまってから話をさせてほしい。
- 司会:モザンビーク政府が市民社会について学びたいという姿勢であれば評価できるが、やり方を間違えると問題であり、きちんと枠組みの中で説明がされるべき。不信の種になりかねない。
- JICA:今迄と異なる形で話を聞くという趣旨。まだ公聴会の前の前の段階であるため、もう少し形になった段階で伝える。
- NGO:根本問題は明確なのだから、コンサルタントに意見徴収を委ねるのはおかしい。現地市民社会は人権侵害の形に結びつく公聴会に反対した。公聴会の反省を検討した上で、公聴会はこう実施されるべきという枠組みをJICAや外務省が提案すべき。
- JICA:公聴会のやり方は、意見も踏まえてこれから検討していく。対話のやり方を事前に相談してほしい、というリクエストをモザンビーク市民社会からいただいているので、そのリクエストを農業省が受けたということ。
- NGO:コミュニケーションをするにあたってコンサルタントを雇うというのはかなり問題。公聴会のやり方について市民社会から意見を聞く方法のためにコンサルタントを雇ったのか。
- JICA:そうではなく、最初のコンタクトをしてもらっている。
- NGO:コンサルティング企業に直接聞いてもらうということか。
- JICA:この先、コンサルタントが政府に代わってコミュニケーションをするわけではない。政府から突然招待状が届き、議論への参加を呼びかけられても対応できないため、違うアプローチが必要と考えている。公聴会でもなく、事前の相談でもない。どのように環境醸成できるかを検討するものである。
- 司会:反省や問題の認識をモザンビーク政府が持っているということを書面で出して、その上でコミュニケーションについて考えたいのでコンサルタントを雇ったということであれば理解が可能であるが、市民社会が分からない中でこのような事が起きると、やはり不信の目で見られる。
- NGO:政府側が作成し、前回の意見交換会で配布され、ホームページに記載されている「公聴会のまとめ」は前向きな評価しか記されていない。「やり直す」「考え直す」というが、ではこの文書を日本政府として出してしまうのはどういうことか。
- JICA:記載が不十分ということであるが、モザンビーク政府は色々な懸念事項に対応すること、公聴会プロセスの改善のためのレビューの必要性を認めている。その中で、現在のプロセスをとっている。反省点を紙で出すより、既にモザンビーク政府が認めているということを受け止め、その成果をモニターしていくのがJICAの役割。
- NGO:口頭では反省しているというが、ODA政策協議会では、政府側まとめが日本語訳付きで外務省によって紹介されている。一方でこう話し、他方でこう話すというズレが生じている。
- 外務省:政府側まとめは、公聴会を誉め称えている訳ではない。公聴会プロセスの改善のためのレビュー、市民社会とのコミュニケーションの強化が必要で、公聴のための対話体制を構築する必要があると確認されたと書かれている。
- JICA:モザンビーク政府の結論は、市民社会など各ステークホルダーとの対話継続にコミットすることを改めて明確にしたいということで、適正なやり方でやりたいと考え、コンサルタントを導入した。より不信を煽らない形で行うことは必要。
6 司会まとめ
- (1)きりないのでここで止めるが、これで良いという訳ではない。
- (2)土地に関する質問の回答は次回に行うことを要請。
- (3)外務省現地出張にあわせ、面談者についてNGOに相談することを合意。
- (4)本日のNGO側プレゼンテーションについてJICAからの指摘を書面でNGOに提出することを合意。